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【記者のひとこと】アプリ利用者に適した立ち寄り先の提案へ

コラム

2022/01/18 10:00

 日本の新型コロナ感染が急拡大しました。先進国の感染推移が時間差で日本に波及するコロナ禍はもう3年目となります。ただ、米ワシントン大学の専門家による予測では既に米国の一部都市で感染ピークを越え、今月下旬にかけて米国での感染が急激に減る見方を示す報道も出ています。日本のピークアウトは3~4月とも試算されています。長引くコロナ禍でも安心して外出できる環境作りと経済の活性化を両輪で進める重要性は、ますます高まりそうです。

 その取り組みを模索する国内事例として日立製作所と西日本鉄道が、鉄道やバス利用者の行動変容を促すWebアプリケーションを用いて、利用者に適した目的地や立ち寄り先を提案する実証実験を福岡県で2月1日に始めます。混雑を避けた行動選択を促し、移動需要の増加や商業施設への誘客効果を検証します。1月18日にユーザー登録が始まります。

 実験に対する本気度も伝わってきます。実験は昨年に続く2回目です。今回、実施期間を35日間(前回は17日間)、参加者として目標1000人(同561人実績)、対象店舗も3000以上(同49店舗)にまで規模が拡大します。

 今回の実証ではユーザーの自発的な行動を活発化させる「ナッジ(促し)応用技術」を核とし、人の行動変容を促す情報を生成できるプラットフォームが開発されました。アプリからはユーザーの特性に応じた混雑回避ルートや寄り道先が提案されます。

 アプリ機能では新たな使用パラメータとして、立ち寄り先に関する利用者の健康志向や嗜好など個人の特性も考慮した研究に力を入れているようです。利用者の行動変容を起こしやすいものに改善された試みに、今後どれだけ関心が高まっていくか注目です。(山越 晃)

【記事はこちら】
日立製作所と西日本鉄道 アプリによる混雑回避・経済活性化の実証実験 ユーザー特性ごとに経路や立ち寄り先を提案