生まれつきの感音性難聴というハンディキャップをもちながら、明るく前向きなキャラクターでブレイク中の我妻ゆりかさん。“補聴器をつけた天使”と呼ばれている彼女の姿を見て、難聴や補聴器について関心をもったという人もいるだろう。BCNでは7月に我妻さんにインタビューを行い、現在に至るまでの難聴と補聴器との付き合い方について話を聞いた。今回はそのなかで「自分にとって欠かせない存在」と語られた“音楽”にフォーカスし、次世代補聴器のもたらす新しい音楽の楽しみ方を体験してもらった。
「昔は音楽を聴くときに、補聴器を外してイヤホンで聞くか、スマートフォンなどの再生している機器から直接聞くかしていました。ただその方法だとどうしても聞こえづらさがあり、特にテンポの速い曲はなかなか楽しむことができなかったです」。音楽を楽しむシーンも限られた。「音を大きくする必要があるので、電車の中などの他の人がいる場所では聞けないし、耳にも負担がかかっていたと思います」と我妻さんは振り返る。
音楽は好きだけど楽しむのが難しい……そんな我妻さんの悩みを解消してくれたのが、次世代補聴器の登場だ。現在、彼女が使っているオーティコン補聴器の「オーティコン モア」はBluetooth接続機能を搭載しており、スマホなどと連携することで直接音楽を補聴器から流すことができるようになった。
「補聴器を外す必要がないので音もしっかり聞こえるし、場所も気にせず楽しめるようになりました。あと、音楽だけでなくて周りの音もきちんと聞こえるので助かっています」と我妻さん。補聴器ユーザーにとって周囲の音が聞こえないというのは自身の安全にも関わってくるので、それが確保されているというのは健聴者が考える以上に重要なことだ。
楽しむジャンルの幅も広がった。「これまでは何を言っているか分からないやーと避けていたんですが、洋楽も聞くようになりました。いまハマっているのは、アイドルグループの「ババババンビ」。アップテンポで明るい曲が多いのですが、いまの補聴器のおかげで存分に楽しめています。昔の補聴器には絶対に戻れないですね(笑)」。
補聴器はそもそも人との会話を聞くことに特化して設計されているものだ。Bluetooth接続機能によって音楽を聞くスタイルはぐっと広がったが、音楽のもつ広い周波数帯での強弱、繊細な音の変化などの処理は難しかった。こうした問題を踏まえ、Oticon MyMusicは高度な音響環境で採用されている手法などを用いて、音楽に特化したプログラムを組み上げた。
音の聞こえ方にはどのような違いがあるのか。我妻さんに試してもらい、感想を聞いてみた。まずはいつも通りにオーティコン モアで音楽を聞いてもらう。アップテンポなナンバーに我妻さんもノリノリ。その様子からも音に対する満足度が伝わってくる。
続いて、補聴器のモードをOticon MyMusicに切り替えて、再度同じ曲を聞いてもらう。音を流し始めてすぐに、我妻さんの顔には驚きの表情が浮かぶ。具体的にどのような違いがあったのか。「これまでの音楽の聞こえ方にも十分満足していましたが、Oticon MyMusicで聞く音楽はまるで映画館にいるみたいです。臨場感があって、感動しました!」。
Oticon MyMusicはBluetooth接続機能によるスマートフォンからの再生だけでなく、スピーカーから流れてくる音楽を視聴する際にも有効だ。こちらでも従来の聞き方と比較してもらったが、同様に“臨場感”が際立っていたようだ。我妻さんがMyMusicを体験する様子はオーティコン公式YouTubeでも公開されている(https://youtu.be/YPMCOH-iyy4)。
当日は我妻さんも会場でコンサートを鑑賞する予定。「クラシックコンサートに参加するのは今回が初めてでわくわくしています! 補聴器ユーザーが音楽を楽しむための工夫も多くあると聞いているので、それも楽しみです!」と今から待ちきれない様子だ。
会場での参加は完全招待制で応募者の中から抽選で選ばれる。申し込み締め切りは10月17日まで。一方、オンライン配信は誰でも参加可能となっている。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の前コンサートマスターであるダニエル・ゲーデ氏率いる「メランデ・ピアノ三重奏団」による、上質なクラシック音楽を無料で楽しめるまたとない機会なので、気になる方はぜひチェックしてみてほしい。(BCN・大蔵大輔)
かつては音楽を純粋に楽しめないもどかしさも
