副業するのに一流の知識・技術がなきゃダメなの?

時事ネタ

2022/10/01 19:00

 【家電コンサルのお得な話・95】 副業として「初期投資をほとんどかけずに、自分の知識・技術を教えるコーチ業を行いたいが、いまいち自信がなく、踏み切れない」と考える人も多いだろう。しかし、自信が持てるまで自分の知識・技術を磨くことに投資していては、いつまでたっても収益に結びつかない。まさに副業の落とし穴である。

コーチ業のコーチ可能範囲を定めよう

 副業する際に初期投資をかけたくないと考える人は多い。しかし、提供する自分の知識・技術に自信がなく「自分の知識に、さらに磨きをかけてから…」と考え、学習に時間を掛ける人もいる。学習すること自体は素晴らしいが、これでは肝心の副業が進まず、収益を上げるまでに時間が掛かりすぎてしまう。

 これは「人に教えるには、その道の一流にならないといけない」と、自分自身にプレッシャーをかけてしまう人の多くに見受けられる勘違いである。
 

高度な知識より、いかにわかりやすく教えられるか

 現実では「人に何かを教える」のに一流になる必要はなく、教わる人より理解が深く、詳しければ事足りるのである。例えば、小学1年生に算数を教えるのに、数学者や有名大学の学生を招く必要はなく、中学生でも教えることは可能だろう。

 この場合、求められるのは「高度な数学の知識」というよりも、「小学1年生に算数をどれだけかみ砕いてわかりやすく説明できるか」ということである。

 実際、筆者の友人(会社員)は、若い頃に習っていた「ダンスの経験」を利用し、ダンス教室を副業として行っていた。友人には悪いが、発表会こそ多く経験しているが、大会で優勝したとか、劇団などに所属していたという経歴は持っていない。あくまで趣味としてダンスを習い、通っていた教室の中では上手だったというレベルである。

 その友人が副業として行っていたのが「健康増進を目的としている50~60代のダンス未経験者」というターゲティングでのダンス教室である。友人の技術レベルがあれば十分に「教えることが可能」だったのである。

 このように、「教える」には教わる人のレベルよりも「少し高いレベルの知識・技術」があれば十分に可能であり、特に「初心者をターゲット」にすることが大切である。

 今から学者を目指そうとするなら、学習を積み重ねる必要もあるだろうが、副業で少しでも稼ぎたいというなら、「ターゲットの選定」と「値付け」、そして「わかりやすく伝えること」に時間を割いた方が賢明だといえるだろう。

 皆さんも「自分の得意」を生かした副業をするなら、自分の知識・技術のレベルを再確認し、自信を持ってターゲットを選定していただければと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)


■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。