東京・池袋駅東口のビックカメラ池袋本店が7月30日にリニューアルした。巣ごもり需要で好調な家電売り場を2フロアから3.5フロアに拡張したことで、まるで郊外店のようなゆとりのある店舗に生まれ変わった。女性店員たちのアイデアが散りばめられたビューティー家電や調理家電コーナーは、躍動感にあふれ、楽しさが伝わる売り場になっている。
ビックカメラ池袋本店のリニューアルでは、家電売り場が4~6階まで広がった。4階はエアコン、扇風機、空気清浄機、ビューティー家電など、5階は冷蔵庫、洗濯機、掃除機、アイロン、ミシンなど、6階はキッチン家電のほかリフォームや寝具などを展示している。
新しい店舗に足を運べば一目瞭然、売り場からワクワク感が伝わってくる。例えば、ビューティー家電コーナーのエンド展示では、「美ックカメラ」という手書きPOPが目に入る。肌の質感を測定できる最新美容家電の体験会も開催され、美顔器や洗顔ブラシと一緒に展示する。
商品の展示台の下は、家電量販店であまり見かけない黒板になっていて、そこに手書きの文字やイラストが自由に描ける仕組みになっている。これがコーナーの賑わいや親しみを演出するのだ。
ビックカメラ池袋本店の桑原龍邦店長は、「女性を中心に売り場づくりをイチから見直した。売り場の演出はすべて女性店員に任せている」と語り、コーナー担当者の発想やアイデアを存分に反映できるようにしたという。
展示台の下の黒板は、チョークで来店客の衣服が汚れないよう、表面には薄いビニールを貼るなどの配慮もみられる。
売り場ではこうした女性店員たちのアイデアを至ることろで発見することができる。例えば、コロナ禍で自分自身をケアする時間が増えたことで、「セルフエステ」コーナーと題してアイケアやヘアケア、ボディケア、フェイスケア、ヘッドスパ、ハンドケアなどを一緒に展示している。セルフエステというコト軸で商品をまとめることで、さまざまなケアアイテムがあることが一目でわかる。
遠くから見てもわかる壁面を使った商品展示も面白い。朝はヘアアイロンやリセットブラシ、小顔ケアを使い、日中はメディリフトアイやミスト美顔器で”ながらエステ”やリモート会議前のLEDミラーチェックなどを提案。夜はシャワーヘッドや保湿ケアのスチーマーといったように、一日の時間帯別に使う商品が展示され、新しい気づきを得られる。
リニューアルによりコーナーが拡張したことで、売り場自体にスペース的なゆとりが生まれた。実際に冷蔵庫コーナーは、これまでの豊富な品揃えを重視するあまり窮屈感が否めなかった都市型店舗特有の売り場との違いを実感する。郊外店に来ているのかと錯覚してしまうほどだ。
ここでも、体感や体験を重視した売り場づくりの軸はぶれない。冷蔵庫の中に本物の食材を入れて実演をすることで、まるごと凍った野菜パックと、冷凍なのにパックの中の野菜がサクッと離れる違いが体感できたりする。
また、冷蔵室にも実際のペットボトル飲料や缶ビール、調味料、鍋などが入っている。「冷蔵庫に普段使っているものが入っていることで、お客様にイメージしていただきやすくなる」と桑原店長は、何も入ってない冷蔵室との効果の違いについて語る。
巣ごもりでずっと自宅にいても退屈しないように、「おうち縁日」として非日常感を演出する工夫もみられる。たこ焼き器やお好み焼きややきそばがつくれるホットプレート、ビールサーバーを展示しているが、単に商品を並べただけでは面白くない。
より臨場感を演出するため、たこ焼き器に入っているたこ焼きは、店員自らが作成したというから驚きだ。よく見ると、卓球のボールにソースなどに見立てたフェルトがはってある。ビールサーバーのグラスに入ったビールの泡も、綿でよくできている。コーナーを見るだけで、商品を使っているときの楽しさが伝わってくる。
他にもキッチン家電のコーナーでは、レトロ感のあるラドンナやおしゃれなブルーノの商品を、専用の棚を大胆に斜めにレイアウトして立体的に展示している。画一的な什器に商品を整然と並べるだけでなく、スペースや空間を上手に利用することで、ワンポイントで目に留まるような仕掛けが生まれる。
リニューアルしたビックカメラ池袋本店では、「くらし提案100」として、生活をより良くするための100のアドバイスを売り場でアピールしているという。100のくらし提案の中から、自分に役立つアイデアを探しながら買い物を楽しむのもいいだろう。(BCN・細田 立圭志)
