【記者のひとこと】高まる存在感

コラム

2021/12/14 10:00

 製品やサービスを強化する場合、いくつか選択肢があります。自社で開発を進めるケースや他社製品と連携することに加え、既に製品やサービスを提供しているITベンダーをM&Aによって子会社化する方法が考えられます。

 マネーフォワードは11月30日、人事労務領域を対象に社内向けAIチャットボットを提供するHiTTO(ヒット)の全株式を取得し、完全子会社化すると発表しました。取得額は新株予約権を含めて19億9900万円で、今月中の株式譲渡を予定しています。

 マネーフォワードは、2012年に設立し、クラウド会計の新興SaaSベンダーとして知られていました。これまでに個人事業主や中小企業のバックオフィス向けアプリケーションを提供し、最近は中堅企業向けの製品を拡充。今年は東証一部市場への市場変更を果たしています。

 同社の製品に対しては、これまでターゲットにしていなかった大企業からの引き合いも増えているそうです。今回の子会社化を機に、大企業を中心に顧客基盤のさらなる拡大を狙う方針で、業界内での存在感はますます高まりそうです。(齋藤秀平)

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マネーフォワード AIチャットボットのHiTTOを子会社化 大企業を中心に顧客基盤の拡大を狙う