秋といえば夏よりも日が落ちるのが早くなり、夜が長い季節になる。せっかくなので秋ならではの楽しみ方をしてみてはいかがだろうか。あえてスマホやPCを使わず、仕事や家事、子育てなどで疲れた体と心を癒やす方法を紹介したい。

 

秋の夜長の過ごし方：芸術編

　秋といえば芸術の秋、ということでまずは芸術編。  

読書で文学の世界に触れる

　静かな夜が長く続く秋に堪能したいのが文学。虫の音とともに文学の世界に浸れば、普段は読めないような長編小説でも読破できるかもしれない。

　せっかくの秋の夜長、シリーズものなど、長く続いている定評のある作品がおすすめだ。ただ、はまりすぎて寝不足にならないよう注意してほしい。
 

感動的な映画で心をデトックス

　1本見るのに長い時間を要する映画もおすすめ。秋をテーマにした名作は数多くあり、秋の間ずっと見続けてもまだまだ見ていない映画が多く残るほどだ。

　癒やしという意味では泣ける感動的な映画がいいかもしれない。研究によると、涙にはコルチゾールと呼ばれるストレスホルモンを低下させる作用があるという。また、泣くことで副交感神経が優位になり、身体がリラックスした状態になる。映画を見終わった後には安眠効果も期待できるだろう。
 

音楽をゆったり聴いてリフレッシュ

　最近はスマホやサブスクの普及により、音楽を「聴き流す」習慣が広がっている。しかしながら、それぞれの音楽にはそれぞれのアーティストの思いがこもっており、じっくり聴くことで新たな発見も生まれる。

　そこで、音楽をゆったりじっくり聴いてみてはいかがだろうか。必ずしも秋や月をテーマにした作品である必要はなく、自分が好きな曲で構わない。ただし、あまりに激しく興奮する曲は睡眠に悪影響を及ぼす 可能性があるので避けるべきだ。
 

秋の夜長の過ごし方：癒やし編

　続いて、秋の夜長を自分への癒やし時間として活用する方法を紹介する。  

家で料理を楽しむ

　新型コロナウイルスの流行で外食がしづらい世の中であることから、秋の夜長を使って料理に挑戦してみてはいかがだろうか。料理には癒やしホルモンであるセロトニンの分泌を促し、集中力を高め、料理の完成による達成感を得られるという効果があるという。

　自分や家族のためであれば凝った料理である必要はなく、簡単な料理で構わない。また、作った料理を味だけでなく話題としても肴にすることで、家族とのコミュニケーションが促進されるだろう。
 

天体観測で日常を忘れる

　秋は夏よりも空気がきれいで、冬よりも寒くないことから、天体観測におすすめの季節。天体イベントとして10月末のオリオン座流星群が有名で、ペガスス座、カシオペア座、アンドロメダ座などが美しく見える時期でもある。

　わざわざ天体望遠鏡を用意する必要はなく、星がきれいに見える場所にいくだけでも十分に堪能できる。そのような場所は静かで空気もきれいであり、日常の雑音から解き放たれるだろう。また、星のまたたきは1/fゆらぎの成分を持ち、リラックス効果があると いわれている。
 

ヨガで心を落ち着かせる

　癒やしはほしいがアクティブに過ごしたい、というのであればヨガに挑戦してはいかがだろうか。ヨガは心が落ち着き、集中力がアップする効果があるといわれている。

　また、普段使わない筋肉を使うことからダイエット効果も期待できる。身体の歪みを取ることでさまざまな不調を改善できるかもしれない。必要な道具はヨガマットくらいで、手軽に始められるのもうれしい。
 

マインドフルネスでストレス対策

　GoogleやAppleなどの大企業が取り入れたことで話題のマインドフルネスもおすすめ。これは、「今・ここ」に集中することで心を満たすもので、ストレス軽減や心を落ち着かせるなどの効果が期待できる。

　マインドフルネスは特に特別な道具は必要なく、いつでもどこでも実践可能。特に秋の夜は静かで過ごしやすく、初心者が始めるのにうってつけといえる。身につければ一生の宝となるため、挑戦してみてはいかがだろうか。
 

良い睡眠習慣を作る期間にする

　特にやりたいことがないのであれば、秋の夜長を良い睡眠習慣を作るために活用してはいかがだろうか。睡眠は一時的に長く取れば良いというものではなく、継続的に質の高い睡眠を取り続けることが望ましい。そのためには習慣づけが重要だ。

　秋は気候が良く、また春と異なり新生活のはじまりや出会い・別れといった環境の変化が少ないことから心が安定している時期。そのため、良い睡眠を取りやすい季節なのだ。一口に睡眠といっても奥深く、寝具、明かり、食事、日中の過ごし方など睡眠に影響を与える要素は多数ある 。飽きることなく試行錯誤できるだろう。
 

秋の夜長を有意義に過ごそう

　秋になると暑かった夏が終わり、気力がわいてくる時期でもある。気に入ったものがあれば秋だけでなく一年中を通して楽しめ、人生を豊かにしてくれるだろう。
　秋は毎年めぐってくるが、同じ時間は二度とやってこない。ぜひ今年の秋から取り組んでみてほしい。（ライター・ハウザー）