2023年ゴールデンウィークは旅行する!?JTBが動向を調査

データ

2023/04/07 18:00

 JTBは4月6日に、全国の15~79歳の男女を対象に実施した、旅行動向アンケートなどを基にした、ゴールデンウィーク期間(4月25日~5月5日)中に1泊以上の旅行へ出かける人の動向見通しを発表した。旅行動向アンケートは、事前調査2万名、本調査2060名に対して、3月13日~20日の期間に行われている。

2023年ゴールデンウィーク旅行動向の推計

国内外ともに大幅増の見通し

 各種経済指標、交通機関各社の動き、宿泊施設の予約状況、各種定点意識調査などをもとに、ゴールデンウィーク期間の旅行動向を算出したところ、総旅行者数は2470万人、総旅行消費額は9040億円と推計された。

 国内旅行者数は2450万人、国内旅行平均費用は3万4800円、総国内旅行消費額は8526億円で、ほぼ新型コロナ禍前の状態への回復が見込まれる。

 一方で、海外旅行者数は20万人で、新型コロナ禍前までの10年間の平均と比較すると、3割超回復したといえる。海外旅行平均費用は25万7000円、総海外旅行消費額は514億円となり、物価高や円安、燃料高騰、国際線座席提供数の縮小などの影響もあって、国内旅行と比較すると回復は緩やかとなっている。
今の自身の生活とゴールデンウィークについて

 旅行動向アンケートでは、調査対象者に生活とゴールデンウィークの旅行について、当てはまる状況を尋ねたところ(複数回答)、「仕事や会社の業績が悪化し収入が減りそうだ」(7.7%)は、「収入が増えそうだ」(2.7%)より多いものの、前年調査と比較して3.6ポイント減少した。

 一方で、「家計に余裕はない」(24.4%)が前年よりも1.4ポイント増加し、「家計に余裕がある」(4.2%)は0.3ポイント減少している。また、「将来が不安なので、貯蓄や資産運用を増やしている」(13.7%)も前年より0.4ポイント増加した。

 旅行内容については、遠距離よりも近距離、日数増よりも日数減、豪華よりも質素という傾向が依然としてみられるものの、前年と比較してその差は縮小している。
今後1年間の旅行の支出に対する意向

 今後1年間の、旅行の支出に対する意向を尋ねた質問では、「これまでより旅行支出を減らしたい」(36.9%)が、「これまでより旅行支出を増やしたい」(19.4%)を上回ったものの、前年調査と比較すると「旅行支出を増やしたい」が3.9ポイント増加した。
ゴールデンウィークの旅行意向

 ゴールデンウィーク期間中の、帰省を含めた旅行意向を尋ねたところ、「行く」と「たぶん行く」を合わせた割合は26.5%で、前年より9.3ポイント増加している。新型コロナ禍前の2019年の調査結果は26.3%だったので、旅行意欲は新型コロナ禍前と同等まで回復したといえる。
ゴールデンウィークの旅行意向(性年代別)

 性年代別でみると、男女ともに若い世代ほど旅行意向が高くなり、「行く」と「たぶん行く」を合わせた割合は、29歳以下の男性が40.2%(前年29.0%)、29歳以下の女性が37.3%(同23.7%)だったのに対して、70代の男性は19.5%(同11.0%)、70代の女性は14.6%(同8.2%)となっている。
ゴールデンウィーク期間中に旅行へ行かない理由

 ゴールデンウィーク期間中は、旅行へ「行かない」または「たぶん行かない」と答えた人に、その理由を尋ねた質問(複数回答)では、「ゴールデンウィークは混雑するから」(42.5%)がもっとも多く、「ゴールデンウィークは旅行費用が高いから」(31.1%)、「家でのんびりしたいので」(26.1%)、「収入が減ったので支出を控える」(14.5%)がそれに続いた。2021年と2022年に最多だった「新型コロナウイルス感染症がまだ収束していないから/拡大の懸念があるから」(13.2%)は、前年調査から26.2ポイント減と大幅に減少している。
旅行目的や動機

 事前調査において、ゴールデンウィーク期間に「旅行に行く」「たぶん旅行に行く」と回答した人(2060名)に、旅行に行く目的や動機を尋ねたところ(複数回答)、「家族と過ごす」(30.4%)が最多となり、「リラックスする、のんびりする」(29.8%)、「食事、地域の味覚を味わう」(27.0%)、「自然や風景を楽しむ」(25.0%)、「温泉でゆっくりする」(24.8%)がそれに続き、上位の傾向は前年と同様だった。
旅行先

 旅行先を尋ねた質問では、「関東」(20.0%)がもっとも多く、以下「近畿」(16.8%)、「東海」(10.6%)、「九州」(9.4%)が続いている。「海外」(3.0%)という回答もみられた。
旅行先を選んだ理由

