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再開発進む「池袋」で大型家電量販店が激突? そごう・西武の売却報道でヨドバシカメラの名が急浮上

オピニオン

2022/07/09 18:35

 東京・新宿西口、歌舞伎町をはじめ、全国各地で駅前再開発事業や大規模区画整理事業が進行している。JR東日本・東武鉄道・西武鉄道・東京メトロが乗り入れるターミナル駅「池袋」では、豊島区が歩行者優先で回遊性の高いまちづくりを「ウォーカブルなまちづくり」として推進し、西口の東武百貨店 池袋店4階に2021年8月、ノジマが出店するなど、変化する街にあわせ、新規出店が盛んだ。

西武渋谷店 A館(写真奥の建物)

 一方、東口の西武池袋本店については、セブン&アイ・ホールディングス(セブン&アイHD)が国内外のコンビニ事業に集中するため、運営元のそごう・西武の売却に向けた入札を実施すると伝えられ、先日、その続報として、ソフトバンクグループ傘下の米投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」が優先交渉権を獲得したと報じられた。しかも、買収にあたり、家電量販店「ヨドバシカメラ」などを運営するヨドバシホールディングスとの連携を視野に入れ、協議しているというのだ。
 
セブン&アイHD 今後の対応方針(2022年4月19日改訂版 決算プレゼンテーション資料より)
 
 JR山手線の西側のターミナル駅、池袋・新宿・渋谷と、東側の秋葉原には、ビックカメラとヨドバシカメラの両方もしくは片方が出店し、池袋東口にはヤマダデンキも出店している。もし将来的に、池袋にもビックカメラ、ヨドバシカメラ、ヤマダデンキ、ノジマがそろうとなると、JR埼京線・湘南新宿ラインで最短5分で行き来できる池袋と新宿は国内有数の家電量販店競合エリアとなる。フォートレスの優先交渉権を獲得の報道を受け、SNSでは、さすがにオーバーストアではないかと危惧する声も上がっていた。
 
そごう・西武の運営中の10店舗。
そごう広島店は、2023年秋のグランドオープンに向け、
22年末頃から順次売場の改装工事を進める

  セブン&アイHDは、22年4月に開催した決算説明会で、グループの企業価値最大化を目的に、そごう・西武の事業の戦略的見直しを行うと発表したものの、決定した事項はない。また、ヨドバシカメラ広報にこの件に関して問い合わせたところ、「コメントする内容はない」との返答だった。

 正式発表までは全て憶測となるが、ECの普及や、自動車でアクセスしやすい郊外型店舗の人気の高まり(休日の電車利用離れ)といった外部環境の変化を受け、今後の成長性から、セブン&アイHDが百貨店という業態を見限った形のそごう・西武の売却問題がどのように決着するのか、引き続き注目だ。そごう・西武の関連会社となる雑貨専門店「ロフト」の扱いも気になる。(BCN・嵯峨野 芙美)