ネットスーパー市場は12.9%増と好調、富士経済調べ
富士経済は、コロナ特需が落ち着いたものの堅調に拡大を続ける通販市場と、その拡大をけん引するEC市場、食品・生鮮品を中心に購入者の定着が進むネットスーパー市場を調査し、調査結果を「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2023」にまとめた。
ネットスーパーは、コロナ禍で日常の買い物を含めて外出が自粛されたことで需要が急増し、2020年の市場は2140億円となった。全国に店舗や物流網を有する流通大手だけでなく、地方チェーンも参入している。地方チェーンでは即日配達対応といった配達までのリードタイム短縮を訴求し差別化を進めている。
2022年はサミットの再参入、また、流通大手がサービス対応店舗の拡充によるエリアカバー率向上や取扱品目数の増加による利便性向上と単価アップを図っており、市場は前年比12.1%増の2770億円となった。
2023年以降も流通大手を中心に物流インフラ整備への積極投資による配送網整備と自動化・省人化を進めていくとみられ、サービス展開エリアが広がることで、さらなる市場拡大が予想される。
商品カテゴリー別では、食品・生鮮品が大半を占めており、購入頻度の高い生鮮品の都度購入や、米や飲料類のまとめ買いなどが多い。生活雑貨は、利用者層のボリュームゾーンである子どものいる家族層のついで買いやまとめ買いが多く、堅調な需要がある。
通販は、2020年は不要不急の外出自粛や商業施設の休業などにより、食品・日用品を含むあらゆる商品を買う場所として認知され、市場は前年比17.7%増となった。
2022年は、徐々に行動制限の緩和が進んだことで、通販から実店舗への回帰が活発化した。しかし、仮想ショッピングモール展開企業や流通大手が物流インフラへの積極投資やサービスの拡充を進めたことで拡大が続き、市場は15兆円を突破した。
すべての商品カテゴリーで市場は拡大している。とくに伸びているのは、リピート需要の定着でネットスーパーが好調な食品・生鮮品や、実店舗とECを一体化させたOMOの取り組み強化が進むアパレルである。一方、外出機会の増加により店舗での購入に回帰している医薬品、室内の充実化ニーズが落ち着きつつある家具・インテリア・寝具などは伸びが落ち着きつつある。
通販形態別ではECが市場をけん引している。2022年時点で市場の9割近くを占めており、すべての商品カテゴリーでEC比率は上昇している。健康食品/化粧品/医薬品(一般用医薬品)などでは、カタログ通販、ラジオ通販、テレビ通販でリピートユーザーの根強い需要があるが、近年ではスマートフォンを経由したECでの購入が増えている。また、メディアミックス戦略の一環としてECへの送客強化が活発であり、原料価格や物流費高騰を背景とする販促費の見直しによりチャネルの再編が増えているため、引き続きカタログ通販、ラジオ通販、テレビ通販などの比率が低下するとみられる。
2020年のEC市場は、コロナ禍にともなう巣ごもり需要により、新規顧客を多数取り込んだことで高い伸びとなった。2022年は、仮想ショッピングモール展開企業や流通大手が物流インフラへの積極投資に加え、独自商品強化や品切れを防ぐためのシステム改修、配送頻度/枠数増加といったサービスの拡充を進めたことで市場は引き続き、拡大した。
受注形態別では、PC経由の受注が大半を占めていたが、スマートフォンの利用増加や専用アプリ配信の増加により、2021年にはスマートフォン経由がPC経由の市場を上回った。スマートフォン向けのUI/UXの改善やアプリ提供・改良などユーザビリティ強化を図る動きもみられ、今後も高い伸びが予想される。一方、PC経由の伸びは微増にとどまることから、市場に占める構成比は低下していくとみられる。
コロナ禍の最寄品購入により新規需要獲得とリピート需要定着が進んだことに加え、OMOの取り組み強化による実店舗とECの棲み分け、ユーザビリティ改善やリードタイムの短縮といったサービス面での差別化などにより、2023年のEC市場は13兆8692億円が見込まれる。
各社ともアプリの強化による閲覧率、サイト滞在時間延長に注力し、購買意欲向上を図っており、今後もスマートフォンからの受注が増えていくとみられる。また、店頭では伝えきれない大量の情報発信やライブコマースやオンラインセミナーといったECならではのコンテンツの展開などにより、リピート需要の獲得を進めていくとみられる。
