元日大胆予想、2023年を象徴する「今年の漢字」は?
2023年、新しい365日がスタートした。果たして今年は、どんな年になるのか。毎年、日本漢字能力検定協会が年末に発表している「今年の漢字」を予想して、新年の願いも込めつつ占った。ズバリ23年の今年の漢字は「脱」だ。
まず「脱・コロナ」。20年初頭から本格的に全世界に拡大した新型コロナウイルス感染症。もう丸3年になる。神様もそろそろ許してくれることだろう。ここにきて中国で感染爆発が生じているのが気がかりだが、これを最後に、世界的にコロナが治まる年になるだろう。関連して「脱・マスク」の年にもなる。厚生労働省では昨年の段階で「屋外では季節を問わず、マスクの着用は原則不要」「屋内では距離が確保でき、会話をほとんど行わない場合もマスクの着用は不要」としている。ここから一歩進み、すべての場合でマスク不要が実現する年になるだろう。
次に「脱・戦」。昨年の漢字は「戦」だった。2月に始まったウクライナとロシアの戦争。国連の常任理事国で、さらには大量の核兵器を保有するロシアが、まさか自ら戦争を始める愚を犯すとは、だれもが予想だにしなかった。開戦後も当初、多くの人々が短期間で終わると予測した。しかし、間もなく1年を迎えようとする現在も、まだ終息の兆しは見えない。西側のウクライナ支援と経済制裁に耐えるロシアに対し、かたくなに領土の奪還を掲げるウクライナの消耗戦が続いている。しかし、これ以上無辜の民を戦火にさらしてはならない。これといって根拠がないのが残念だが、今年は互いが歩み寄り、戦から脱する年になると願いたい。
そして「脱・アクセス数主義」。昨年12月、Yahooニュースであまりにもひどい記事をみかけた。「救急車をタクシー代わりに 20代女性研修医『友人と食事に』 救急隊員が拒否すると...」と題した動画ニュース。系列テレビ局で放映したニュースをFNNプライムオンラインが配信したものだ。救急車をタクシー代わりに使う事例はこれまでもあまた報道されており、多くの人たちが憤りを感じている。研修医とはいえ、医者までもがそんな行動をとるのかと驚いた。しかし実際は、救急搬送の帰りに数100mほど寄り道をしただけの話。適切な行動とは言い難いが、これだけで「タクシー代わり」とするのは、あまりにも大げさで悪意に満ち満ちている。YouTubeでもよく見られる、いわゆる「釣りサムネ」と同様、卑劣なアクセス数稼ぎだ。それを天下のフジテレビが堂々と行うとは……。
オンラインで情報発信するにあたってアクセス数は原資。まず見てもらわなければ、メディアは成立しない。とはいえ、アクセス数獲得の犠牲として、対象者が不必要な攻撃を受け、極端な誇張の被害者になる事例が目に余るようになってきた。視聴者の側も、そうしたメディアの愚挙に気付き始めている。数だけでなく内容でも評価できるシステムも徐々に整ってきた。今年は、こうした手口で数だけを求めるメディアの淘汰が進むだろう。そんな意味では「脱・地上波」も、さらに進む年にもなることだろう。(BCN・道越一郎)
まず「脱・コロナ」。20年初頭から本格的に全世界に拡大した新型コロナウイルス感染症。もう丸3年になる。神様もそろそろ許してくれることだろう。ここにきて中国で感染爆発が生じているのが気がかりだが、これを最後に、世界的にコロナが治まる年になるだろう。関連して「脱・マスク」の年にもなる。厚生労働省では昨年の段階で「屋外では季節を問わず、マスクの着用は原則不要」「屋内では距離が確保でき、会話をほとんど行わない場合もマスクの着用は不要」としている。ここから一歩進み、すべての場合でマスク不要が実現する年になるだろう。
次に「脱・戦」。昨年の漢字は「戦」だった。2月に始まったウクライナとロシアの戦争。国連の常任理事国で、さらには大量の核兵器を保有するロシアが、まさか自ら戦争を始める愚を犯すとは、だれもが予想だにしなかった。開戦後も当初、多くの人々が短期間で終わると予測した。しかし、間もなく1年を迎えようとする現在も、まだ終息の兆しは見えない。西側のウクライナ支援と経済制裁に耐えるロシアに対し、かたくなに領土の奪還を掲げるウクライナの消耗戦が続いている。しかし、これ以上無辜の民を戦火にさらしてはならない。これといって根拠がないのが残念だが、今年は互いが歩み寄り、戦から脱する年になると願いたい。
そして「脱・アクセス数主義」。昨年12月、Yahooニュースであまりにもひどい記事をみかけた。「救急車をタクシー代わりに 20代女性研修医『友人と食事に』 救急隊員が拒否すると...」と題した動画ニュース。系列テレビ局で放映したニュースをFNNプライムオンラインが配信したものだ。救急車をタクシー代わりに使う事例はこれまでもあまた報道されており、多くの人たちが憤りを感じている。研修医とはいえ、医者までもがそんな行動をとるのかと驚いた。しかし実際は、救急搬送の帰りに数100mほど寄り道をしただけの話。適切な行動とは言い難いが、これだけで「タクシー代わり」とするのは、あまりにも大げさで悪意に満ち満ちている。YouTubeでもよく見られる、いわゆる「釣りサムネ」と同様、卑劣なアクセス数稼ぎだ。それを天下のフジテレビが堂々と行うとは……。
オンラインで情報発信するにあたってアクセス数は原資。まず見てもらわなければ、メディアは成立しない。とはいえ、アクセス数獲得の犠牲として、対象者が不必要な攻撃を受け、極端な誇張の被害者になる事例が目に余るようになってきた。視聴者の側も、そうしたメディアの愚挙に気付き始めている。数だけでなく内容でも評価できるシステムも徐々に整ってきた。今年は、こうした手口で数だけを求めるメディアの淘汰が進むだろう。そんな意味では「脱・地上波」も、さらに進む年にもなることだろう。(BCN・道越一郎)