ここ数年でデジタルライフが大きく様変わりしたことは誰もが認める事実だろう。特にPCは仕事・学業・プライベートのすべてにおいて、パートナーとしての地位を新たにしている。その影響は限られた玄人の世界であった「自作PC」の市場にまで及んでいる。もっとも重要な心臓部であるCPUを中心に、パーツも多く取り扱うコンピューターショップ「ドスパラ秋葉原本店」で売り場の最新状況を聞いた。
秋葉原本店の久末翔希店長は「2020年ごろからゲームや動画編集といった用途でプライベート時間にPCを使用する人が増えている。こうしたお客様は仕事にも兼用したいという方が多く、『さまざまな用途で利用できるか』を購入基準にされている」と購入傾向の変化を指摘する。
現在の客層は自作初心者が半分以上を占めるという。「接客時に『初めて自作をするのでイチから教えてほしい』『これまで家庭用ゲーム機で遊んでいたが、PCゲームも始めてみたい』というお話をする機会が多い」と久末店長。また、若い世代や女性の来店が増えているのもポイントだ。ドスパラ秋葉原本店では小学生が家族連れで来店するケースもあるそうだ。
特に関心が高いのが、2021年秋から販売開始した第12世代の最新インテルCoreプロセッサー・ファミリーだ。「まずはシンプルにスペックが高い。また、前世代と比較して性能が上がっているのに価格差が少なく、コスパの良さも評判になっている」。
ドスパラでは売り場に自社で測定したベンチマーク表を掲示しているが、それによるとミドルクラスで売れ筋の「Core i5-12600K」と第11世代のハイエンドクラス「Core i7-11700K」のスコアが大差ないことが分かる。こうした分かりやすいパフォーマンスの高さが販売拡大に結びついているようだ。
スペック以外の要素でもインテルの第12世代は非常に売りやすいCPUだという。コア数・スレッド数が向上しており、多くの処理を快適にこなすことができるからだ。「『プライベートでもビジネスでも使いたい』というお客様や『ゲームしながら配信をしたい』というお客様が増えているため、マルチタスクに強いという特徴は訴求しやすい」と久末店長は売り場の声を紹介してくれた。
また、第12世代発売直後はリテンションキットを別途用意しなければならないCPUクーラーしか存在しなかったことから、ドスパラ秋葉原本店では購入者にリテンションキットを無料で配布するキャンペーンも行ったそうだ。こちらも口コミが広がり、好評を博したという。
巣ごもり需要は徐々に落ちつきつつあるが、久末店長は自作PCユーザーは今後も増え続けるのではないかと分析する。「リアルで体験機会を提供する機会が増えるので、より初心者の方が入ってきやすくなる」と語る。CPU市場もその波に乗って、さらなる拡大が期待できそうだ。「独走状態になっているインテルにAMDがどのような戦略で対抗してくるか。両社の切磋琢磨が活性化につながってくる」と今後の展望を示した。(BCN・大蔵大輔)
来店客は自作PC初心者が半分以上
百聞は一見に如かず――数年ぶりにドスパラ秋葉原本店を訪問してその変わりように驚いた。「分かる人には分かる」といったマニアックな雰囲気は今は昔。整然とした売り場は、初心者にも分かりやすく、フレンドリー。女性を意識しているであろうピンクやカラフルなライトで彩られたPCケースなども数多く展示されている。秋葉原本店の久末翔希店長は「2020年ごろからゲームや動画編集といった用途でプライベート時間にPCを使用する人が増えている。こうしたお客様は仕事にも兼用したいという方が多く、『さまざまな用途で利用できるか』を購入基準にされている」と購入傾向の変化を指摘する。
現在の客層は自作初心者が半分以上を占めるという。「接客時に『初めて自作をするのでイチから教えてほしい』『これまで家庭用ゲーム機で遊んでいたが、PCゲームも始めてみたい』というお話をする機会が多い」と久末店長。また、若い世代や女性の来店が増えているのもポイントだ。ドスパラ秋葉原本店では小学生が家族連れで来店するケースもあるそうだ。
需要にマッチする高性能の第12世代 コスパも高評価
そんなこれまでは考えられなかったフェーズを迎えている自作PC市場でCPUはどのような盛り上がりをみせているのか。「CPU市場はインテルとAMDによる競い合いがそのまま市場の盛り上がりに結びついている。2019年夏~2020年にかけてAMDが躍進し、2021年から現在にかけてはインテルが再び盛り返した。自作PCユーザーもその動向に常に注目している」(久末店長)。特に関心が高いのが、2021年秋から販売開始した第12世代の最新インテルCoreプロセッサー・ファミリーだ。「まずはシンプルにスペックが高い。また、前世代と比較して性能が上がっているのに価格差が少なく、コスパの良さも評判になっている」。
ドスパラでは売り場に自社で測定したベンチマーク表を掲示しているが、それによるとミドルクラスで売れ筋の「Core i5-12600K」と第11世代のハイエンドクラス「Core i7-11700K」のスコアが大差ないことが分かる。こうした分かりやすいパフォーマンスの高さが販売拡大に結びついているようだ。
スペック以外の要素でもインテルの第12世代は非常に売りやすいCPUだという。コア数・スレッド数が向上しており、多くの処理を快適にこなすことができるからだ。「『プライベートでもビジネスでも使いたい』というお客様や『ゲームしながら配信をしたい』というお客様が増えているため、マルチタスクに強いという特徴は訴求しやすい」と久末店長は売り場の声を紹介してくれた。
初心者から上級者まで幅広い支持を集めるインテル
インテルの第12世代モデルの発売時には期待と支持の高さがうかがえる出来事もあった。発売を記念してドスパラ秋葉原本店で独自に「インテル第12世代Core特別展示」を実施したところ、PCパーツにあまり馴染みのなかった初心者から往年の自作PCユーザーまで幅広い層のユーザーから反響があった。「第1世代~第12世代のインテルCPUを一挙に展示するという趣旨の企画で、懐かしんだり、写真を撮影したり、というお客様が多くいらっしゃった」(久末店長)。また、第12世代発売直後はリテンションキットを別途用意しなければならないCPUクーラーしか存在しなかったことから、ドスパラ秋葉原本店では購入者にリテンションキットを無料で配布するキャンペーンも行ったそうだ。こちらも口コミが広がり、好評を博したという。
巣ごもり需要は徐々に落ちつきつつあるが、久末店長は自作PCユーザーは今後も増え続けるのではないかと分析する。「リアルで体験機会を提供する機会が増えるので、より初心者の方が入ってきやすくなる」と語る。CPU市場もその波に乗って、さらなる拡大が期待できそうだ。「独走状態になっているインテルにAMDがどのような戦略で対抗してくるか。両社の切磋琢磨が活性化につながってくる」と今後の展望を示した。(BCN・大蔵大輔)