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史上最凶の激辛ペヤング「獄激辛Final」に挑んだ、おじさんの勇気の物語

グルメ

2022/03/26 18:05

 カップ麺の激辛ブームを牽引してきたペヤング。とくに2020年に発売された「ペヤング獄激辛やきそば」は、「ペヤング 激辛やきそばEND」の3倍辛いとあって、洗って食べた、一口でノックアウト、なぜあんなに辛いものを作ったのか?…などとネット上でも賛否両論がおこる激辛レベルだった。にもかかわらず、まるか食品は3月7日「獄激辛やきそば」よりもさらに2倍辛いという「ペヤング 獄激辛やきそばFinal」を発売。この原稿は、そんな傍若無人とも言える商品に果敢に挑んだ、1人のおじさんによる挑戦の記録である!

まるか食品が3月7日に発売した「ペヤング 獄激辛やきそばFinal」(239円)

美味い美味くない、辛い辛くないの騒ぎではない!  

閻魔様が手をバッテンにして涙を流している

 今回これに挑んだ筆者46歳は、一般的に販売されている激辛の類は笑顔で食し、近所のカレー屋なら最も辛いベリーホット(CoCo壱番屋の6辛程度)を注文する、まずまずの辛いもの好きだ。カップ麺の類では今までギブアップしたことがない。それでも今回は一筋縄ではいかないことを予測していた。パッケージの閻魔様も青くなって涙を流しているレベルなのだ。
 
麺と混ざっていく獄激辛ソース。これを少しでも舐めようものなら…

 ということで、ある程度覚悟を決めて心を穏やかにし、カップ焼きそばを作る。お湯とかやくを入れて、お湯を捨て、いよいよ危険な香りがする真っ黒な小袋のソースを全体にかけて、さて、いただきます。
 
完成した「獄激辛やきそばFinal」。全然辛そうではないが…

 では、まずは軽くひとくち、ズルズル、モグモグ。……んー、うん、これ辛いっス。と、冷静さを装っていると3秒で第二波到来。顔がカーっと熱くなり、頭から汗が吹き出す。その恐ろしい辛さから目を背けるために、何を血迷ったか、今度は口いっぱいに褒美ってみた。
 
こうして見ても一般的なカップ焼きそば同様、とても旨そう

 アババババパババ。言葉にならない悲鳴がおじさんの心からねじり出る。なのに勢いでもう一口、エイッ!アババババババ。無理無理無理無理、辛い辛い辛い辛い、痛い痛い痛い痛い、もはや怖い怖い怖い怖い。

 まるか食品さん、こんなの売っていいんですかい? 完全に戦意喪失したため怒りも起こらず疑問系だ。ノーマルでいただくのは不可能と早々に諦め、ここで世界のあらゆるものをマイルドにするあいつを投入。そうマヨネーズだ。普通の焼きそば以上にブリュリュリュと山盛りかける。が、ほとんど効果なし!食べ進めるほどに口が腫れ上がり、汗がアゴから滴り落ちる。
 
マヨネーズを足してマイルドにしようと努力するも…

 むむ、それではこいつはどうだ!と、次に用意したのは生たまご。かなり邪道だが、かまってられない。残り半分以上の焼きそばの上にパカー。すると、おーう、神はやはり見ているのだ。か弱き子羊が悪魔に立ち向かう姿を。なんとここで卵黄が2つ入っている、ふたご卵が登場。さらに追いマヨネーズにソースまでもオン!
 
生たまごの力を借りようとしたら、神様からのプレゼントが
 
さらに追いマヨネーズにソースまで入れて戦いに挑んだ

 それでもやっぱり見事に辛い。アババババババ、辛い、痛い、怖い、を繰り返してながら、本意気の涙をダラダラ流して焼きそばを食べる。そこそこ幸せな中流家庭に生まれて、大きな罪を犯すことなくささやかに生きてきた私が、なぜこんなことになってしまったのか。どこでどう間違えて私は、こんな悪魔と戦うハメになってしまったのか。運命を呪いながら食べ続けること10分。ついに、ついに、なんとか完食を果たした!

 しかし、達成感は全く感じない。残っているのは、焼けた鉄を流されたような口の強烈な痛みと、汗と涙でぐちゃぐちゃになりながらヒーヒー泣いているおじさんの姿だけだ。しかも、この悪魔の所業はこれで終わらなかったのだ。むしろ地獄はここから始まるのである。

 ここからは実際に身体に起こった体験談だが、あくまで筆者の体質の問題であり、まるか食品さんに一切の責任はない。さて、格闘を終えて口の痛みもすっかり引いた4時間後、唐突に胃がぎゅーっと痛くなってきた。特に胃痛持ちでもないので、どうすればいいか分からずとりあえずトイレに入ってみる。しかし特に良い効果はない。ただ胃が掴まれたように痛い。

 こ、これはあの強烈な辛味の仕業だ。口があれだけのダメージを負ったのだ。それが今、胃に収まって暴走を始めている。もはや痛いというより熱くなっている気がする。そこで冷水をごくごく飲むと、あら不思議、5分くらいで痛みがフワーっと和らいでいく。でもまた10分すると、いてててててー。そこでまた冷水をイン。実にこれを1時間繰り返すハメに。

 そこそこ幸せな中流家庭に生まれ…(中略)…こんな悪魔と戦うハメになってしまったのか。トイレで胃を押さえて苦痛に顔を歪め、時々トイレから出て冷水を飲む、その繰り返し。激辛でアババババババの時間がまだ懐かしい。むしろこれで閻魔様は涙を流しているのではないか。

 さらに胃痛が収まってきた頃に、とんでもないスパイシーな汗が出はじめた。これは身体の謎だが、おそらく刺激成分が入っている汗が吹き出してきたのだ。目に入ると目が痛い。口に入ると辛くはないがビリビリする。顔をどれだけ洗っても汗が止まらず、30分くらい目が痛かった。そして最後は予想通り翌朝のトイレだ。もちろん再びアババババババだったわけだが、それはここでは詳しく記さない。

 さて、いかがだっただろう。これが、46歳のおじさんがとんでもない激辛に挑んだ結末だ。たった一つでこれだけいろんな種類の地獄を与えるこの商品、お願いだから本当にファイナルであって欲しい!(エフェクト・山葉のぶゆき)

※記事中の価格は購入時もの