わかりにくい「こども家庭庁」を早わかり! 所管事業と全体像を把握しよう
【家電コンサルのお得な話・124】 「こども家庭庁」が4月1日に発足してから約1カ月になるが、こども家庭庁の存在や事業について「よくわからない」という声も多い。近年は子育て支援にかなりの予算を割くような政策に変わってきている。子育て中の方々が「知らない不利益」を被らないよう、今回は「こども家庭庁の事業」について説明しよう。
新しい省庁が発足すれば、新規事業が多く創設されるイメージを抱くが、実際のところ新規事業はそう多くはない。こども家庭庁においても、ほとんどの事業が厚生労働省や内閣府など、他の省庁から移管された「すでに実施されている既存の事業」なのだ。
一例を挙げれば、国民の関心が高い「子ども・子育て支援新制度の給付・事業(図1参照)」が該当する。この事業は「市町村を実施主体(図の(5)を除く)として、すでに実施されている事業」であり、認知度の高い「児童手当(内閣府から移管)」も、その一つである。
既存事業が多いのに、なぜ「わかりにくい」のだろうか?その理由として筆者は「『子供の様々な課題への総合対応』という視点で各省庁から事業移管しているため、つぎはぎ感が拭えず、全体像と関連予算が見えにくくなっている」からだと考えている。
まず、全体像を理解するには「こども家庭庁の創設イメージ(図2参照)」が役に立つだろう。図2は、子どもの年齢を軸にして、妊娠前から18歳以降まで、それぞれに該当する支援策等が記載されているため、全体像が把握しやすくなっているからだ。
また、こども家庭庁関連予算は、大きく4項目(図3の(1)~(4))に分けられており、それぞれに複数の支援策等がある。
図3では、この支援策等に付けられた予算も明示されており、「何に、いくら使われるのか」がわかりやすく示されている。
ちなみに、この図3をもとに、こども家庭庁に独自の事業について問い合わせたところ、概ね(1)の「こどもの視点に⽴った司令塔機能の発揮、こども基本法の着実な施⾏(赤枠の項目)」が該当するようだ。ここでも移管された事業の多さがわかる。
これらの事業の実施に当たっては、事業主体が市町村の場合、対象となる住民に対して連絡を行う「プッシュ型」が多いと考えられるが、概要についてはその都度、このコラムでもお知らせしていければと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)
■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。
他省庁からの移管事業なのに、なぜこれほど「わかりにくい」のか
新しい省庁が発足すれば、新規事業が多く創設されるイメージを抱くが、実際のところ新規事業はそう多くはない。こども家庭庁においても、ほとんどの事業が厚生労働省や内閣府など、他の省庁から移管された「すでに実施されている既存の事業」なのだ。
一例を挙げれば、国民の関心が高い「子ども・子育て支援新制度の給付・事業(図1参照)」が該当する。この事業は「市町村を実施主体(図の(5)を除く)として、すでに実施されている事業」であり、認知度の高い「児童手当(内閣府から移管)」も、その一つである。
既存事業が多いのに、なぜ「わかりにくい」のだろうか?その理由として筆者は「『子供の様々な課題への総合対応』という視点で各省庁から事業移管しているため、つぎはぎ感が拭えず、全体像と関連予算が見えにくくなっている」からだと考えている。
全体像と「いくら使われるか」を把握
まず、全体像を理解するには「こども家庭庁の創設イメージ(図2参照)」が役に立つだろう。図2は、子どもの年齢を軸にして、妊娠前から18歳以降まで、それぞれに該当する支援策等が記載されているため、全体像が把握しやすくなっているからだ。
また、こども家庭庁関連予算は、大きく4項目(図3の(1)~(4))に分けられており、それぞれに複数の支援策等がある。
図3では、この支援策等に付けられた予算も明示されており、「何に、いくら使われるのか」がわかりやすく示されている。
ちなみに、この図3をもとに、こども家庭庁に独自の事業について問い合わせたところ、概ね(1)の「こどもの視点に⽴った司令塔機能の発揮、こども基本法の着実な施⾏(赤枠の項目)」が該当するようだ。ここでも移管された事業の多さがわかる。
これらの事業の実施に当たっては、事業主体が市町村の場合、対象となる住民に対して連絡を行う「プッシュ型」が多いと考えられるが、概要についてはその都度、このコラムでもお知らせしていければと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)
■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。