2022年は、春先あたりから食品の値上げラッシュのニュースが繰り返し伝えられた。実際、スーパーに足を運んだ際にも、物の値段が上がる「インフレ」を実感する人も多かったといえよう。また、電気・ガス・ガソリンなど、光熱費も急激な値上がりを見せている。原材料費の高騰に円安。そのような状況にもかかわらず、給料は上がらないことに加え、銀行預金の金利が低い。インフレの問題はかなり深刻だ。で、おすすめしたいのが家計改善。これから紹介する三つのうち、まだできていない「伸びしろ」を感じる項目があれば、ぜひ試してみよう。
通信費の見直しでは、スマホを自身の用途に合った安い通信会社・料金プランに変更。保険の見直しでは、公的年金・公的介護、公的医療保険など、公的な保障がしっかりあるので一度確認した方がいい。会社員や公務員は職場の保障でさらに守られているケースもある。
サブスクは、しばらく使っていなければ整理して、お金も気持ちもすっきりさせよう。ふるさと納税では、いつも消費しているもの(米、肉、果物など)を返礼品として選ぶと節約につながる。
値上がりによって、22年は少なからず家計に大きなダメージを被ったといえる。23年はまず、すぐにできそうな簡単なことから改善を始めてみよう。(400F・金谷理恵)
■Profile
金谷理恵
損害保険会社、生命保険会社、証券も扱う生損保乗合代理店を経て、現在はオンライン相談サービス「お金の健康診断」を運営する400F専属のアドバイザーとして活動。趣味はワインとピアノ。アマチュアピアノサークルに所属しており、年に複数回ホールで演奏することもある。
簡単なことから見直しを
ポイントは簡単なことから始めること。最初からストイックになり過ぎず、これまでの習慣を少しずつ変えよう。徐々に無駄遣いを減らし、お金をためて、資産形成の方向へお金の流れをスライドさせていくことで、インフレ対策や老後資金対策にもつながる。家計改善のコツ(1)毎月の収支を現状把握
入ってくるお金がいくらで、出ていくお金がいくらなのか、自身のキャッシュフローを把握しよう。お金の出入りが把握できていないと、いつの間にか「お金がない」という状態になりがち。クレジットカードと家計簿アプリを上手に活用すれば、簡単にお金を何に使ったのか振り返ることができる。家計改善のコツ(2)固定費の見直し
固定費の見直しは腰が重い作業だが、一度できたら以降の支払いは減り、将来の家計に与えるインパクトはかなり大きくなる。見直しを検討するのは「通信費」「保険」「サブスク」「ふるさと納税」だ。通信費の見直しでは、スマホを自身の用途に合った安い通信会社・料金プランに変更。保険の見直しでは、公的年金・公的介護、公的医療保険など、公的な保障がしっかりあるので一度確認した方がいい。会社員や公務員は職場の保障でさらに守られているケースもある。
サブスクは、しばらく使っていなければ整理して、お金も気持ちもすっきりさせよう。ふるさと納税では、いつも消費しているもの(米、肉、果物など)を返礼品として選ぶと節約につながる。
家計改善のコツ(3)減らせた支出を投資に回す
固定費の見直しで浮いたお金は長期積立投資に回そう。20年後、30年後、複利のパワーにより、積立金額は想像以上に大きな差になる。例えば、固定の見直しで減らせた月5000円をつみたてNISAの非課税枠でコツコツ20年間積立投資を行い、年利5%で運用できたとすると、積立金額は約205万円になる(元本は120万円。金融庁の資産運用シミュレーションで計算)。なお、投資にはそれぞれリスクがあり、資産の状況、投資可能な期間などによりリスク許容度や適切な資産形成の方法も異なるため、最終的な投資決定は自身で判断しよう。値上がりによって、22年は少なからず家計に大きなダメージを被ったといえる。23年はまず、すぐにできそうな簡単なことから改善を始めてみよう。(400F・金谷理恵)
■Profile
金谷理恵
損害保険会社、生命保険会社、証券も扱う生損保乗合代理店を経て、現在はオンライン相談サービス「お金の健康診断」を運営する400F専属のアドバイザーとして活動。趣味はワインとピアノ。アマチュアピアノサークルに所属しており、年に複数回ホールで演奏することもある。