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民間「ゼロゼロ融資」の返済負担が減る「コロナ借換保証」スタート!

金融

2023/01/16 18:00

 2023年1月10日から「コロナ借換保証」が開始されている。新型コロナウイルス感染症の影響で悪化した中小企業や小規模事業者を対象に、2020年から行われてきた民間「ゼロゼロ融資」の返済が2023年7月から本格化していく。その融資の返済負担を減らせる借換措置である。感染状況が一向に落ち着きを見せない中、「コロナ借換保証」の制度を利用しよう。

中小企業庁でアナウンスしている「コロナ借換保証」(中小企業庁のHPより)
 

新たな資金需要にも対応する信用保証制度

 中小企業庁のホームページによると、「コロナ借換保証」とは「2022年10月28日に閣議決定された『物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策』を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の影響の下で債務が増大した中小企業者の収益力改善等を支援するため、借換え需要に加え、新たな資金需要にも対応する信用保証制度のこと」となっている。

 少しわかりにくいので具体的に説明しよう。新型コロナが蔓延した2020年から「ゼロゼロ融資」が行われた。ゼロゼロ融資とは、新型コロナの影響で業績が悪化した中小企業・小規模事業者を対象に利子補給を行い、実質、無利子・無利息で融資を行う制度のこと。

 ゼロゼロ融資は政府系金融機関(実施期間2020年3月~22年9月)と民間金融機関(同2020年5月~21年3月)でそれぞれ実施されたが、今後、「民間ゼロゼロ融資の返済開始時期は2023年7月~24年4月に集中する」と見込まれている。

 しかし、新型コロナの影響が長引いている現状では、返済が始まると資金繰りに行き詰まる企業も多いことが考えられる。

 こうした状況を踏まえ、
(1)民間「ゼロゼロ融資」からの借り換え
(2)他の保証付融資からの借り換え
(3)事業再構築等の前向き投資に必要な新たな資金需要にも対応
 ――という新しい保証制度が「コロナ借換保証」である。
「コロナ借換保証」の概要(筆者作成)

 コロナ借換制度の概要は図2の通りである。今回の制度でも「据置期間が設定」されており、事業を立て直すにあたって時間的に余裕を得られるのは大きなメリットである。

 制度の利用にあたっては、一定の要件を満たした中小企業者が金融機関との対話を通じて「経営行動計画書」を作成した上で、金融機関による継続的な伴走支援を受けることが条件になっている。

 与信審査で希望に応えられない場合もあるが、まずは中小企業庁のホームページで制度の概要を確認したい。詳細は金融機関または最寄りの信用保証協会に問い合わせていただければと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)


■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。
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