補聴器の世界を気軽に体験! コンセプトストアの仕掛け
実は特定の補聴器ブランドを全面に打ち出したコンセプトストアというのはとても珍しい。一般的には補聴器専門店でスタッフとカウンセリングしていて、どのようなブランドがあるのか知るという場合がほとんどだろう。フィリップス補聴器コンセプトストアは「ヒヤリングストア マルイシティ横浜店」に併設されている。まずは補聴器がどんなものか知りたいという人であればコンセプトストアを訪問するとよいだろう。もちろん双方は連携しており、ヒヤリングストアでフィリップスに興味を持った人がコンセプトストアを訪問することも可能だし、コンセプトストアでフィリップス補聴器についてより詳しく知りたいというときはヒヤリングストアのスタッフが対応する仕組みになっている。ヒヤリングストアはカウンセリングからフィッティング、購入後のアフターケアまで一貫してサポートしており、補聴器に関する全てが完結するのも魅力だ。
コンセプトストアのユニークな仕掛けが入口をくぐってすぐの場所に設置されている「体験コーナー」だ。人の頭部の模型に補聴器が装着されており、その脇にヘッドホンが備わっている。ここでは補聴器を装着すると、実際にどのような音になるのか、ということを体感することができる。ヘッドホンは2機あるので、親子で来店して試すということも可能だ。
フィリップス補聴器はアプリ経由で、音量やモードを切り替えて、個人にカスタマイズ可能という特徴ももっている。体験コーナーでは、このアプリによる操作を自分で行うことで「便利そうだが自分には難しいかも」という不安を取り払うことができる。さらにテレビの音声を直接補聴器に届ける外部機器との連携も同様に体験可能だ。
オープンな店舗で新規顧客にアプローチ
今回、取材に際してフィリップス補聴器の武田和浩セールスマネージャーとヒヤリングストアマルイシティ横浜店の山本雅哉店長に話を聞くことができたので、店舗の狙いや期待について聞いてみた。武田氏は「フィリップスの補聴器は発売以来、ユーザーの方に非常にポジティブに受け止められている。ブランド認知の高さから店舗で指名買いするケースも増えている」と販売動向を説明する。なかでも目立つのが、比較的若い世代の補聴器ユーザーからの関心の高さだ。デマント・ジャパンは、日本における補聴器装用率を高めたいという目標を持っているが、そのために早い段階から補聴器の必要性を感じてもらうことは欠かせない。フィリップス補聴器はまさに当初の狙い通りにブランド力を武器に幅広い世代に響いているようだ。
ヒヤリングストアがフィリップス補聴器とコラボレーションする理由も、日本の補聴器市場にデマント・ジャパンと同じ課題を感じているからだ。山本店長は「以前から補聴器の装用人口を増やすために、特定のブランドを打ち出したコンセプトストアを作ることができないか模索していた。多くの人に名前を知っていただいているフィリップスならば幅広い年代の方に訴求できるのではないかと期待している」と語る。
デパートの店内という出店形態も新規顧客を増やすための武器になるという。「独立した補聴器専門店は中の様子がうかがえず、入店するのに勇気がいるという方も多い。デパート内の店舗であればオープンで通りすがりでも雰囲気が分かりやすい。また駅から近く、家族で待ち合わせて店舗を訪問するというパターンも考えられる」(山本店長)。
営業時間の長さも魅力だ。独立した専門店は夕方の17時や18時で閉店という店舗も多いが、ヒヤリングストア マルイシティ横浜店はデパートに合わせて20時30分まで(緊急事態宣言下の現在は20時)。仕事帰りのビジネスパーソンでも無理なく来店できる。10月22日まではオープン記念で全てのフィリップス補聴器が10%OFFになるセールも開催しているので、関心がある人は気軽な気持ちで店舗をのぞいてみてほしい。(BCN・大蔵大輔)