NTTドコモは、入会金・年会費無料の「dポイントクラブ」のプログラム内容を2022年6月3日に刷新する。新しいランク判定の開始日は3月1日。ドコモのスマートフォン決済サービス「d払い」の利用者は現行に比べておおむねプラス、d払い未利用者や新設する「長期利用ありがとう特典」の対象料金プラン以外の契約者にとってはおおむねマイナスの改定だ。

共通ポイントNo.1を目指して

　マイナス改定となる変更点から挙げていこう。まず、長期利用者向け割引サービス「ずっとドコモ特典」が22年5月に終了する。ドコモのギガプランを契約していて継続利用期間15年超または6カ月間のdポイント獲得数1万ポイント以上の「プラチナステージ」なら誕生月にdポイント（期間・用途限定）で3000ポイント（3000円相当）もらえたが、今後はポイント進呈なしとなる。

　dポイントクラブのプラチナステージ特典の「プラチナクーポン」も終了する。応募の上、当選するとdポイントや映画のチケットがもらえたが、今後は誰でも使える「dポイントクラブクーポン」に統合される。新たにスタートする「dポイントクラブクーポン」では、おそらくお得度の高いプレミアムなクーポンはなくなるだろう。
 
　新しいランクは星マークで示す1つ星～5つ星の5段階で、ドコモ回線の利用年数とは関係なく、直近3カ月間のdポイント獲得数のみとなる。そのランクに応じて新設の「ポイント倍率アップ特典」が適用され、dポイントカードを提示した際に獲得できるdポイント数は、5つ星は通常の2.5倍、2つ星でも1.5倍となる。ポイント倍率アップ特典によるポイント付与上限は月1万5000ポイント。
 
　次にプラスとなる変更点を挙げよう。廃止される「ずっとドコモ特典」の代わりに、6月から誕生月のd払い利用で還元率が最大＋20％となる「長期利用ありがとう特典（ドコモの対象料金プラン契約者限定）」がスタートする。誕生日に、自分にご褒美をあげるタイプならうれしいプログラムだ。還元率はステージとドコモ回線継続利用期間によって変わり、継続利用期間10年以上なら1つ星でも＋10％となる。利用期間3年未満の場合や旧料金プランなど対象外プラン契約者は適用外。 
 
　新しいdポイントプログラムでは、直近3カ月間の獲得ポイント数とランクが連動するのでランクを意図的に上げやすく、ポイント獲得が楽しめるような仕掛けだ。また、プラスの変更として「dカード GOLD」のドコモ特典（ドコモのケータイ・ドコモ光・ドコモのサービスの利用1000円につき100ポイントの進呈）によって、獲得したdポイントも新たにランク判定のカウント対象となり、実質的にdカード GOLDや3月1日開始の「ドコモでんき」の新規入会促進策ともいえる。
 

　また、「更新ありがとうポイント」に続き、「ずっとドコモ特典」の提供を終了し、長期利用に対する条件なしのポイント還元を打ち切ったので、d払いを使っていない、今後も使う予定がないといったドコモ回線契約者には、ドコモ以外への乗り換えをおすすめしたい。「dポイントをためるならdポイントカード・d払い・dカード」というメッセージを強く打ち出したポイントプログラム改定となっているためだ。（BCN・嵯峨野 芙美）