ECも4.5%増と市場拡大
今回の調査では、通販市場をECなど通販形態別、食品・生鮮品など10の商品カテゴリー別に分析した。また、仮想ショッピングモールや主要・注目企業のケーススタディ分析を行い、物流やキャッシュレスへの対応、現状の課題などを幅広くとりまとめ、市場の展望やポテンシャルを示した。ネットスーパーは、コロナ禍で日常の買い物を含めて外出が自粛されたことで需要が急増し、2020年の市場は2140億円となった。全国に店舗や物流網を有する流通大手だけでなく、地方チェーンも参入している。地方チェーンでは即日配達対応といった配達までのリードタイム短縮を訴求し差別化を進めている。
2022年はサミットの再参入、また、流通大手がサービス対応店舗の拡充によるエリアカバー率向上や取扱品目数の増加による利便性向上と単価アップを図っており、市場は前年比12.1%増の2770億円となった。
2023年以降も流通大手を中心に物流インフラ整備への積極投資による配送網整備と自動化・省人化を進めていくとみられ、サービス展開エリアが広がることで、さらなる市場拡大が予想される。
商品カテゴリー別では、食品・生鮮品が大半を占めており、購入頻度の高い生鮮品の都度購入や、米や飲料類のまとめ買いなどが多い。生活雑貨は、利用者層のボリュームゾーンである子どものいる家族層のついで買いやまとめ買いが多く、堅調な需要がある。
通販は、2020年は不要不急の外出自粛や商業施設の休業などにより、食品・日用品を含むあらゆる商品を買う場所として認知され、市場は前年比17.7%増となった。
2022年は、徐々に行動制限の緩和が進んだことで、通販から実店舗への回帰が活発化した。しかし、仮想ショッピングモール展開企業や流通大手が物流インフラへの積極投資やサービスの拡充を進めたことで拡大が続き、市場は15兆円を突破した。
すべての商品カテゴリーで市場は拡大している。とくに伸びているのは、リピート需要の定着でネットスーパーが好調な食品・生鮮品や、実店舗とECを一体化させたOMOの取り組み強化が進むアパレルである。一方、外出機会の増加により店舗での購入に回帰している医薬品、室内の充実化ニーズが落ち着きつつある家具・インテリア・寝具などは伸びが落ち着きつつある。
通販形態別ではECが市場をけん引している。2022年時点で市場の9割近くを占めており、すべての商品カテゴリーでEC比率は上昇している。健康食品/化粧品/医薬品(一般用医薬品)などでは、カタログ通販、ラジオ通販、テレビ通販でリピートユーザーの根強い需要があるが、近年ではスマートフォンを経由したECでの購入が増えている。また、メディアミックス戦略の一環としてECへの送客強化が活発であり、原料価格や物流費高騰を背景とする販促費の見直しによりチャネルの再編が増えているため、引き続きカタログ通販、ラジオ通販、テレビ通販などの比率が低下するとみられる。
2020年のEC市場は、コロナ禍にともなう巣ごもり需要により、新規顧客を多数取り込んだことで高い伸びとなった。2022年は、仮想ショッピングモール展開企業や流通大手が物流インフラへの積極投資に加え、独自商品強化や品切れを防ぐためのシステム改修、配送頻度/枠数増加といったサービスの拡充を進めたことで市場は引き続き、拡大した。
受注形態別では、PC経由の受注が大半を占めていたが、スマートフォンの利用増加や専用アプリ配信の増加により、2021年にはスマートフォン経由がPC経由の市場を上回った。スマートフォン向けのUI/UXの改善やアプリ提供・改良などユーザビリティ強化を図る動きもみられ、今後も高い伸びが予想される。一方、PC経由の伸びは微増にとどまることから、市場に占める構成比は低下していくとみられる。
コロナ禍の最寄品購入により新規需要獲得とリピート需要定着が進んだことに加え、OMOの取り組み強化による実店舗とECの棲み分け、ユーザビリティ改善やリードタイムの短縮といったサービス面での差別化などにより、2023年のEC市場は13兆8692億円が見込まれる。
各社ともアプリの強化による閲覧率、サイト滞在時間延長に注力し、購買意欲向上を図っており、今後もスマートフォンからの受注が増えていくとみられる。また、店頭では伝えきれない大量の情報発信やライブコマースやオンラインセミナーといったECならではのコンテンツの展開などにより、リピート需要の獲得を進めていくとみられる。