経済産業省が事業者を対象に実施し、2021年6月に公表した「キャッシュレス決済 実態調査アンケート」によると、対象のキャッシュレス決済サービスのうち、交通系電子マネーは、関東地方では相対的に導入率が高い一方、中国・四国地方では低かった。ただ、関東地方でも導入率は32.7%にとどまり、60.8%のクレジットカードとの開きは大きい。非交通系電子マネーに至っては28.6%と3割を切る。
非交通系電子マネー、非交通系電子マネーの多くは、プリペイド方式のため、事前チャージが必要(後払い・即時決済方式の場合は不要)。利用者の事前準備の手間と事業者が支払う手数料の問題から、カード型またはスマートフォンによる電子マネーは、今後も主流になる可能性は低そうだ。
https://www.bcnretail.com/market/detail/20210811_237219.html
4区分によるキャッシュレス決済の導入率はクレジットカード55%、交通系電子マネー25%、非交通系電子マネー25%、コード決済55%。回答した事業者全体では、キャッシュレス導入率は72%、未導入率は28%だった。
交通系電子マネーとはSuicaやPASMO、非交通系電子マネーはiDやQUICPay、nanaco、楽天Edyなどを指す。地域別でみると、交通機関が発達している関東地方では交通系電子マネーの導入率はやや高く、対して、中国・四国地方では低かった。
また、交通系電子マネーは、売上別での導入状況には特段大きな偏差はないが、業種別では、飲食業、小売業(食品を除く)で導入率が相対的に高い一方で、一次産業、製造業、建設業などではほとんど導入が進んでいない。この傾向から、交通系電子マネーは、BtoCの業種以外にはニーズの低い決済手段といえるだろう。
非交通系電子マネーも傾向は変わらず、業種別でみると、飲食業は相対的に導入率が高かった。飲食店だけ抜き出すと、導入率はコード決済(68.4%)、クレジットカード(58.3%)、交通系電子マネー(33.2%)、非交通系電子マネー(32.8%)の順。手数料に関する調査結果と照らし合わせると、キャンペーン実施により足下では手数料0%台の割合が高いコード決済に流れる理由は明白だ。メルペイやLINE Pay、TOYOTA Walletのように、電子マネー(Apple Pay/Google Pay)とコード決済の残高を共有するウォレットサービスが増える理由も、今回の調査結果で明らかになった手数料分布の歪みにあると考えられる。(BCN・嵯峨野 芙美)
非交通系電子マネー、非交通系電子マネーの多くは、プリペイド方式のため、事前チャージが必要(後払い・即時決済方式の場合は不要)。利用者の事前準備の手間と事業者が支払う手数料の問題から、カード型またはスマートフォンによる電子マネーは、今後も主流になる可能性は低そうだ。
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2021キャッシュレス決済 実態調査 キャッシュレス導入率は約7割https://www.bcnretail.com/market/detail/20210811_237219.html
飲食店ですら導入率3割を割る電子マネー
この調査の対象となるキャッシュレス決済は、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、電子マネー、コード決済などのカード・携帯電話・スマートフォンによる支払い。導入状況については、クレジットカード、交通系電子マネー、非交通系電子マネー、コード決済の4つに分けている。アンケート回答数は1189件、調査時期は21年1月27日~3月31日。4区分によるキャッシュレス決済の導入率はクレジットカード55%、交通系電子マネー25%、非交通系電子マネー25%、コード決済55%。回答した事業者全体では、キャッシュレス導入率は72%、未導入率は28%だった。
交通系電子マネーとはSuicaやPASMO、非交通系電子マネーはiDやQUICPay、nanaco、楽天Edyなどを指す。地域別でみると、交通機関が発達している関東地方では交通系電子マネーの導入率はやや高く、対して、中国・四国地方では低かった。
また、交通系電子マネーは、売上別での導入状況には特段大きな偏差はないが、業種別では、飲食業、小売業(食品を除く)で導入率が相対的に高い一方で、一次産業、製造業、建設業などではほとんど導入が進んでいない。この傾向から、交通系電子マネーは、BtoCの業種以外にはニーズの低い決済手段といえるだろう。
非交通系電子マネーも傾向は変わらず、業種別でみると、飲食業は相対的に導入率が高かった。飲食店だけ抜き出すと、導入率はコード決済(68.4%)、クレジットカード(58.3%)、交通系電子マネー(33.2%)、非交通系電子マネー(32.8%)の順。手数料に関する調査結果と照らし合わせると、キャンペーン実施により足下では手数料0%台の割合が高いコード決済に流れる理由は明白だ。メルペイやLINE Pay、TOYOTA Walletのように、電子マネー(Apple Pay/Google Pay)とコード決済の残高を共有するウォレットサービスが増える理由も、今回の調査結果で明らかになった手数料分布の歪みにあると考えられる。(BCN・嵯峨野 芙美)