ケーズHDの22年3月期決算、減収減益なるも計画比ではプラス
ケーズホールディングス(ケーズHD)の2022年3月期連結決算は、21年3月期の決算短信で公開していたように減収減益だった。ただ、親会社株主に帰属する当期純利益(以下、当期純利益)以外の売上高や利益は計画値を上回る結果となった。
主要商品の売上高(速報ベース)を見ると、洗濯機が前年度比0.3%増となったものの、テレビや冷蔵庫、クリーナー、エアコンなどは軒並み前年割れで、パソコン・情報機器は前年度比2桁減となった。
同社は他の家電量販企業と異なり非家電は取り扱わず、家電専門店としてのスタンスを堅持し、新規出店を成長戦略の一つと位置づけている。22年3月期も15店の新規出店と1店の退店で、店舗数は14店と増えたが、売上高の落ち込みをカバーするまでにはいたらなかった。
22年3月期から適用となった「収益認識に関する会計基準」も連結決算の数値に影響を与えた。しかし、同社はポイント還元制度を採用しておらず、他社と比べるとその影響は小さかったといえる。下の表は21年3月期も収益認識基準を適用した連結決算の比較表である。
売上高および当期純利益を除く各利益は計画を上回り、販売管理費は逆に計画より下回ったことが分かる。当期純利益が計画よりも低かったのは減損や災害、新型コロナウイルス感染症による特別損失を21年3月期の倍以上となる54億3400万円を計上したことによるものだ。
季節商品は天候に左右されるが、22年度の夏と冬は平年並みと想定して売上高に上乗せし、21年度の需要反動減も落ち着くと予想。18店の新規出店と1店の退店を計画しており、既存店の売上高は前年度比2.5%増に対して、新規出店を含めた全店では同5.7%と予想している。高付加価値商品に対するニーズが引き続き見込めることから、粗利益率は横ばいの28.2%を計画している。
販売管理費の上昇は売上総利益の上昇よりも高くなると予想。人件費や光熱費が増加傾向で推移しており、控えめだったチラシによる販促活動も活発化。さらにキャッシュレス決済普及による支払手数料も増える傾向にあるためだ。販管費比率は22年3月期から0.1ポイントアップの22.8%を見込み、営業利益率は0.2ポイントダウンの5.4%と予想している。
15店の新規出店で店舗数は前年から14店増
21年3月期は定額給付金の支給や猛暑、コロナ禍での巣ごもり需要やテレワーク需要の伸長などで売上高、各利益は過去最高を記録したが、22年3月期は需要の反動減や天候不順などにより、売上高が減少。減収によって営業利益や経常利益も減益となった。主要商品の売上高(速報ベース)を見ると、洗濯機が前年度比0.3%増となったものの、テレビや冷蔵庫、クリーナー、エアコンなどは軒並み前年割れで、パソコン・情報機器は前年度比2桁減となった。
同社は他の家電量販企業と異なり非家電は取り扱わず、家電専門店としてのスタンスを堅持し、新規出店を成長戦略の一つと位置づけている。22年3月期も15店の新規出店と1店の退店で、店舗数は14店と増えたが、売上高の落ち込みをカバーするまでにはいたらなかった。
22年3月期から適用となった「収益認識に関する会計基準」も連結決算の数値に影響を与えた。しかし、同社はポイント還元制度を採用しておらず、他社と比べるとその影響は小さかったといえる。下の表は21年3月期も収益認識基準を適用した連結決算の比較表である。
売上高および当期純利益を除く各利益は計画を上回り、販売管理費は逆に計画より下回ったことが分かる。当期純利益が計画よりも低かったのは減損や災害、新型コロナウイルス感染症による特別損失を21年3月期の倍以上となる54億3400万円を計上したことによるものだ。
今期は18店の新規出店で5.7%の増収を計画
23年3月期の連結業績予想は売上高が7900億円(同5.7%増)、営業利益430億円(同3.0%増)、経常利益470億円(1.0%増)、当期純利益300億円(同5.1%増)としている。季節商品は天候に左右されるが、22年度の夏と冬は平年並みと想定して売上高に上乗せし、21年度の需要反動減も落ち着くと予想。18店の新規出店と1店の退店を計画しており、既存店の売上高は前年度比2.5%増に対して、新規出店を含めた全店では同5.7%と予想している。高付加価値商品に対するニーズが引き続き見込めることから、粗利益率は横ばいの28.2%を計画している。
販売管理費の上昇は売上総利益の上昇よりも高くなると予想。人件費や光熱費が増加傾向で推移しており、控えめだったチラシによる販促活動も活発化。さらにキャッシュレス決済普及による支払手数料も増える傾向にあるためだ。販管費比率は22年3月期から0.1ポイントアップの22.8%を見込み、営業利益率は0.2ポイントダウンの5.4%と予想している。