• ホーム
  • トレンド
  • 「マイナンバーカードの健康保険証の利用登録」でスマホがお薬手帳になる! 実際の画面を紹介

「マイナンバーカードの健康保険証の利用登録」でスマホがお薬手帳になる! 実際の画面を紹介

 2022年10月13日に「マイナンバーカードと健康保険証の一体化に向けた取り組み」として、24年秋に従来の健康保険証を原則廃止とし、今後2年間で詳細を詰めていくと発表するや否や、インターネット上では反対意見が多数を占めた。

「マイナポイント第2弾」の条件となるマイナンバーカードの申請期限は2023年2月末まで延長。
ほぼ全員のマイナンバーカード取得に向けて後押しする

 マイナンバーカードは、すでに21年10月21日から、顔認証システムを活用した健康保険証としての利用がすでに始まっている。記者はまだマイナンバーカード方式で受診した経験はないが、全国の医療機関・薬局に対し、マイナンバーカードの健康保険証としての利用に必要な「オンライン資格確認」の導入を23年4月から義務づけるため、今後、対応医療機関・薬局は飛躍的に増えると考えられる。
 
説明する河野デジタル大臣。
この大臣会見の模様はYouTubeで誰でも見られる

 セキュリティを不安視する声は多いが、マイナンバーカード方式の場合、医療機関に設置された顔認証付きカードリーダに向かって自身でマイナンバーカードをかざして認証するため(汎用カードリーダの場合は顔認証ではなく4桁の暗証番号を入力して認証)、従来の紙製やプラスチック製の健康保険証に比べ、カードの「手渡し」がなくなる分だけ、むしろ信頼性は高い。
 
マイナンバーカードを健康保険証として利用するメリット

 また、マイナンバーカードの健康保険証としての利用を申し込むと、マイナンバーカード活用サイト「マイナポータル」で、特定健診情報や薬剤情報・医療費が確認できるようになる。24年秋を待たずに今すぐ健康保険証としての利用登録を申し込むべき理由は、この「お薬手帳」のオンライン化・デジタル化と医療費明細オンライン確認サービスだ。

 一例を紹介しよう。22年9月に受診した皮膚科の医療費情報(受診日・クリニック名など)は、10月中旬時点でマイナポータル上で確認できるようになっていた。マイナポータル上で処方された薬剤情報も確認でき、塗り薬「ヒルドイド0.3%」は1日1回・日中手に、最近登場した非ステロイドの塗り薬「コレクチム軟膏0.5%」は同時に処方されたステロイド剤と一緒に塗布する旨が記載されていた。
 
マイナポータル上で確認できる薬剤情報(右)は、
紙の書類は紛失しがちな人には役立つ機能だ

 とはいえ、マイナポータルでは最大3年前までの情報しか取得できないため、利便性を高めた民間のPHR(Personal Health Record)アプリが登場している。それらをマイナポータルと連携すると、サービス提供中はずっと薬剤情報を含む医療情報を管理できるという。

 政府はもともと、24年度をめどに現行の紙やプラスチック製の健康保険証を申請者以外には発行しない「原則廃止」を打ち出していた。しかし、マイナンバーカード取得率の伸び悩みを受け、全面的な廃止に踏み切ったようだが、ただ、マイナンバーカードの健康保険証としての利用に限れば、デメリットよりメリットのほうが勝るので、早めにマイナンバーカードを取得して利用登録まで済ませておこう。
 
期間限定で人気アニメ『SPY×FAMILY』とのキャンペーンを実施中

 マイナポータルにマイナンバーカードをかざすステップなしにログインできるようにする、マイナンバーカードの電子証明書(公的個人認証サービス)のAndroidスマートフォン(スマホ)への搭載は、23年5月11日に開始予定だ。まずはAndroidのみだが、電子証明書のスマホ搭載が実現すると、マイナポータルでログインした際の画面をスクリーンショットで撮るといった遠回りな手段ではなく、便利な指紋認証や顔認証で最新の情報にアクセスしていつでも確認できるようになる。まさにスマホが健康管理ツールになるのだ。

 もちろんiPhoneへの搭載も検討されているが、搭載可否や搭載時期は未定。今後、進捗があれば改めて報告するという。
 
提供中の「マイナポータル実証アルファ版」の画面。
寄せられた意見をベータ版に反映させる

 もし、24年秋までにiPhoneへの搭載が実現し、同時に医療機関のキャッシュレス決済サービスへの対応が進めば、多くの医療機関にスマホ1台、またはスマホ1台とクレジットカードだけで受診できる世の中になる。決定した「健康保険証の原則廃止」への反対意見ではなく、デジタル化による利便性向上のため、まだごく一部にとどまっている医療機関・薬局のキャッシュレス決済サービス導入の原則義務化など、より便利にするための要望を寄せるべきだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)

※2022年12月19日からUIや操作性を見直した「マイナポータル実証アルファ版」の公開が始まりました。本記事の画像や操作性は従来の正式マイナポータルに基づきます。あらかじめご了承ください。

※初出時、薬剤名に誤りがありましたので本文と画像を修正しました。
【誤】「ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏0.05%」
【正】「コレクチム軟膏0.5%」
ギャラリーページ