縁起が良いとされ年末に食べる年越しそば。自宅でおいしく楽しむなら、ご当地そばを取り寄せてみてはいかがだろうか。奥深そうに思えるそばの選び方も、ポイントを押さえれば自分好みの物が簡単に選べるだろう。おすすめのお取り寄せ年越しそばも紹介する。
確かにそばの香りという意味では生麺の方がいいかもしれないが、乾麺にはお湯につけても伸びにくくおいしさが長持ちしやすいという利点がある。そのため、温かい年越しそばなら、乾麺のほうが良いともいえるのだ。ちなみに、生麺と乾麺の中間の「半生そば」もあるため、好みに合わせて選んでほしい。
そばに小麦粉を混ぜるのはコスト削減のためではなく、食感を良くするため。そば粉100%だとそばの香りは強いものの、食感がぼそぼそする傾向にある。これにつるつる食感を生む小麦粉を混ぜることで、のどごしの良いそばにしているのだ。一般的には小麦粉とそばの割合を2対8にした二八そばが最適とされているため、これを基準に自分好みの食感を探してほしい。
まず、そばに含まれる塩分はゆでると大きく減る。そばメーカーのおびなたによると、乾麺100g当たり2gの食塩が含まれるそばをゆでた場合、0.1g~0.5gにまで減る 。文部科学省の食品成分データベースによると、食パンの食塩相当量は100g当たり1.2g であり、これよりも少ないのだ。
さらに、食塩にはそば生地の弾力性を増したり風味や食感を良くしたりといった効果もある。おいしいそばを食べるなら食塩が含まれているものの方が良いといえるかもしれない。
太さだけでなく、麺の表面にねじりや凹凸があり、つゆがからみやすくなっているものもある。麺の太さや形状も選ぶポイントの一つに加えてほしい。
ねぎそば発祥の地といわれる「大内宿三澤屋」では生そばの地方発送を行っている。ねぎは自分で用意する必要があるが、この独特のスタイルを本場の麺で楽しんでみてはいかがだろうか。
瓦そばは「映える」見た目をしているが、その歴史は古い。発祥は1961年。西南戦争のときに薩摩兵が肉や野草を瓦で焼いていたのをヒントにした。麺と具材の一式がそろったセットがお取り寄せできるため、ホットプレートなどで楽しんでほしい。
にしんそばは京都だけでなく、北海道でも有名。京都では昆布と薄口醤油を使うのに対し、北海道では濃い口で甘めの味付けをする。京都風のにしんそばを食べたことがある人は、北海道のものも食べてみてはいかがだろうか。
また、そばは栄養満点であり、古くから晴れの日に食べる縁起物として扱われてきた。そんな由来に思いをめぐらせながら、普段とは違うご当地年越しそばを楽しむのがいいかもしれない。(ライター・ハウザー)
お取り寄せ年越しそばの選び方
まずは数あるお取り寄せ年越しそばの中から、自分好みを選ぶためのコツを解説しよう。生麺と乾麺は好みで選ぶ
そばには大きく分けて生そばと呼ばれる生麺と、乾そばと呼ばれる乾麺がある。乾麺はなんとなくインスタントラーメンのようなイメージで、生麺の方がおいしいと思っていないだろうか。確かにそばの香りという意味では生麺の方がいいかもしれないが、乾麺にはお湯につけても伸びにくくおいしさが長持ちしやすいという利点がある。そのため、温かい年越しそばなら、乾麺のほうが良いともいえるのだ。ちなみに、生麺と乾麺の中間の「半生そば」もあるため、好みに合わせて選んでほしい。
十割そばよりも二八そばのほうがのどごしが良い
そばの材料は実はそば粉だけでなく小麦粉が混ぜられているのが一般的。割合は製品によって異なるのだが、こちらもなんとなく100%そば粉で作られている十割そばが一番おいしいと思っていないだろうか。そばに小麦粉を混ぜるのはコスト削減のためではなく、食感を良くするため。そば粉100%だとそばの香りは強いものの、食感がぼそぼそする傾向にある。これにつるつる食感を生む小麦粉を混ぜることで、のどごしの良いそばにしているのだ。一般的には小麦粉とそばの割合を2対8にした二八そばが最適とされているため、これを基準に自分好みの食感を探してほしい。
