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知っておきたい!施行された新しい「遺伝子組換え表示制度」

時事ネタ

2023/04/15 19:00

【家電コンサルのお得な話・122】 4月1日、新しい「遺伝子組換え表示制度」が施行された。メディア等では大きく取り上げられていないが、「国民の食と健康」に関する重要な制度改正である。この制度で決められた表示の意味を正しく知ることは、自分自身の健康を守ることにもつながるだろう。

消費者庁の
「遺伝子組換え表示制度パンフレット」

新制度では「意図せざる混入が0」の場合のみ表示できる

 「遺伝子組換え表示」の義務対象には、9種類の農産物(枝豆と大豆もやしを含む大豆、とうもろこし、ばれいしょ、なたね、綿実、アルファルファ、てん菜、パパイヤ、からしな)と、それを原料とした33の加工食品群が定められている。

 表示制度には、「義務表示」と、大豆及びとうもろこし並びにそれらを原材料とする加工食品について定めた「任意表示」の二つがあり、今回改正されたのは任意表示の方である。
 
今回は「任意表示制度」が改正された

 旧制度の任意表示では「分別生産流通管理をして、意図せざる混入を5%以下に抑えている大豆及びとうもろこし並びにそれらを原材料とする加工食品」を対象とし、その表示は「遺伝子組換えでないものを分別」や「遺伝子組換えでない」等の表示が可能であった。

 これに対し、新制度では「遺伝子組換えでないものを分別」や「遺伝子組換えでない」の表示を使用できるのは「意図せざる混入が0」の場合のみとなる。これまで通り「意図せざる混入が5%以下」のものは、「分別生産流通管理済み」や「遺伝子組換え混入防止管理済み」などの表示を使用することになった。

 簡単に言えば、今までは「遺伝子組換えでない」等の表示にも関わらず、私達は「遺伝子組換えの混入が5%以下」の商品を買わされていたのであり、今回の改正により、やっと「遺伝子組換えでない=遺伝子組換え混入0%」が実現したということである。

 ここだけを見れば今回の改正は、「消費者にとって都合がいいもの」に見えるが、まだまだ課題も多い。

 例えば、納豆の場合、スーパー等で取り扱っている3パック100円程度の商品は、ほぼ全て、遺伝子組換えが5%以下混入しているものであり、混入0%の「遺伝子組換えでない」ものを探す方が難しい。「遺伝子組換えでない」納豆にこだわれば、大幅に価格が高いものになるだろう。

 そもそも、義務表示で「9農産物及びそれを原料とした33加工食品群」しか対象にしていないことにも問題がある。遺伝子組換え食品には安全性に疑念を持つ人も多く、人体への影響を主張する意見も少なくない。

 筆者の個人的意見ではあるが、遺伝子組換え食品をはじめ、様々な分野で「結果が出るまで長期間かかる可能性があるもの」については、特に慎重に考えることが大切だと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)


■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。
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