読者のなかには「そもそも補聴器で音楽を楽しむことができるの?」という疑問をもつ人も多いかもしれない。実際、そうした状況が生まれたのはここ最近のことだ。我妻さんも小さいときは音楽を純粋に楽しむことができないことにもどかしさを感じることもあったという。「昔は音楽を聴くときに、補聴器を外してイヤホンで聞くか、スマートフォンなどの再生している機器から直接聞くかしていました。ただその方法だとどうしても聞こえづらさがあり、特にテンポの速い曲はなかなか楽しむことができなかったです」。音楽を楽しむシーンも限られた。「音を大きくする必要があるので、電車の中などの他の人がいる場所では聞けないし、耳にも負担がかかっていたと思います」と我妻さんは振り返る。
音楽は好きだけど楽しむのが難しい……そんな我妻さんの悩みを解消してくれたのが、次世代補聴器の登場だ。現在、彼女が使っているオーティコン補聴器の「オーティコン モア」はBluetooth接続機能を搭載しており、スマホなどと連携することで直接音楽を補聴器から流すことができるようになった。
「補聴器を外す必要がないので音もしっかり聞こえるし、場所も気にせず楽しめるようになりました。あと、音楽だけでなくて周りの音もきちんと聞こえるので助かっています」と我妻さん。補聴器ユーザーにとって周囲の音が聞こえないというのは自身の安全にも関わってくるので、それが確保されているというのは健聴者が考える以上に重要なことだ。
楽しむジャンルの幅も広がった。「これまでは何を言っているか分からないやーと避けていたんですが、洋楽も聞くようになりました。いまハマっているのは、アイドルグループの「ババババンビ」。アップテンポで明るい曲が多いのですが、いまの補聴器のおかげで存分に楽しめています。昔の補聴器には絶対に戻れないですね(笑)」。
音楽に特化した新プログラムが登場 これまでとどう違う?
我妻さんをはじめ、多くの難聴者に音楽との新しい関係性をもたらした次世代補聴器「オーティコン モア」は、9月にさらに音楽を深く楽しむためのアップデートを行った。それが音楽プログラム「Oticon MyMusic(オーティコン マイミュージック)」だ。オーティコン モアはスマホアプリからシーンに応じたモードを切り替えることができ、今回の音楽プログラムはそのモードの一つとして提供される(※販売店の専用フィッティングソフトによる事前設定が必要)。補聴器はそもそも人との会話を聞くことに特化して設計されているものだ。Bluetooth接続機能によって音楽を聞くスタイルはぐっと広がったが、音楽のもつ広い周波数帯での強弱、繊細な音の変化などの処理は難しかった。こうした問題を踏まえ、Oticon MyMusicは高度な音響環境で採用されている手法などを用いて、音楽に特化したプログラムを組み上げた。
音の聞こえ方にはどのような違いがあるのか。我妻さんに試してもらい、感想を聞いてみた。まずはいつも通りにオーティコン モアで音楽を聞いてもらう。アップテンポなナンバーに我妻さんもノリノリ。その様子からも音に対する満足度が伝わってくる。
続いて、補聴器のモードをOticon MyMusicに切り替えて、再度同じ曲を聞いてもらう。音を流し始めてすぐに、我妻さんの顔には驚きの表情が浮かぶ。具体的にどのような違いがあったのか。「これまでの音楽の聞こえ方にも十分満足していましたが、Oticon MyMusicで聞く音楽はまるで映画館にいるみたいです。臨場感があって、感動しました!」。
Oticon MyMusicはBluetooth接続機能によるスマートフォンからの再生だけでなく、スピーカーから流れてくる音楽を視聴する際にも有効だ。こちらでも従来の聞き方と比較してもらったが、同様に“臨場感”が際立っていたようだ。我妻さんがMyMusicを体験する様子はオーティコン公式YouTubeでも公開されている(https://youtu.be/YPMCOH-iyy4)。
「オーティコンみみともチャリティーコンサート2021」開催決定!
オーティコン補聴器の音楽に対するアプローチは新しいプログラム以外にもある。それが11月5日に開催される「オーティコンみみともチャリティーコンサート2021」だ。補聴器ユーザーにコンサート会場で音楽を「気兼ねなく」楽しんでほしいという想いで2014年から開催しており、今年はリアルとオンラインのハイブリッド開催を予定している。当日は我妻さんも会場でコンサートを鑑賞する予定。「クラシックコンサートに参加するのは今回が初めてでわくわくしています! 補聴器ユーザーが音楽を楽しむための工夫も多くあると聞いているので、それも楽しみです!」と今から待ちきれない様子だ。
会場での参加は完全招待制で応募者の中から抽選で選ばれる。申し込み締め切りは10月17日まで。一方、オンライン配信は誰でも参加可能となっている。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の前コンサートマスターであるダニエル・ゲーデ氏率いる「メランデ・ピアノ三重奏団」による、上質なクラシック音楽を無料で楽しめるまたとない機会なので、気になる方はぜひチェックしてみてほしい。(BCN・大蔵大輔)