2年目でもコロナ前より8倍売れた商品は? インテージ調査
インテージは12月8日、日用消費財の中で何がより売れたかを推定販売金額の伸びから振り返る「2021年、売れたものランキング」を発表した。新型コロナウイルスで生活が激変した2020年だが、その影響を引きずりつつも人々の行動変容により2021年は新たなトレンドが見えてきた。調査は、全国約6000店舗から収集している小売店販売データ「SRI+R(全国小売店パネル調査)」をもとに実施。2021年10月までのデータを使用し集計した。
2021年1~10月の日用消費財の金額前年比上位ランキング1位はオートミールで291%。コロナ前の2019年と比べると818%だった(図表1)。オートミールは、長引くコロナ禍で健康志向が高まる中、栄養素が豊富で低カロリーな食品として注目を集めた。主食として米のように食べたり、ハンバーグやデザートの材料に使うなど幅広い利用方法が紹介されるなど、今年を象徴する商品となった。
オートミールの性年代別購入率の推移(図表2)を見ると、2019年・2020年・2021年の各年1~10月の10カ月間で1回以上購入した割合を示す購入率が男女ともに急上昇。特に女性は2年前の約10倍に伸びており驚異的な結果となった。女性の年代別では、2020年は情報感度の高い15~29歳の購入率が大きい傾向が見られたが、2021年は30~49歳と50~64歳の中高年層の購入率が他の年代よりも拡大。幅広いメディアでダイエットや美容への効果が取り上げられたことなどが考えられる。
さらにオートミールのほかにも健康系食品・飲料の伸長が目立った。貧血予防や体力増強などがSNSで話題になり品薄状態がニュースにもなった麦芽飲料が2位(前年比182%)、美容やダイエットを期待する女性を中心に人気を得たプロテイン粉末が4位(131%)となった。麦芽飲料、プロテイン粉末ともに2019年と比べると市場規模は約2倍。店舗などでも目にする機会が格段に増えている。13位(112%)の栄養バランス食品もプロテインバーがとりわけ好調だった。
また、8位(117%)のノンアルコール飲料は、家でお酒を飲む機会が増える中、健康に気を使う層に受け入れられたようだ。11位(113%)のビール(発泡酒・新ジャンルを除く)は、酒税法改正による値下げ効果や、糖質ゼロ系の好調が見受けられた。
ほかにも、家にいる時間を楽しめるようにする商品の中で昨年に続き好調だったのが9位(116%)の冷凍水産。さまざまな料理にアレンジできる手軽さや保存のしやすさなどが好評だった。2019年比では176%となっており、市場規模を大きく伸ばしている。ランキング15位以内に入っていない商品でも、17位の入浴剤(108%)、23位の園芸用品(107%)だった。
新カテゴリーが10位以内に出現したことも注目される。5位(124%)の衣類用のしわ取り剤は、外出機会が昨年より増えたことに加え、除菌効果をうたった新商品も投入されたことでランクインした。7位(121%)の解熱鎮痛剤は、新型コロナウイルスのワクチン接種時の副反応対策として需要が拡大。今年の5月から65歳以上の高齢者へのワクチン接種が優先して進められたことで、65~79歳の解熱鎮痛剤の購入金は、前年比322%まで伸長した(図表3)。
めまいなどの症状を抑える薬である鎮暈剤は14位で前年比111%。酔い止めも含むこのカテゴリーは、旅行などが敬遠された2020年はコロナ前の約半分まで落ち込んでいたが、回復する傾向にある(図表4)。2019年と比べると6割程度だがプラスに転じたことは人々の行動変化の現れといえる。2021年10月に緊急事態宣言が解除されたことにより販売の伸びが見られ、15位(109%)のテーピングは外での運動機会が前年よりも増えた影響を受けたと推察される。12位(113%)の鼻炎治療剤は、昨年に比べて花粉が多かったことに加え、外出の機会が増えていることも要因としてあげられる。
また、昨年に落ち込んだ化粧品のうち、21位の眉目料と22位のクレンジングはそれぞれ107%となっており、コロナ前の水準までは回復していないものの下げ止まりの兆しが見られた。
2020年のランキングで上位に入っていたマスク、殺菌消毒剤、体温計、うがい薬などは、今年のランキング15位以内から姿を消した。しかし、これらは今も人々の生活の必需品であり、コロナ前と比べると大きく伸びている。プレミックスやホイップクリームなどに代表されるお菓子作りの材料についても、前年に急伸した反動で今年は前年割れとなったが、コロナ前の水準は上回っている。
