コロナ倒産件数が全国2000件を突破、第1号から555日 TDB調べ
帝国データバンク(TDB)は9月3日、新型コロナウイルスの影響を受けた倒産が9月3日正午までに全国で2000件に達したと発表した。2000件の負債総額は6206億2400万円で、業種別では「居酒屋」「バー、ナイトクラブ」などを含む飲食店が336件で最多だった。
なお「新型コロナウイルス関連倒産」とは、新型コロナウイルスが倒産の要因(主因または一要因)となったことを事業者または代理人(弁護士)が認め、法的整理または事業停止(弁護士に事後処理を一任)となったケースが対象。個人事業主および負債1000万円未満の倒産もカウントの対象としている。
発生時期別でみると、年別では2020年が845件、2021年が1155件。月別では2021年7月が179件、2021年3月が175件、2021年4月が162件の順で多かった。昨年秋の感染第3波や年明けの緊急事態宣言とその延長などの影響を受けて、2021年3月以降の増加が顕著。同月以降の倒産が全件の46.2%(924件)を占めた。2021年8月には110件となったが、月末から月はじめにかけて発生・判明する案件が集中するため、同社では今後は短期間のうちに160件程度まで一気に増加する可能性が高いとみている。
都道府県別では東京が442件と最も多く、続いて大阪が217件、神奈川が113件、兵庫が90件、愛知が85件。東京と大阪で全件の33.0%、1都3県では32.5%を占めた。また、区市町村別では東京都渋谷区が62件で最も多く、同港区が43件、同中央区が37件、同千代田区が34件、大阪市中央区が29件と続き、都市部に集中していることがわかる。
次に多いのは建設・工事業で203件。倒産件数が上位の飲食店、ホテル・旅館、アパレルショップなどの店舗・施設の建設、リニューアル、維持などに不可欠なことから連動性が高く、感染拡大に伴う店舗・施設の休業、閉鎖、倒産などによって受注が大きく減少。その影響が昨年末以降、倒産という形で表面化している。さらに近時は、ウッドショックの影響もあり、収益確保が厳しい環境に置かれている事業者が増えていることも背景にあるとみられる。
ホテル・旅館、旅行代理店、観光バス、レンタカー、土産物店などを含めた観光関連事業者の倒産は199件、アミューズメント施設、カラオケボックス、ゴルフ場、フィットネスクラブなどの娯楽関連事業者の倒産は63件だった。
このほか、コロナ禍ならではの倒産も散見される。鉄道の忘れ物を仕入れて販売していた会社、病院でクラスターが発生したことで業務斡旋が受けられなくった葬儀業者、学校給食用の食材販売会社、学生寮の運営会社など。居酒屋の営業自粛の影響を受けた運転代行業者や、リモートワークの増加で顧客が減少した靴磨き業者も破産を申請している。
時間の経過とともに発生ペースが加速
新型コロナウイルス関連倒産の第1号が確認されたのは2020年2月26日。以後、確認ベースでの累計件数は9月8日に500件、2021年2月5日に1000件、5月26日に1500件と推移し、第1号確認から555日後の9月3日に2000件目を確認した。増加に要した日数は500件から1000件が150日、1000件から1500件が110日で、1500件から2000件は100日。また100件ごとの増加に要した日数は1900件から2000件までが最短の16日となり、時間の経過とともに発生ペースが加速している。なお「新型コロナウイルス関連倒産」とは、新型コロナウイルスが倒産の要因(主因または一要因)となったことを事業者または代理人(弁護士)が認め、法的整理または事業停止(弁護士に事後処理を一任)となったケースが対象。個人事業主および負債1000万円未満の倒産もカウントの対象としている。
月別では2021年7月が最多
発生時期別でみると、年別では2020年が845件、2021年が1155件。月別では2021年7月が179件、2021年3月が175件、2021年4月が162件の順で多かった。昨年秋の感染第3波や年明けの緊急事態宣言とその延長などの影響を受けて、2021年3月以降の増加が顕著。同月以降の倒産が全件の46.2%(924件)を占めた。2021年8月には110件となったが、月末から月はじめにかけて発生・判明する案件が集中するため、同社では今後は短期間のうちに160件程度まで一気に増加する可能性が高いとみている。
東京と大阪で全件の3分の1
都道府県別では東京が442件と最も多く、続いて大阪が217件、神奈川が113件、兵庫が90件、愛知が85件。東京と大阪で全件の33.0%、1都3県では32.5%を占めた。また、区市町村別では東京都渋谷区が62件で最も多く、同港区が43件、同中央区が37件、同千代田区が34件、大阪市中央区が29件と続き、都市部に集中していることがわかる。
業種別では飲食店が最多
業種別では飲食店が336件で最多。全倒産2000件に占める構成比は16.8%だった。336件のうち、居酒屋が91件、バー・ナイトクラブが18件となっており、酒類提供をメインとする両業態が飲食店全体の3分の1(32.4%)を占めた。次に多いのは建設・工事業で203件。倒産件数が上位の飲食店、ホテル・旅館、アパレルショップなどの店舗・施設の建設、リニューアル、維持などに不可欠なことから連動性が高く、感染拡大に伴う店舗・施設の休業、閉鎖、倒産などによって受注が大きく減少。その影響が昨年末以降、倒産という形で表面化している。さらに近時は、ウッドショックの影響もあり、収益確保が厳しい環境に置かれている事業者が増えていることも背景にあるとみられる。
ホテル・旅館、旅行代理店、観光バス、レンタカー、土産物店などを含めた観光関連事業者の倒産は199件、アミューズメント施設、カラオケボックス、ゴルフ場、フィットネスクラブなどの娯楽関連事業者の倒産は63件だった。
このほか、コロナ禍ならではの倒産も散見される。鉄道の忘れ物を仕入れて販売していた会社、病院でクラスターが発生したことで業務斡旋が受けられなくった葬儀業者、学校給食用の食材販売会社、学生寮の運営会社など。居酒屋の営業自粛の影響を受けた運転代行業者や、リモートワークの増加で顧客が減少した靴磨き業者も破産を申請している。