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ふるさと納税の確定申告 データアップロード+e-Taxは断然簡単・便利! 主要サイトは対応済み

 令和3年分確定申告の申告・納付期限は、所得税および復興特別所得税・贈与税が2022年3月15日、消費税および地方消費税(個人事業者)が22年3月31日。記者は、寄付金控除(ふるさと納税)、医療費控除を受けるため、今年は初めてe-Tax(マイナンバーカード方式)で確定申告してみたが、ふるさと納税については令和3年分から始まった「寄付金控除に関する証明書(電子データ)」のアップロードで簡単にできた。制度変更について知らない人も多いと思われるのでざっくりと紹介したい。

注目のふるさと納税

 国税庁は、オンラインフォームに沿って入力するだけで簡単に申告書が作成可能な「確定申告書作成コーナー」や「e-Tax」の機能を強化しており、できるだけ自宅で申請できるe-Taxを利用するよう呼びかけている。

 e-Taxの二つの方式のうち、今後の標準となるマイナンバーカード方式でPC・タブレット端末からe-Tax送信する場合、従来は公的個人認証サービス対応のICカードリーダが必要だったが、タブレットは21年1月から、PCは22年1月から、スマートフォン(スマホ)向けアプリ「マイナポータル」対応スマホ(iPhone 7以降など、マイナンバーカードを読み取り可能なスマホ)を保有していればICカードリーダは不要になった。

 この機能強化のおかげで、PCのブラウザから確定申告書作成コーナーで必要事項を入力し、スマホで認証してPCからe-Tax送信が可能になった。わざわざICカードリーダを購入する必要はない、最低1台はマイナンバーカードを読み取り可能なスマホを保有する、この2点が簡単・便利なe-Taxによる確定申告の前提条件だ。
 
確定申告におけるe-Tax送信は、
マイナンバーカードを保有するメリットの一つ

 まずは医療費控除について説明したい。加入する健康保険組合は、加入者自身が申し込むと開設されるオンラインのマイページから、別途郵送で届くパスワードを入力すると、医療費通知・ジェネリック医薬品差額情報・健診結果を確認できる。

 確定申告にあたっては、確定申告書作成コーナーの「医療費控除」に関するステップで、健康保険組合のマイページからダウンロードした医療費控除申告用データ(拡張子.xmlのファイル)をアップロードするだけ。今回は歯科のインプラント治療分があり、これは健康保険組合が通知する医療費通知には含まれないので別途、追加入力した。健康保険組合がXML形式のデータを提供していたおかげで、事前準備を除くと、入力はほぼ一瞬で完了した。

 続いて、寄付金控除について説明しよう。21年のふるさと納税(寄付)は1自治体のみだったので、まずはふるさと納税サイトにログインし、マイページから「寄付金控除に関する証明書」の発行を申請。その証明書(拡張子.xmlのファイル)を寄付金控除に関するステップでアップロードするだけで、やはりこちらも事前準備を除くと、ほぼ一瞬で完了した。
 
確定申告書等作成コーナーの「寄付金控除」の入力画面

 ふるさと納税の確定申告の簡便化・簡素化は、今春の令和3年分確定申告から。国税長官が指定した特定事業者(ふるさと納税サイト)に限り、事業者が年間の寄付金額をまとめた「寄附金控除に関する証明書」を利用することで、申告手続が簡素された。
 
記者が今回試した、オンラインで全て完結する寄付金控除(ふるさと納税)の確定申告の流れ

 2021年11月12日現在の特定事業者は、ふるなび、さとふる、ふるさとチョイス、楽天ふるさと納税、au PAY ふるさと納税、ふるラボなど14事業者。記者が利用した「ふるさとチョイス」では、寄附金控除に関する証明書の取得には事前の申請が必要だった。「寄附金控除に関する証明書」の取り込みと同時に対応した、マイナンバーカードを活用した「マイポータル連携」による寄付金控除の自動入力は、今回は試していないので割愛する。
 
国税長官が指定した特定事業者(国税庁のウェブサイトより)

 ふるさと納税は、寄付金控除を受けて初めてお得といえる仕組みになっており、実際には確定申告せずに「得した気分」になっているだけの人が多いのではないかともいわれている(「ワンストップ特例制度」利用時は確定申告は不要)。マイナンバーカードとマイナンバーカードを読み取り可能なスマホを保有している場合、令和3年分以降、郵送などの必要なく、かなり簡単な手続きで寄付金控除が受けられるようになったので、ふるさとや好きな自治体を支援するふるさと納税をはじめてはどうだろうか。(BCN・嵯峨野 芙美)