「2021年、売れたものランキング」は健康系食品・飲料が上位
2021年1~10月の日用消費財の金額前年比上位ランキング1位はオートミールで291%。コロナ前の2019年と比べると818%だった(図表1)。オートミールは、長引くコロナ禍で健康志向が高まる中、栄養素が豊富で低カロリーな食品として注目を集めた。主食として米のように食べたり、ハンバーグやデザートの材料に使うなど幅広い利用方法が紹介されるなど、今年を象徴する商品となった。
オートミールの性年代別購入率の推移(図表2)を見ると、2019年・2020年・2021年の各年1~10月の10カ月間で1回以上購入した割合を示す購入率が男女ともに急上昇。特に女性は2年前の約10倍に伸びており驚異的な結果となった。女性の年代別では、2020年は情報感度の高い15~29歳の購入率が大きい傾向が見られたが、2021年は30~49歳と50~64歳の中高年層の購入率が他の年代よりも拡大。幅広いメディアでダイエットや美容への効果が取り上げられたことなどが考えられる。
さらにオートミールのほかにも健康系食品・飲料の伸長が目立った。貧血予防や体力増強などがSNSで話題になり品薄状態がニュースにもなった麦芽飲料が2位(前年比182%)、美容やダイエットを期待する女性を中心に人気を得たプロテイン粉末が4位(131%)となった。麦芽飲料、プロテイン粉末ともに2019年と比べると市場規模は約2倍。店舗などでも目にする機会が格段に増えている。13位(112%)の栄養バランス食品もプロテインバーがとりわけ好調だった。
また、8位(117%)のノンアルコール飲料は、家でお酒を飲む機会が増える中、健康に気を使う層に受け入れられたようだ。11位(113%)のビール(発泡酒・新ジャンルを除く)は、酒税法改正による値下げ効果や、糖質ゼロ系の好調が見受けられた。
家でのセルフケア関連、家にいる時間を楽しむ商品が好調
昨年から好調が続く玩具メーカー菓子は3位で、前年比137%と今年も伸長。『鬼滅の刃』などの複数のコンテンツが力強いこともあり好調を持続している。6位(122%)のヘアトリートメントや10位(115%)の血圧計など、家でのセルフケア関連商品もランクイン。以前より外出が難しくなったことで生まれた需要を取り込んでいる。ほかにも、家にいる時間を楽しめるようにする商品の中で昨年に続き好調だったのが9位(116%)の冷凍水産。さまざまな料理にアレンジできる手軽さや保存のしやすさなどが好評だった。2019年比では176%となっており、市場規模を大きく伸ばしている。ランキング15位以内に入っていない商品でも、17位の入浴剤(108%)、23位の園芸用品(107%)だった。
新カテゴリーが10位以内に出現
新カテゴリーが10位以内に出現したことも注目される。5位(124%)の衣類用のしわ取り剤は、外出機会が昨年より増えたことに加え、除菌効果をうたった新商品も投入されたことでランクインした。7位(121%)の解熱鎮痛剤は、新型コロナウイルスのワクチン接種時の副反応対策として需要が拡大。今年の5月から65歳以上の高齢者へのワクチン接種が優先して進められたことで、65~79歳の解熱鎮痛剤の購入金は、前年比322%まで伸長した(図表3)。
めまいなどの症状を抑える薬である鎮暈剤は14位で前年比111%。酔い止めも含むこのカテゴリーは、旅行などが敬遠された2020年はコロナ前の約半分まで落ち込んでいたが、回復する傾向にある(図表4)。2019年と比べると6割程度だがプラスに転じたことは人々の行動変化の現れといえる。2021年10月に緊急事態宣言が解除されたことにより販売の伸びが見られ、15位(109%)のテーピングは外での運動機会が前年よりも増えた影響を受けたと推察される。12位(113%)の鼻炎治療剤は、昨年に比べて花粉が多かったことに加え、外出の機会が増えていることも要因としてあげられる。
また、昨年に落ち込んだ化粧品のうち、21位の眉目料と22位のクレンジングはそれぞれ107%となっており、コロナ前の水準までは回復していないものの下げ止まりの兆しが見られた。
マスク、殺菌消毒剤などは15位以内から姿を消す
2020年のランキングで上位に入っていたマスク、殺菌消毒剤、体温計、うがい薬などは、今年のランキング15位以内から姿を消した。しかし、これらは今も人々の生活の必需品であり、コロナ前と比べると大きく伸びている。プレミックスやホイップクリームなどに代表されるお菓子作りの材料についても、前年に急伸した反動で今年は前年割れとなったが、コロナ前の水準は上回っている。