【記者のひとこと】脅威と意識のボーダーレス化

コラム

2022/07/25 10:00

 数年前からサイバー攻撃の主流になっているランサムウェア。最近では学校やスーパーなど、身近な場所でも被害が報告されており、業種や事業規模を問わない脅威となりつつあります。小規模な事業者であっても払えるギリギリの身代金を要求するなど、狡猾さも増しているようです。

 大手企業も手を焼いているのが現状で、タレスDISジャパンが世界17カ国・2700人のIT部門責任者らを対象に調査した「データ脅威レポート APAC版」によると、ランサムウェア攻撃を受けた企業のうち、約2割がデータ復元のために身代金を払った、あるいは払おうとしたと回答するなど、対策が万全ではない状況が浮き彫りになっています。

 興味深いのは過去のデータと比較して日本を含めた各国の調査結果にあまり差がつかなかったことです。クラウドプロテクション&ライセンシングデータプロテクション事業本部の藤岡健・本部長は「テレワークの加速で地域セキュリティ意識の地域差がなくなり、ボーダーレス化が進んでいる」と分析。良くも悪くも世界中でDXが加速している現状がうかがえます。(大蔵大輔)

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タレスDISジャパン ランサム被害で2割が身代金支払い検討 脅威レポートAPAC版を発表