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「マイナンバーカードの健康保険証としての利用」で生活が変わる 医療が身近に

時事ネタ

2021/09/07 19:00

 マイナンバーカードの健康保険証としての利用は、2021年10月までに本格運用が始まる予定。すでに稼働準備が整った一部の医療機関・薬局でプレ運用がスタートしている。また、厚生労働省 データヘルス改革推進本部は、今年6月までに計8回の会合を開催し、21年6月4日開催の第8回の配布資料は誰でも閲覧可能だ。この第8回 配布資料「データヘルス改革に関する工程表」「参考資料」から、記者が医療分野を中心に気になった点を紹介する。
 

マイナンバーカードの健康保険証としての利用は、2021年10月に本格運用開始予定

「マイナポータル」で医療が身近に

 ざっくりまとめると、マイナンバーを利用したデータヘルス改革で「医療」や「介護」がより身近になる。具体的には、マイナポータルからマイナンバーカードを健康保険証として利用できるよう本人自身で申し込むことで、医療機関の医師が過去や他の病院での治療内容、健診結果、予防接種の履歴(17年6月以降の定期接種のみ、今後は新型コロナワクチンも追加予定)を確認できるようになり、より適切な治療が可能になると見込まれる。
 
データヘルス改革で変わること(対応病院の場合)

 利用者は、マイナンバーカード活用サイト「マイナポータル」経由で薬剤や特定健診の情報、医療費などを確認できるようになり、健康管理に役立つ。特に最近出産した母親と出生した子は、妊婦検診・乳幼児健診、定期接種の予防接種の情報がマイナポータルで確認できるため(妊婦検診・乳幼児健診は20年6月以降)、マイナンバーカードの健康保険証としての利用を申し込むメリットは大きい。
 
データヘルス改革で変わること(薬局や介護現場、プライベートなど)

 さらに、マイナンバーカードの健康保険証としての利用を申し込むと、他の医療機関で処方された薬を薬剤師が把握できるため、飲み合わせなど、より丁寧な服薬指導を受けられる見込みという。仮に医療機関がマイナンバーカード非対応でも、薬局がマイナンバーカード対応なら、データヘルス改革の恩恵を受けられる。
 
各項目の今後の開始予定時期と、データ利活用イメージ

 薬剤情報(レセプトに基づく処方・調剤情報)、特定健診は21年10月~、電子処方箋、医療機関名や手術・透析などの情報は22年夏~、事業主健診は23年度中、学校健診は全国の学校で24年度中、告知された病名、検査結果やアレルギーの情報、レントゲン等の検査画像、介護の情報は24年度~、それぞれマイナポータルで確認が可能になる予定。

 予定通りに実装されると便利になる反面、もし、5年前倒しでデータヘルス改革がスタートし、20年3月末時点で各項目が完了していたら、新型コロナウイルス感染症対策は、今とは全く別の内容になっていたかもしれないと悔やまれる。

 なお、9月16日開催の「第1回デジタル社会推進会議」では、当面のデジタル改革の主な項目に一つとして、「マイナンバーカードの健康保険証としての利用の推進」を挙げている。
 
暮らしのデジタル化に向けた取り組み(9月6日開催 第1回デジタル社会推進会議 資料より)

 マイナポータルは今年6月のリニューアルで大幅に見やすく、分かりやすくなった。去年感じた、ログイン時などに求められるNFC対応スマートフォンでのマイナンバーカードの読み取り精度の低さも改善した。マイナンバーカードを保有している人は、スマートフォン向け「マイナポータル」アプリをダウンロードしてマイナポータルにアクセスしてみよう。(BCN・嵯峨野 芙美)