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ご当地インスタントラーメン食べ比べ! 第6回は“山形編”

グルメ

2022/10/23 14:00

 何かと旅行に行きづらいこのご時世に、全国のご当地インスタントラーメンをいただき、少しでも旅気分を味わおうとスタートしたこの企画。第6回となる今回は、ラーメン消費量が日本一といわれる山形県が登場。ラーメン王国の実力やいかに!?

今回選んだ3商品
 

山形独自のラーメン文化が凝縮した一杯

 まずいただいたのが、みうら食品の「山形鳥中華 そばつゆ味」。山形では古くから蕎麦屋でラーメンを提供する文化があり、まさしくその味わいが体験できる一品だ。パッケージを開けると、やや太い棒状の乾麺が現れた。これを5分間茹でて、あらかじめ器に用意したスープと合わせれば完成。見た目から美しく、ほのかな魚介出汁の香りもたまらない。確かにこれは蕎麦つゆと同系統の香りだ。
みうら食品「山形鳥中華 そばつゆ味(2食入り)」

 ではまずスープからズズズと啜ってみると。これ、めちゃ好き。鰹の出汁がふわりと鼻をくすぐる蕎麦屋の上品なつゆと、町中華でいただくラーメンのスッキリ鶏出汁がブレンドされた、いいとこ取りの味わい。これぞハイブリッドの極み。次は麺をいただくと、中太ストレート麺がツルツルツルツル、永遠に入ってくる。こしの強い麺とスープの相性も抜群で瞬く間に完食してしまった。

総評
ご当地感★★★★☆
汁の個性★★★★☆
麺の個性★★★☆☆
お土産度★★★★☆

 出ました高得点。やっぱり根付いている文化を味わいでしっかりと表現されると、ご当地感もお土産度も高い評価になる。普段なかなか体験できない味というのも大きな魅力だ。
完成したラーメン。やや太めのストレート麺が美しい
 
出汁は醤油ベース。底が見えない程度の濃い色だ
 

山形で生まれ今では全国で定着した「冷やしラーメン」

 次は冷やしラーメンの「冷たい鳥中華」(みうら食品)。お皿に冷たい麺とキュウリ、ハム、錦糸卵などを盛り付けるあの冷やし中華とはまた違ったもので、冷たいスープと麺ながら見た目がほぼ普通のラーメンというのが特徴だ。最近では夏になるとこの冷やしラーメンを出す店が全国で増えているが、その発祥は実は山形。さすがラーメン王国である。作り方は普通のラーメンとは当然違い、茹でた麺を水で冷やす必要がある。その麺を冷水で割ったスープと合わせれば完成。冷たいせいか香りあまり感じない。
みうら食品「冷たい鳥中華(2食入り)」

 スープからいただくと、いわゆる冷やし中華ほどではないが、ちょっぴり酸味がきいている。ひんやりしているし、ゴクゴクいけて、うん、うまい。全体的にさっぱりしているのにラーメンらしい脂感や旨味もあって、味のバランスが完璧。麺をツルツルっとやると、コ、コシが半端ない。冷やしているから歯応えがしっかりあって、これはうっすら感動するレベル。ということで総評はこちら。

総評
ご当地感★★★★☆
汁の個性★★★★★
麺の個性★★★☆☆
お土産度★★★★★

 この企画で過去一番の高得点。冷やしラーメン発祥の地ということで、ご当地感も高いし、酸味がきいている冷たいスープも個性的。ほどよく珍しくて超うまい。ということで、この評価になった。ちなみに季節が冬ならお土産度は星二つ。
液体スープに冷たい水を加えてスープを作る
 
見た目は普通の醤油ラーメンのよう。しかし麺もスープも当然冷たい
 

こちらも山形発祥、優しすぎる味わいに少々困惑

 最後は、山形辛みそ味「山形鳥中華 山形辛みそ味」。いかに王国といえ、ご当地ラーメンもそろそろ尽きるでしょう、なんて心配は無用だ。この辛みそラーメンも山形名物。優しいみそ味をベースに豆板醤などによるピリ辛のアクセントが特徴だ。作り方は「そばつゆ味」と同様、5分間茹でた麺とお湯で溶かした液体スープを混ぜれば完成。嗅いでみると、何だか落ち着く優しい香りがする。
みうら食品「山形鳥中華 山形辛みそ味(2食入り)」

 やはりスープからズズズといただくと、確かにみそ味ではあるが、かなりマイルド。お湯の分量を間違えたかと疑ってしまうレベルの優しい味だ。そして味の去り際、こちらもかなり厳かにピリッと感を残す。「もうちょい主張していいんだよ!」と励ましたくなる味わい。そして麺をズルズルっといただくと、やはり薄味。ツルツルとしたストレート麺のため、スープをあまり纏ってくれない。この優しい味わいには細めの縮れ麺の方がスープとの絡みも良さそうだけど、まあ何か理由があるんだろう。ということで、総評はこちら。

総評
ご当地感★★★☆☆
汁の個性★★★☆☆
麺の個性★★★☆☆
お土産度★★☆☆☆

 山形の辛みそラーメンは優しさが特徴ではあるので、ご当地感と汁の個性は及第点。また麺は、スープとの相性はともかく、インスタントラーメンでは珍しい棒状のストレートなので、他の商品と同じ星となった。ただお土産にするには、ちょいとパンチが足りないような気がする。
スープは醤油ラーメンのような色だが、少しだけ濁っている
 
麺はこれまで同様の中太ストレート。これが明暗を分けることに

 山形のラーメン文化とともに紹介した今回の3品。山形にはこの他にもいくつかご当地ラーメンが存在するので、気になったのあれば、ぜひチェックしてみよう。(エフェクト・山葉のぶゆき)