デジタル庁は、2022年6月7日に閣議決定した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の要約(概要)と資料一式を公開した。この資料の概要版から特に重要だと思われるポイントをまとめた。
国・自治体が提供する行政サービスについては、21年6月策定の同計画で定めたデジタル3原則「デジタルファースト(デジタルで完結、紙不要)」「ワンスオンリー」「コネクテッド・ワンストップ」を引き続き推進し、ガバメントクラウド(国・地方共有のクラウド環境)や業務改革などを通じ、地域行政の効率化を目指す。今回の重点計画では、新たなトレンドの潮流にあわせ、「Web3.0(Web3)の推進」も盛り込んだ。
行政手続きのオンライン化に欠かせないマイナンバーカードについては、22年度末(23年3月末まで)に、国民のほぼ全員の取得を目標に掲げ、マイナンバーカード未取得者に向けた、マイナンバーカードの機能強化・使い勝手の改善を図る。具体的には、21年10月に本格スタートした「マイナンバーカードの健康保険証としての利用」の推進に加え、「引越しワンストップサービス マイナポータルを通じたオンラインによる転出届・転入予約」「マイナンバーカードの電子証明書(公的個人認証サービス)のAndroidスマートフォンへの搭載」「旅券(パスポート)のオンライン申請の開始」「マイナンバーカードと運転免許証の一体化」などを実施していく。マイナンバーカードと運転免許証の一体化に向けて、全国共通の運転者管理システムの整備、一体化に必要なシステム改修を行うほか、22年2月から4道府県でモデル事業を開始した、運転免許更新時の講習のオンライン受講を25年度には全国に拡大する計画。
マイナンバーカード取得の動機づけとなるよう、24年度をめどに、現行の紙やプラスチック製の健康保険証を申請者以外には発行しない「原則廃止」を打ち出した。医療機関・薬局に対しては、23年4月から、マイナンバーカードの健康保険証としての利用に必要な「オンライン資格確認」の導入を原則として義務付ける。さらに、活用シーンの拡大のため、マイナンバーカードの市民カード化、オンライン市役所サービスの充実や、民間ビジネスでの利用拡大検討などを挙げている。
計画通りに行政手続きのデジタル化・オンライン化、各種資格・身分証明用カードのマイナンバーカードへの集約化が実現すると、転居や転職に伴う、個人や企業・自治体の事務手続きの負担が減るため、流動性が高まり、働き方や暮らし方の常識は大きく変わる可能性がある。一方、重点計画に挙げられた「情報機器に不慣れな人の支援」や「情報リテラシー(情報活用能力)の啓発」「生涯を通じて学び続ける『リカレント教育』としての情報教育の強化」はなかなか難しいと考えられ、新たな課題への負担も大きくなりそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)
Web3.0(Web3)の推進へ
今回公表した重点計画は、21年12月に策定した同計画を改定・アップデートしたもの。「国・自治体」「医療・教育・防災・こども等の準公共」「民間」の各分野において、これまで書面や対面が基本だった各種手続きや通知(連絡)のオンライン化・デジタル化、蓄積・収集してきた情報・データのオープン化を推進していく。国・自治体が提供する行政サービスについては、21年6月策定の同計画で定めたデジタル3原則「デジタルファースト(デジタルで完結、紙不要)」「ワンスオンリー」「コネクテッド・ワンストップ」を引き続き推進し、ガバメントクラウド(国・地方共有のクラウド環境)や業務改革などを通じ、地域行政の効率化を目指す。今回の重点計画では、新たなトレンドの潮流にあわせ、「Web3.0(Web3)の推進」も盛り込んだ。
行政手続きのオンライン化に欠かせないマイナンバーカードについては、22年度末(23年3月末まで)に、国民のほぼ全員の取得を目標に掲げ、マイナンバーカード未取得者に向けた、マイナンバーカードの機能強化・使い勝手の改善を図る。具体的には、21年10月に本格スタートした「マイナンバーカードの健康保険証としての利用」の推進に加え、「引越しワンストップサービス マイナポータルを通じたオンラインによる転出届・転入予約」「マイナンバーカードの電子証明書(公的個人認証サービス)のAndroidスマートフォンへの搭載」「旅券(パスポート)のオンライン申請の開始」「マイナンバーカードと運転免許証の一体化」などを実施していく。マイナンバーカードと運転免許証の一体化に向けて、全国共通の運転者管理システムの整備、一体化に必要なシステム改修を行うほか、22年2月から4道府県でモデル事業を開始した、運転免許更新時の講習のオンライン受講を25年度には全国に拡大する計画。
マイナンバーカード取得の動機づけとなるよう、24年度をめどに、現行の紙やプラスチック製の健康保険証を申請者以外には発行しない「原則廃止」を打ち出した。医療機関・薬局に対しては、23年4月から、マイナンバーカードの健康保険証としての利用に必要な「オンライン資格確認」の導入を原則として義務付ける。さらに、活用シーンの拡大のため、マイナンバーカードの市民カード化、オンライン市役所サービスの充実や、民間ビジネスでの利用拡大検討などを挙げている。
計画通りに行政手続きのデジタル化・オンライン化、各種資格・身分証明用カードのマイナンバーカードへの集約化が実現すると、転居や転職に伴う、個人や企業・自治体の事務手続きの負担が減るため、流動性が高まり、働き方や暮らし方の常識は大きく変わる可能性がある。一方、重点計画に挙げられた「情報機器に不慣れな人の支援」や「情報リテラシー(情報活用能力)の啓発」「生涯を通じて学び続ける『リカレント教育』としての情報教育の強化」はなかなか難しいと考えられ、新たな課題への負担も大きくなりそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)