 旅行先を選んだ理由としては、「行きたい場所があるので」(42.7%)が最多となり、前年と比較して4.3ポイント増加している。「自家用車やレンタカーで行ける場所なので」(19.7%)は2.0ポイント減、「帰省先なので」(18.2%)は4.0ポイント減、「自然が多いなど、三密を回避しやすい地域なので」(14.8%)は3.3ポイント減少した。
ゴールデンウィークの旅行先(回答者の居住地別)

 居住地別に旅行先をみると、旅行先と居住地が同じ地方である域内旅行は、「北海道」(68.9%)と「九州」(62.9%)が60%超に達する一方で、「関東」は29.5%に留まっている。
回答者の居住地別ゴールデンウィーク旅行先の前年増減比

 前年との比較では、近畿地方以外のすべての地域で域内旅行の割合が減少しており、居住地域外への旅行が増加した。
旅行出発日

 ゴールデンウィーク中の旅行の出発日を尋ねたところ、5連休の初日である「5月3日」(21.0%)がもっとも多く、以下「4月29日」(17.0%)、「4月28日」(11.5%)が続いている。
旅行日数

 旅行日数を尋ねた質問では、「1泊」(39.0%)が前年より2.8ポイント増加で最多となった。「2泊」(33.6%)は1.0ポイント増加したものの、「3泊」(15.4%)以上はすべて減少している。
旅行の同行者

 旅行の同行者は、「夫婦のみ」(24.0%)がもっとも多かったものの、前年と比較して1.5ポイント減少した。以下「子ども連れ(中学生までの)の家族旅行」(23.3%)が0.3ポイント減で続き、「(母娘、三世代などの)その他の形態の家族旅行」(12.1%)は2.3ポイント増加しており、これらを合わせた家族旅行の割合は59.4%に達し、前年より0.5ポイント増加している。「1人」(16.3%)は1.7ポイント減と、2年連続で減少した。
1人あたりの旅行費用

 1人あたりの旅行費用は、「1万円~2万円未満」(22.4%)が最多となったものの、前年から1.4ポイント減少している。それに続く「2万円~3万円未満」(20.7%)は前年より2.9ポイント増、「1万円未満」(12.9%)は1.2ポイント減となった。
利用交通機関

 利用交通機関(複数回答)は、「自家用車・レンタカー」(65.8%)が前年より3.8ポイント増加してもっとも多く、「鉄道全体」(41.3%)は2.5ポイント増加している。内訳としては、「JR新幹線」(22.2%)は0.4ポイント減、「JR在来線・私鉄」(19.1%)は2.9ポイント増となった。「航空機全体」(16.1%)は、前年より4.5ポイント減少している。
利用宿泊施設

 利用宿泊施設は、「ホテル」(52.9%)が最多となり、前年より9.0ポイント増加した。以下「実家や親族の家」(18.7%)は3.5ポイント減、「旅館」(17.1%)は4.4ポイント増となっている。なお、新型コロナ禍で増加傾向にあった「キャンプ場・グランピング・キャンピングカー・車中泊など、アウトドアに関する宿泊」(3.7%)や「民泊・貸別荘」(1.0%)は、いずれも減少した。
ゴールデンウィーク期間中の旅行について特別に考慮すること

 ゴールデンウィーク期間中の旅行について、特別に考慮することを尋ねたところ(複数回答)、「引き続き旅行中もマスクを着用する」(39.8%)がもっとも多く、以下「公共交通機関を使わずに、自家用車やレンタカーを使う」(26.4%)、「少人数での旅行にとどめる」(23.8%)、「部屋食や個室で食事ができる施設を選ぶ」(17.3%)、「人が多数移動する時間を避ける」(15.3%)が続いている。

 ほとんどの項目が前年よりも減少する一方で、「観光に関するキャンペーンが利用できる旅行先を選ぶ」(11.7%)は前年より4.4ポイント増、「旅行者に対して、歓迎の意思が感じられる地域を選ぶ」(8.7%)は1.0ポイント増となった。
ゴールデンウィークに出かける場所として気になっているところ

 ゴールデンウィークに出かける場所として、気になっているところを尋ねた質問(複数回答)では、「自然の景色が楽しめる場所(国立公園や花畑など)」(29.7%)が最多となり、以下「食をメインにしたイベント」(20.1%)、「自然の体験が楽しめる場所(登山などのアウトドア、キャンプなど)」(15.2%)が続いている。「特に気になっている/行きたいところはない」(10.1%)は、前年よりも8.2ポイント減少しており、全体的に旅行意欲の高まりがうかがえる。
ギャラリーページ