• ホーム
  • トレンド
  • スマホ決済の加盟店手数料が“有料化”、主要4サービスの実質0円キャンペーンまとめ

スマホ決済の加盟店手数料が“有料化”、主要4サービスの実質0円キャンペーンまとめ

 消費者の間でも認知度が高まってきたコードなどによるスマホ決済。現金の受け渡しが不要であり、便利さと新型コロナウイルスを意識した清潔さがメリットといえる。しかしそういったメリットがあるからこそ、スマホ決済の利用には手数料がかかる。これまでは無料で展開してきたが、10月からは各社とも有料化。それともない加盟店離れ、あるいは新規加盟店拡大の極端な鈍化が起きないよう、手数料0円キャンペーンを展開し始めた。

決済手数料の有料化にあわせて実質0円キャンペーンを展開するスマホ決済各社

すでにSuicaなどの交通系電子マネーを超えたスマホ決済

 コード決済に代表されるスマホ決済は広がりを見せている。MMD研究所の2021年1月における調査によると、普段使用する支払い方法は「現金」が90.8%、「クレジットカード」が73.3%、そして「スマホ決済」が41.2%となっている(複数回答)。スマホ決済の割合は5割に近づいており、かなり一般化したといえるだろう。

 他方、「交通系電子マネー」の割合は28.5%。スマホ決済を下回る結果となった。これまではスマホによるキャッシュレス決済といえばSuicaなどが主流であったが、状況は変わってきている。

 消費者の利用が最も多いコード決済サービスについては、PayPayが43.1%で首位、2位のd払いが18.2%、3位の楽天Payが15.4%、4位のau PAYが12.1%となっている。

スマホ決済サービス提供各社の手数料0円キャンペーン

 このようにすでに消費者に受け入れられているスマホ決済サービスは、対応やキャンペーンをきっかけとして来店する客を生み出すこともある。しかしながら、導入する店舗としては、現金に比べてスマホ決済サービスは手数料がかかるのが加盟へのボトルネックになりえる。そこで決済サービス各社が取り組んでいるのが、手数料0円キャンペーンだ。

PayPay

 コード決済サービスシェア首位のPayPayも2021年10月1日以降、手数料を有料化するサービスの一つだ。決済システム利用料は1.60%、月額1980円のPayPayマイストア ライトプランに加入しない場合は1.98%だ。
 
知名度の高いPayPay

 その代わり、PayPayで決済された総額の3%を還元するキャンペーンがおこなわれている。10月19日まで申し込めば最大5カ月間、月に最大100万円まで還元される。決済の度にお得になるので、うまく利用することで実質0円を実現できる。

d払い

 携帯電話キャリアのNTTドコモのサービスであるd払いは、2020 年度「JCSI(日本版顧客満足度指数:Japanese Customer Satisfaction Index)」第3回調査キャッシュレス決済業種において、「顧客満足」「顧客期待(企業ブランドへの期待)」「知覚価値(コスト・パフォーマンス)」「ロイヤルティ」の四つの指標でNo.1を獲得したコード決済サービス。
 
多角的に評価されているd払い

 新規で申し込んだ加盟店に対し、2022年9月30日まで決済手数料を0円にするキャンペーンを実施している。21年9月以降に申し込めば、通常は2.6%の決済手数料が無料となる。なお、メルペイが提供する「d払い」と「メルペイ」の共通コードでの「d払い」の取引が対象となっている。

楽天ペイ

 楽天ペイは、年商10億円以下の加盟店を対象に、22年9月30日分まで、振込手数料と同額をキャッシュバックするキャンペーンを実施している。カードリーダーをプレゼントするキャンペーンも行っており、条件が揃えば導入費用を抑えられそうだ。
 
実質0円の楽天ペイ

 また、楽天ペイユーザーを対象に、毎月の支払い額が抽選で全額還元されるキャンペーンなどがあるほか、MMD研究所の調査で今後利用を検討しているコード決済サービスの2位になっていることから、今後の利用者の増加おm期待できそうだ。

au PAY

 「J.D. パワー 2021年 コード・バーコード決済サービス顧客満足度調査(SM)」で第1位を受賞し、特に「セキュリティ/不正利用防止」の評価項目において最高評価を受賞したコード決済サービスがau PAYだ。
 
顧客満足度の高いau PAY

 auPayは2021年8月30日に、自然災害や新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けている加盟店を応援する目的で、決済手数料0円キャンペーン期間の延長を発表した。新たなキャンペーン期間は2022年9月30日までとなっており、しばらく無料で使うことができる。

決済手数料、実質0円

 コード決済はまだまだシェア争いが激しく、各社とも決済手数料0円をはじめとするさまざまなキャンペーンを実施している。事業者としては、今がコード決済を導入するチャンスといえるかもしれない。ただ、決済手数料以外にも違いはあるので、導入を検討している店舗はニーズにあわせてサービスを選びたい。(ライター・ハウザー)