生鮮食品・総菜などをインターネットや電話で注文して店舗・配送拠点から配達希望場所(主に自宅)まで配送する業態を「ネットスーパー」と定義すると、ネットスーパー参入企業は今後、増えると予想されている。そこに、「楽天西友ネットスーパー」で培ったノウハウをもとに、楽天グループがネットスーパーのプラットフォーム「楽天全国スーパー」を立ち上げた。
おなじみの楽天ロゴが入った「楽天全国スーパー」がスタート。郵便番号を入力すると利用可能なスーパーが分かる
ネットスーパープラットフォームの大元となった楽天西友ネットスーパーは、西友のPBを含む豊富な品ぞろえと「最短当日注文可」「2時間単位の配送時間指定」「入会金・年会費無料」が特徴。2022年1月11日以降、楽天全国スーパー内に移行した。
2022年1月13日時点で、西友とベイシア(新規)が出店
全国のスーパーマーケット事業者向けに受注管理やオンライン上の決済などの機能を提供する楽天の「楽天全国スーパー」利用のネットスーパーは、楽天の他のサービス同様、楽天IDでログインし、利用金額に応じて楽天ポイントがたまる・使えるので、楽天会員にはかなり便利。ただし、現時点では、SPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象外となるなど、楽天経済圏の中核サービスからは外れている。
楽天全国スーパー共通のメリット
ベイシアに続き、大阪屋ショップは、22年秋頃から楽天全国スーパーに出店すると発表済み。全国展開していない地域密着型スーパーは、独自展開ではなく、この楽天のネットスーパープラットフォーム利用に切り替え、従来の予想より早く、生鮮小売のEC化が進むのではないか。また、楽天経済圏の最大の強みは全国を網羅するネットスーパーネットワークになるのではないだろうか?
楽天全国スーパーを導入する事業者のメリット
今後、楽天全国スーパーに出店しそうな関東地方の地域密着型スーパーとして、まずは埼玉を中心に出店するベルクを挙げたい。独自の自社ネットスーパー「ベルクお届けパック」を一部の店舗で既に展開しているが、全店ネットスーパー対応になれば、競合のヤオコーや他の現金決済スーパーに対して強みとなる。同じ理由で、ネットスーパー強化を掲げるオーケーやサミットストアなども出店の可能性はあるだろう。
楽天ペイ(アプリ決済)を利用可能なスーパーは全て可能性あり?
さらに数年先には、最近増えている現金しか使えないスーパーも、楽天ペイやau PAYなどのコード決済の導入と同時にネットスーパーに参入すると予想する。根拠は、経済産業省が進めるキャッシュレス決済比率の向上の目標達成と、現金取り扱いコスト高のため、「現金のみ」の看板を下ろさざるを得なくなり、新規出店の代わりに、EC分野への進出が不可欠になると思われるからだ。
ラストワンマイルとして期待高まる自動配送・ドローン配送(写真は、JP 楽天ロジスティクスによる超高層マンションへのドローンによるオンデマンド配送の実証実験の様子)
ネットスーパーや飲食デリバリーサービスの商品代金に上乗せされる配送料・手数料や年会費などは、「時短(買い物・移動時間削減)」と「電車・バス代、自家用車のガソリン代や有料駐車場代」の対価となる。公共交通機関が充実した都市部の居住者以上に、公共交通機関の減便・廃止などのため、車の運転免許を返納すると「買い物難民」になりやすい地方・郊外の居住者は、ネットスーパー・飲食デリバリーを利用する費用対効果は高い。ネットスーパーの本格普及のきっかけとなるか、楽天全国スーパーの今後の動向に注目だ。(BCN・嵯峨野 芙美)

ネットスーパープラットフォームの大元となった楽天西友ネットスーパーは、西友のPBを含む豊富な品ぞろえと「最短当日注文可」「2時間単位の配送時間指定」「入会金・年会費無料」が特徴。2022年1月11日以降、楽天全国スーパー内に移行した。

全国のスーパーマーケット事業者向けに受注管理やオンライン上の決済などの機能を提供する楽天の「楽天全国スーパー」利用のネットスーパーは、楽天の他のサービス同様、楽天IDでログインし、利用金額に応じて楽天ポイントがたまる・使えるので、楽天会員にはかなり便利。ただし、現時点では、SPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象外となるなど、楽天経済圏の中核サービスからは外れている。

ベイシアに続き、大阪屋ショップは、22年秋頃から楽天全国スーパーに出店すると発表済み。全国展開していない地域密着型スーパーは、独自展開ではなく、この楽天のネットスーパープラットフォーム利用に切り替え、従来の予想より早く、生鮮小売のEC化が進むのではないか。また、楽天経済圏の最大の強みは全国を網羅するネットスーパーネットワークになるのではないだろうか?

今後、楽天全国スーパーに出店しそうな関東地方の地域密着型スーパーとして、まずは埼玉を中心に出店するベルクを挙げたい。独自の自社ネットスーパー「ベルクお届けパック」を一部の店舗で既に展開しているが、全店ネットスーパー対応になれば、競合のヤオコーや他の現金決済スーパーに対して強みとなる。同じ理由で、ネットスーパー強化を掲げるオーケーやサミットストアなども出店の可能性はあるだろう。

さらに数年先には、最近増えている現金しか使えないスーパーも、楽天ペイやau PAYなどのコード決済の導入と同時にネットスーパーに参入すると予想する。根拠は、経済産業省が進めるキャッシュレス決済比率の向上の目標達成と、現金取り扱いコスト高のため、「現金のみ」の看板を下ろさざるを得なくなり、新規出店の代わりに、EC分野への進出が不可欠になると思われるからだ。

ネットスーパーや飲食デリバリーサービスの商品代金に上乗せされる配送料・手数料や年会費などは、「時短(買い物・移動時間削減)」と「電車・バス代、自家用車のガソリン代や有料駐車場代」の対価となる。公共交通機関が充実した都市部の居住者以上に、公共交通機関の減便・廃止などのため、車の運転免許を返納すると「買い物難民」になりやすい地方・郊外の居住者は、ネットスーパー・飲食デリバリーを利用する費用対効果は高い。ネットスーパーの本格普及のきっかけとなるか、楽天全国スーパーの今後の動向に注目だ。(BCN・嵯峨野 芙美)