黒板にチョークでイラストが描ける展示台
ビックカメラ池袋本店のリニューアルでは、家電売り場が4~6階まで広がった。4階はエアコン、扇風機、空気清浄機、ビューティー家電など、5階は冷蔵庫、洗濯機、掃除機、アイロン、ミシンなど、6階はキッチン家電のほかリフォームや寝具などを展示している。
新しい店舗に足を運べば一目瞭然、売り場からワクワク感が伝わってくる。例えば、ビューティー家電コーナーのエンド展示では、「美ックカメラ」という手書きPOPが目に入る。肌の質感を測定できる最新美容家電の体験会も開催され、美顔器や洗顔ブラシと一緒に展示する。
商品の展示台の下は、家電量販店であまり見かけない黒板になっていて、そこに手書きの文字やイラストが自由に描ける仕組みになっている。これがコーナーの賑わいや親しみを演出するのだ。
ビックカメラ池袋本店の桑原龍邦店長は、「女性を中心に売り場づくりをイチから見直した。売り場の演出はすべて女性店員に任せている」と語り、コーナー担当者の発想やアイデアを存分に反映できるようにしたという。
展示台の下の黒板は、チョークで来店客の衣服が汚れないよう、表面には薄いビニールを貼るなどの配慮もみられる。
コト軸で商品をグループ展示
売り場ではこうした女性店員たちのアイデアを至ることろで発見することができる。例えば、コロナ禍で自分自身をケアする時間が増えたことで、「セルフエステ」コーナーと題してアイケアやヘアケア、ボディケア、フェイスケア、ヘッドスパ、ハンドケアなどを一緒に展示している。セルフエステというコト軸で商品をまとめることで、さまざまなケアアイテムがあることが一目でわかる。
遠くから見てもわかる壁面を使った商品展示も面白い。朝はヘアアイロンやリセットブラシ、小顔ケアを使い、日中はメディリフトアイやミスト美顔器で”ながらエステ”やリモート会議前のLEDミラーチェックなどを提案。夜はシャワーヘッドや保湿ケアのスチーマーといったように、一日の時間帯別に使う商品が展示され、新しい気づきを得られる。
家電を使ったときの楽しさが伝わる
リニューアルによりコーナーが拡張したことで、売り場自体にスペース的なゆとりが生まれた。実際に冷蔵庫コーナーは、これまでの豊富な品揃えを重視するあまり窮屈感が否めなかった都市型店舗特有の売り場との違いを実感する。郊外店に来ているのかと錯覚してしまうほどだ。
ここでも、体感や体験を重視した売り場づくりの軸はぶれない。冷蔵庫の中に本物の食材を入れて実演をすることで、まるごと凍った野菜パックと、冷凍なのにパックの中の野菜がサクッと離れる違いが体感できたりする。
また、冷蔵室にも実際のペットボトル飲料や缶ビール、調味料、鍋などが入っている。「冷蔵庫に普段使っているものが入っていることで、お客様にイメージしていただきやすくなる」と桑原店長は、何も入ってない冷蔵室との効果の違いについて語る。
巣ごもりでずっと自宅にいても退屈しないように、「おうち縁日」として非日常感を演出する工夫もみられる。たこ焼き器やお好み焼きややきそばがつくれるホットプレート、ビールサーバーを展示しているが、単に商品を並べただけでは面白くない。
より臨場感を演出するため、たこ焼き器に入っているたこ焼きは、店員自らが作成したというから驚きだ。よく見ると、卓球のボールにソースなどに見立てたフェルトがはってある。ビールサーバーのグラスに入ったビールの泡も、綿でよくできている。コーナーを見るだけで、商品を使っているときの楽しさが伝わってくる。
他にもキッチン家電のコーナーでは、レトロ感のあるラドンナやおしゃれなブルーノの商品を、専用の棚を大胆に斜めにレイアウトして立体的に展示している。画一的な什器に商品を整然と並べるだけでなく、スペースや空間を上手に利用することで、ワンポイントで目に留まるような仕掛けが生まれる。
リニューアルしたビックカメラ池袋本店では、「くらし提案100」として、生活をより良くするための100のアドバイスを売り場でアピールしているという。100のくらし提案の中から、自分に役立つアイデアを探しながら買い物を楽しむのもいいだろう。(BCN・細田 立圭志)