【記者のひとこと】SaaS乱立への最適解は

コラム

2022/03/30 10:00

 業務の中でSaaSを数多く使っている人も少なくないと思います。しかし、複数のアプリを管理することに負担を感じている人は多いでしょう。SaaSで業務改善を図るつもりが、ID管理に追われていては本末転倒です。

 このような時流を踏まえ、ここ1年ほどで複数の国内ベンダーがSaaS管理ソリューションを投入し始めました。現時点では根本的な機能に目立つ差はないものの、各社各様の戦略でユーザーの取り込みを図っています。このような管理ツールを上手に活用することで、より効率的にSaaSを運用できるかもしれません。

 乱立するSaaSへの対処については、SaaSベンダー側も課題と捉えているようで、複数あるSaaSブランドを一本化して提供する動きもあるそうです。ユーザーのためになる取り組みだと思いますが、個人的には、少し懸念もあります。

 現時点で同じブランドでそろえているユーザーにとっては、一本化によるメリットは大きいかもしれません。しかし、目的ごとに優れた製品を選んで使っている人にとっては、必要のない機能が追加されることになるかもしれません。費用負担が増える可能性もあり、諸手を挙げて歓迎とはならないおそれもあります。

 コンシューマー向けのPCでは、あまり必要とされないソフトウェアがたっぷりとバンドルされる例もありますが、同じようなことがSaaSでも起こらないことを願います。(藤岡 堯)

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