食塩を避ける必要はない
そばの中には食塩不使用を売り文句にしているものがある。食塩摂取量を気にしている人はそのような製品を選ぶと良いが、一般的にはそれほど気にする必要はない。まず、そばに含まれる塩分はゆでると大きく減る。そばメーカーのおびなたによると、乾麺100g当たり2gの食塩が含まれるそばをゆでた場合、0.1g~0.5gにまで減る 。文部科学省の食品成分データベースによると、食パンの食塩相当量は100g当たり1.2g であり、これよりも少ないのだ。
さらに、食塩にはそば生地の弾力性を増したり風味や食感を良くしたりといった効果もある。おいしいそばを食べるなら食塩が含まれているものの方が良いといえるかもしれない。
麺の太さも要チェック
最後に、麺の太さもチェックしてほしい。太い麺の方がしっかりとした食べ応えが得られる。一方で、細い麺はすすりやすく、のどごしの良さを楽しめるだろう。太さだけでなく、麺の表面にねじりや凹凸があり、つゆがからみやすくなっているものもある。麺の太さや形状も選ぶポイントの一つに加えてほしい。
おすすめのご当地年越しそば
日本にはさまざまなご当地そばが存在する。その中からおすすめのものを三つ紹介しよう。ねぎそば(福島県)
福島県のねぎそばは高遠そばとも呼ばれ、そばに長ねぎが1本そのままの形で添えられているのが特徴。食べ方も独特で、このねぎを箸代わりにし、麺を引っかけて食べつつ、薬味としてねぎをかじるというものだ。ねぎそば発祥の地といわれる「大内宿三澤屋」では生そばの地方発送を行っている。ねぎは自分で用意する必要があるが、この独特のスタイルを本場の麺で楽しんでみてはいかがだろうか。
瓦そば(山口県)
山口県の瓦そばはその名のとおり、瓦に乗せられて供されるのが特徴。瓦は熱されており、ゆでたそばを焼いてからこの瓦に乗せるため、カリカリの食感が味わえる。また、具材として牛肉、錦糸卵、輪切りにしたレモンが使われるなど、日本そばとは思えない味と食感が楽しめるだろう。瓦そばは「映える」見た目をしているが、その歴史は古い。発祥は1961年。西南戦争のときに薩摩兵が肉や野草を瓦で焼いていたのをヒントにした。麺と具材の一式がそろったセットがお取り寄せできるため、ホットプレートなどで楽しんでほしい。
にしんそば(京都/北海道)
最後は王道である京都のにしんそばを紹介する。元々は北海道で大量に取れたにしんの干物が京都に運ばれ、それを庶民が甘辛く煮て、そばの上に乗せていたのだ。にしんの漁獲量が減った今でも、にしんそばは京都の名物であり、にしんそばの名店である松葉などから取り寄せることができる。にしんそばは京都だけでなく、北海道でも有名。京都では昆布と薄口醤油を使うのに対し、北海道では濃い口で甘めの味付けをする。京都風のにしんそばを食べたことがある人は、北海道のものも食べてみてはいかがだろうか。
年越しそばには長寿以外の意味も
年越しそばには「細く長く生きる」長寿への願いがよく知られているが、ほかにも、(1)切れやすいので、その年の苦労や厄災を断ち切って新しい年を迎えるため、(2)金銀細工氏が散らばった金粉を集めるのにそば粉を使っていたことから、金運を呼ぶため、(3)鎌倉時代に博多の承天寺で年を越せない町人にそば餅をふるまったところ、翌年から運が向いてきたため――などといった説がある。また、そばは栄養満点であり、古くから晴れの日に食べる縁起物として扱われてきた。そんな由来に思いをめぐらせながら、普段とは違うご当地年越しそばを楽しむのがいいかもしれない。(ライター・ハウザー)