知らないと税負担増につながる「インボイス制度」とは?
【家電コンサルのお得な話・60】 「インボイス制度」という制度をご存じだろうか?インボイス制度とは令和5年10月1日から開始される、消費税の仕入税額控除の方式のこと。この制度が始まれば、消費税の納付で仕入税額控除を行うには「適格請求書(インボイス)」が必要になる。
現在、消費税の納付は課税売上高1000万円超の事業者になっており、1000万円以下の事業者は預かった消費税を納付する必要はなく、自分の利益にできる(これを益税という)。
例えば、課税売上高800万円の飲食店なら免税事業者となり、今現在、お客様から預かった消費税は自分の利益になっているということだ。
インボイス制度が始まった場合、この状態では、適格請求書発行事業者にはなれず、適格請求書は発行できない。適格請求書が発行できなければ、店の利用者は消費税の納付で仕入税額控除を行うことができず、結果として、その店で支払った消費税分を利用者が納付する形になるということである。
こうなれば、企業などの利用者側から「この店で接待や商談をしても、消費税の納付で仕入税額控除が受けられないから違う店にしよう」という判断をされ、店は今までのお得意様を失う可能性が高くなる。
この不都合を解消するには、免税事業者から「課税事業者」になり、登録申請書を提出し、適格請求書発行事業者にならねばならない。つまり、課税売上高1000万円以下の事業者でも消費税を納付する必要が生じるということである。
ここでは飲食店を例にしたが、飲食店に限らず、免税事業者全てが当てはまるため、企業相手の商売が多い事業者は注意するとともに、「消費税納付」という厳しい状況が待ち受けているといえるだろう。
この適格請求書発行事業者の登録受付(登録は任意)が、この10月1日から始まっており、インボイス制度開始時から登録を受けようと思う課税事業者・免税事業者は令和5年3月31日までに登録申請書を提出する必要がある。
まだ期間に余裕があるため、この記事を機会に登録の必要性や経営改善について十分に考えていただければと思う。さっそく国税庁のインボイス制度のHPで確認してほしい。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)
■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。
1000万円以下の免税事業者の税負担増に直結
適格請求書(インボイス)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この適格請求書発行事業者になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要がある。税負担増に直結する免税事業者も多いため、この制度の要点のみを簡単に説明したい。現在、消費税の納付は課税売上高1000万円超の事業者になっており、1000万円以下の事業者は預かった消費税を納付する必要はなく、自分の利益にできる(これを益税という)。
例えば、課税売上高800万円の飲食店なら免税事業者となり、今現在、お客様から預かった消費税は自分の利益になっているということだ。
インボイス制度が始まった場合、この状態では、適格請求書発行事業者にはなれず、適格請求書は発行できない。適格請求書が発行できなければ、店の利用者は消費税の納付で仕入税額控除を行うことができず、結果として、その店で支払った消費税分を利用者が納付する形になるということである。
こうなれば、企業などの利用者側から「この店で接待や商談をしても、消費税の納付で仕入税額控除が受けられないから違う店にしよう」という判断をされ、店は今までのお得意様を失う可能性が高くなる。
この不都合を解消するには、免税事業者から「課税事業者」になり、登録申請書を提出し、適格請求書発行事業者にならねばならない。つまり、課税売上高1000万円以下の事業者でも消費税を納付する必要が生じるということである。
ここでは飲食店を例にしたが、飲食店に限らず、免税事業者全てが当てはまるため、企業相手の商売が多い事業者は注意するとともに、「消費税納付」という厳しい状況が待ち受けているといえるだろう。
この適格請求書発行事業者の登録受付(登録は任意)が、この10月1日から始まっており、インボイス制度開始時から登録を受けようと思う課税事業者・免税事業者は令和5年3月31日までに登録申請書を提出する必要がある。
まだ期間に余裕があるため、この記事を機会に登録の必要性や経営改善について十分に考えていただければと思う。さっそく国税庁のインボイス制度のHPで確認してほしい。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)
■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。