チキンラーメン×純喫茶、答えはとってもファンタジー!

グルメ

2022/09/07 14:30

 インスタントラーメンとして絶大な人気を誇るチキンラーメン。その新商品となるカップラーメンが三つ同時に8月8日から発売されている。テーマは少し前から注目を集めている「純喫茶」だ。ラーメンなのに純喫茶という、このいささか攻めた新商品を実食し、それぞれの魅力に迫っていく。

カラフルなパッケージが魅力のチキンラーメン3商品

これまでなかったのが不思議なくらいの安定感

 まずは派手な色彩とレトロさを感じるロゴがなんだかかわいい「チキンラーメンどんぶり 黄色いマイルドカレー」(価格は231円)から。さっそく作ってみると、大きなジャガイモがゴロゴロと入っている。でも、わざわざ「黄色い」と名前に付けるほど黄色くはない気がする。もしかすると「昭和に食べたあの黄色のカレー味」という意味なのか。
 
チキンラーメンどんぶり 黄色いマイルドカレー
 
カップラーメンでは珍しい大きなジャガイモが魅力
 
茶色っぽいチキンラーメンのいつもの麺がうれしい

 ではスープからいただくと、チキンラーメンの醤油味もうっすら感じるくらい優しいカレー味。まさにマイルドで、世のカレーライスが今ほど複雑な味わいになっていなかった頃の趣きを感じる。麺をズルズルっといただくと、これは、いつもの麺。それが優しいカレー味をまとって、いい感じに“ジャンク”な魅力が爆発。大きなジャガイモのアクセントもナイス。これは安定感が半端ない新商品。ということで総評はこちら。

おもしろ発明度  ★☆☆☆☆
あの麺との相性  ★★★★☆
名前に偽りなし度 ★★★★★

 食べるものにおもしろいなんて必要ない。「マイルドカレー」なんだから、マイルドなカレー味でいいわけだ。「あの麺との相性」「名前に偽りなし度」は高得点の評価を付けたい。

トースト味のラーメン? 好奇心がくすぐられる一品

 次は「チキンラーメンビッグカップ 純喫茶のピザトースト風 トマト&チーズ味」(同264円)。炭水化物が「別の炭水化物風」とはどんなものなのか。しかも、「純喫茶の」とカテゴライズまでされている。まるで、トンチのようなメニューで勇ましい。出来上がりを観察してみると、スープがちょいと赤くてトマトも乗っている。これで本当にピザトースト風ならカップラーメンの大革命だ。
 
チキンラーメンビッグカップ 純喫茶のピザトースト風 トマト&チーズ味
 
見るからに洋風カップラーメンではあるが…
 
見た目よりあっさりいただける、酸味がきいたスープ

 では、スープからいただいてみると、チーズのコクもあって、トマトの酸味も効いていて、うまい。でも、ピザトーストかというと「?」。麺をズルルルっといただくと、トーストの味が全くしない。「ピザトースト風 トマト&チーズ味」、つまりピザトーストに使われているようなトマトとチーズ味ってことか。やはりトンチがきいている。

おもしろ発明度  ★★★☆☆
あの麺との相性  ★★☆☆☆
名前に偽りなし度 ★★★☆☆

 となると、おもしろ発明度はそれほど高得点には届かない。トマトの酸味とチーズの風味の相性はとってもいいけど、それがなかなか上品な味わいで、あのチキンラーメン特有の麺とのマッチングも伸び悩んでしまった。好きな人が多い味だと思うだけに少し残念かもしれない。

懐かしいというより斬新ナポリタン

 最後にいただいのは「チキンラーメン汁なしどんぶり 純喫茶のナポリタン」(同231円)。こちらはナポリタン風、ではないことを改めてチェック。麺類という意味ではピザトーストよりも近いし、何かやってくれる気配を感じる。もちろん、お湯を切ってから調味料を入れる汁なしタイプだ。というわけで、さくっと作って最後に真っ赤なソースをかけて麺をかき混ぜる。と、底から大量に出てきた緑葉野菜。なんだか、ナポリタンではない気がする。
チキンラーメン汁なしどんぶり 純喫茶のナポリタン
 
麺の下には大量に緑の野菜が入っていた
 
オイリーさは純喫茶のナポリタンそのもの

 麺をいただくと、確かにトマトの酸味もあるしケチャップの甘みもあって、パスタ特有のオイリーな感じもある。ナポリタンの味を言語化すると、つまりそういうことか。しかし、日清食品の化学力が強いのか、もっと違う新しい味になっている気がする。ちなみに味は超うまい。麺との相性も抜群で、子どもはもちろん、大人も進む味だ。ただ、材料を見てみると、あの大量発生した緑葉野菜の正体はチンゲンサイ。「中華やないかい!」と思わずツッコんでしまった。

おもしろ発明度  ★★★★★
あの麺との相性  ★★★★☆
名前に偽りなし度 ★★☆☆☆

 確かにナポリタン味かもしれないし、チンゲンサイはなかなかのアレンジ。実際、ネットなどで調べたが、ナポリタンの青物はピーマン一択だった。しかし、麺との相性はかなり高く、ユニークさも最強クラス。というわけでこの評価となった。

 星の数を数えると、筆者は最後のナポリタンが11星獲得で第1位。どれが1位になるか、試してみてはいかがだろうか。(エフェクト・山葉のぶゆき)