人気の河原BBQスポット 初の火気使用等に関する有料化実証実験のアンケート結果を公開
奥むさし飯能観光協会と埼玉県飯能市は、飯能河原とその周辺エリアで、主にバーベキュー(BBQ)を目的とした「火気使用等の有料化実証実験」を2022年4月21日~5月8日に実施した。地域資源の保全や美化、持続的に利用できる環境づくりを推進するうえで利用者の意識を探るのが狙い。人件費やごみ処理費用などに充てるため、河原の利用料を1人1000円(小学生以下無料)に設定。期間中、延べ1434人の利用があった。利用者に対してWebアンケート調査を実施し、この結果を「飯能河原における火気使用等に関する有料化実証実験について」で明らかにした。
飯能河原は、一部の情報サイトで「駅から徒歩で行ける無料BBQ場」などと紹介されている親水エリア。有料化実証実験期間中。BBQ目的の利用は有料だが、川遊び・釣り、散策などは引き続き無料。しかし、SNSでは、「河原に立ち入ること」自体が有料だと誤認するコメントが見受けられた。
1人1000円の利用料金は当日現地で現金で支払う仕組み。予約枠1件につき最大6人まで利用でき、利用人数は延べ1434人、売上は124万9000円(ゴミ回収のみの利用4件・2000円含む)だった。
事前予約は、奥むさし飯能観光協会の専用フォームからのオンラインによる申し込みのみ。予約を申し込んだ日から3日後を目安にSMSで予約確定を通知するため、申込時点では予約が確定しないという。一般的なオンライン予約システムと比較し、かなり使い勝手の悪い仕組みだった。予約なしで利用するケースも多く、予約申込件数216件・予約枠329枠・予約者数1485人に対し、来場件数248件・利用枠356枠・来場者数1334人で、予約者済来場者数は554人(予約の37.3%)にとどまった。
来場者に対して実施したインターネットアンケート(回答数22件、回答率8.9%)によると、利用者居住地は東京都内が最も多く63.6%を占めた。飯能市を除く埼玉県と、地元の飯能市が18.2%で並んだ。かなり少ない回答数ながら、回答者の63.6%が「非常に満足」「満足」と回答し、「不満」と回答した理由も、「予約システムの使い勝手が悪い」「有料化を知らなかった」「(専用)駐車場が近くにない」といった「有料」以外の理由だった。また、回答者の90.9%は、「今後もまた利用したい」と回答した。
長引くコロナ禍でのアウトドア・BBQブームを受け、休日は人が殺到し、あまりの「密」な状態やゴミの不法投棄、騒音(ポータブルスピーカーで音楽を流す)などが問題視されたため、今年のゴールデンウィークは「火気使用可のBBQエリアは有料」「日没後の立ち入り禁止(宿泊を伴うキャンプ不可)」という事態になった飯能河原。昨年8月7日から10月5日まで、問題解決のため一時閉鎖となった際、インターネット上では埼玉県民のマナーが悪いという指摘が見受けられたが、アンケートの結果、利用者の多くは東京都民だと判明した。東京・埼玉のローカルの問題にとどめず、公表された「火気使用等に関する有料化実証実験」の結果を参考に、全国的に「公共の河川や海岸などでのBBQの是非」を検討するべきではないだろうか。守るべきマナーを啓蒙せず、アウトドアブームを煽るメディアも反省が必要だろう。(BCN・嵯峨野 芙美)
飯能河原は、一部の情報サイトで「駅から徒歩で行ける無料BBQ場」などと紹介されている親水エリア。有料化実証実験期間中。BBQ目的の利用は有料だが、川遊び・釣り、散策などは引き続き無料。しかし、SNSでは、「河原に立ち入ること」自体が有料だと誤認するコメントが見受けられた。
1人1000円の利用料金は当日現地で現金で支払う仕組み。予約枠1件につき最大6人まで利用でき、利用人数は延べ1434人、売上は124万9000円(ゴミ回収のみの利用4件・2000円含む)だった。
事前予約は、奥むさし飯能観光協会の専用フォームからのオンラインによる申し込みのみ。予約を申し込んだ日から3日後を目安にSMSで予約確定を通知するため、申込時点では予約が確定しないという。一般的なオンライン予約システムと比較し、かなり使い勝手の悪い仕組みだった。予約なしで利用するケースも多く、予約申込件数216件・予約枠329枠・予約者数1485人に対し、来場件数248件・利用枠356枠・来場者数1334人で、予約者済来場者数は554人(予約の37.3%)にとどまった。
来場者に対して実施したインターネットアンケート(回答数22件、回答率8.9%)によると、利用者居住地は東京都内が最も多く63.6%を占めた。飯能市を除く埼玉県と、地元の飯能市が18.2%で並んだ。かなり少ない回答数ながら、回答者の63.6%が「非常に満足」「満足」と回答し、「不満」と回答した理由も、「予約システムの使い勝手が悪い」「有料化を知らなかった」「(専用)駐車場が近くにない」といった「有料」以外の理由だった。また、回答者の90.9%は、「今後もまた利用したい」と回答した。
長引くコロナ禍でのアウトドア・BBQブームを受け、休日は人が殺到し、あまりの「密」な状態やゴミの不法投棄、騒音(ポータブルスピーカーで音楽を流す)などが問題視されたため、今年のゴールデンウィークは「火気使用可のBBQエリアは有料」「日没後の立ち入り禁止(宿泊を伴うキャンプ不可)」という事態になった飯能河原。昨年8月7日から10月5日まで、問題解決のため一時閉鎖となった際、インターネット上では埼玉県民のマナーが悪いという指摘が見受けられたが、アンケートの結果、利用者の多くは東京都民だと判明した。東京・埼玉のローカルの問題にとどめず、公表された「火気使用等に関する有料化実証実験」の結果を参考に、全国的に「公共の河川や海岸などでのBBQの是非」を検討するべきではないだろうか。守るべきマナーを啓蒙せず、アウトドアブームを煽るメディアも反省が必要だろう。(BCN・嵯峨野 芙美)