ポイントカード(アプリ含む)の提示や店舗、オンラインでの決済金額に応じてたまるポイントのうち、dポイント・楽天ポイント・Pontaポイント・Tポイントは「4大共通ポイント」と呼ばれている。このうち、Tポイントは、三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)の共通ポイント「Vポイント」と2024年春をめどに統合予定で、今年1月27日にSMBCグループとCCCグループとの業務・資本提携の最終合意が結ばれている。
この4大ポイントとスマートフォン決済サービス「PayPay」の決済などでたまるPayPayポイントを加えた「5大共通ポイント」の勢力図が、今後変化していく見通し。SMBCグループが打ち出した、特典としてVポイントがたまる総合金融サービス「Olive(オリーブ)」が、その契機となりそうだ。3月のサービス開始を前に、Oliveの狙いとサービス概要を解説する。
決済機能に加えて証券や保険など、グループの枠組みを越えた幅広いサービスを提供していく。こうしたワンストップの個人向けの総合金融サービスは、すでに他社も取り組んでいるが、Oliveの独自性は、クレジットカードを中心に据え、そこに銀行口座(デジタル支店・紙通帳発行なし)、オンライン証券会社を追加することで、ポイント・決済・資産運用を幅広くカバーする仕組みを、サービス開始時点に整えた点にある。
例えば、楽天ポイントの場合、もともとはECモール「楽天市場」のポイントであり、他社を買収して銀行やクレジットカード事業といった金融分野に参入した結果、銀行取引などでもポイントがたまるようになったという経緯がある。対してOliveの金融サービスは、もともと金融サービスを提供していた三井住友銀行・三井住友カードの組み合わせなので信頼性は高いだろう。
また、Olive向けに三井住友銀行のキャッシュカードの機能とクレジットカード、デビットカード、ポイント払い(プリペイドカード)の機能をアプリで切り替えができる“世界初”の「フレキシブルペイ」を搭載したマルチナンバーレスカード(キャッシュカード一体型Visaカード)を発行し、さまざまな入会特典・利用特典を用意する。
クレジットカード機能付きの「Oliveフレキシブルペイ」のランクは、一般・ゴールド・プラチナプリファードの3種類から選べる。ランクに応じて変わるOliveの利用特典は選択制(毎月1個または2個)で、「給与または年金の受け取りで毎月200P(ポイント)」「Vポイントアッププログラム(対象のコンビニ・飲食店でのタッチ決済利用でポイント還元)+1%」などだ。既存の三井住友銀行口座保有者も、Oliveを申し込むと新たな決済サービス機能の追加や特典が適用される。
クレジット/デビットカード、ポイント払いのポイント還元・キャッシュバック率もランクによって変わり、国内旅行傷害保険・お買物安心保険はゴールド以上のみ。現在公開されている情報で判断する限り、三井住友カードの「対象のコンビニ・飲食店でのタッチ決済利用でポイント還元」対象カードを保有していない場合は「ゴールド」(年会費5500円)が良さそうだ。なお、ゴールドの年会費に関しては、年間100万円以上の利用を達成すると翌年以降永年無料となる。
前述の通り、VポイントはTポイントと統合予定であり、将来的に5大共通ポイントへの仲間入りが確定している。その新ポイントの中心となりそうなOliveの狙いは、便利なインターネット銀行に流れている既存の銀行顧客の引き留めと、銀行に親近感のないデジタルネイティブ世代の新規口座開設にあると思える。都市銀行も、従来での窓口での対面取引からインターネット・オンライン取引重視に、かじを切った。保険や資産形成・運用も含めた「総合金融サービス」のコンセプトに共感する人は、3月から始まるOliveに注目だ。(BCN・嵯峨野 芙美)
この4大ポイントとスマートフォン決済サービス「PayPay」の決済などでたまるPayPayポイントを加えた「5大共通ポイント」の勢力図が、今後変化していく見通し。SMBCグループが打ち出した、特典としてVポイントがたまる総合金融サービス「Olive(オリーブ)」が、その契機となりそうだ。3月のサービス開始を前に、Oliveの狙いとサービス概要を解説する。
「Olive」でポイント・決済・資産運用が丸ごとお得!
Oliveは、銀行口座とクレジットカードを組み合わせ、従来の「銀行店舗での取引」ではなく、「モバイルアプリ上の取引」を前提にした個人向け総合金融サービス。新たな共通ID「SMBC ID」を導入し、まずは三井住友銀行アプリ・Vpassアプリ(クレジットカード管理アプリ)の二つのアプリに、同じIDでログインできるようにする。決済機能に加えて証券や保険など、グループの枠組みを越えた幅広いサービスを提供していく。こうしたワンストップの個人向けの総合金融サービスは、すでに他社も取り組んでいるが、Oliveの独自性は、クレジットカードを中心に据え、そこに銀行口座(デジタル支店・紙通帳発行なし)、オンライン証券会社を追加することで、ポイント・決済・資産運用を幅広くカバーする仕組みを、サービス開始時点に整えた点にある。
例えば、楽天ポイントの場合、もともとはECモール「楽天市場」のポイントであり、他社を買収して銀行やクレジットカード事業といった金融分野に参入した結果、銀行取引などでもポイントがたまるようになったという経緯がある。対してOliveの金融サービスは、もともと金融サービスを提供していた三井住友銀行・三井住友カードの組み合わせなので信頼性は高いだろう。
また、Olive向けに三井住友銀行のキャッシュカードの機能とクレジットカード、デビットカード、ポイント払い(プリペイドカード)の機能をアプリで切り替えができる“世界初”の「フレキシブルペイ」を搭載したマルチナンバーレスカード(キャッシュカード一体型Visaカード)を発行し、さまざまな入会特典・利用特典を用意する。
クレジットカード機能付きの「Oliveフレキシブルペイ」のランクは、一般・ゴールド・プラチナプリファードの3種類から選べる。ランクに応じて変わるOliveの利用特典は選択制(毎月1個または2個)で、「給与または年金の受け取りで毎月200P(ポイント)」「Vポイントアッププログラム(対象のコンビニ・飲食店でのタッチ決済利用でポイント還元)+1%」などだ。既存の三井住友銀行口座保有者も、Oliveを申し込むと新たな決済サービス機能の追加や特典が適用される。
クレジット/デビットカード、ポイント払いのポイント還元・キャッシュバック率もランクによって変わり、国内旅行傷害保険・お買物安心保険はゴールド以上のみ。現在公開されている情報で判断する限り、三井住友カードの「対象のコンビニ・飲食店でのタッチ決済利用でポイント還元」対象カードを保有していない場合は「ゴールド」(年会費5500円)が良さそうだ。なお、ゴールドの年会費に関しては、年間100万円以上の利用を達成すると翌年以降永年無料となる。
前述の通り、VポイントはTポイントと統合予定であり、将来的に5大共通ポイントへの仲間入りが確定している。その新ポイントの中心となりそうなOliveの狙いは、便利なインターネット銀行に流れている既存の銀行顧客の引き留めと、銀行に親近感のないデジタルネイティブ世代の新規口座開設にあると思える。都市銀行も、従来での窓口での対面取引からインターネット・オンライン取引重視に、かじを切った。保険や資産形成・運用も含めた「総合金融サービス」のコンセプトに共感する人は、3月から始まるOliveに注目だ。(BCN・嵯峨野 芙美)