【記者のひとこと】セキュリティも箱から雲へ

コラム

2021/07/05 10:00

 新しいサービスを立ち上げるときや、サーバーのリプレイスのとき、オンプレミスよりもクラウドを優先して検討することが当たり前になりました。サーバーという「箱」を所有すれば、当然のことながら保守・運用はユーザーが行う必要があります。その手間のかなりの部分をサービス事業者が代行してくれて、リソースのサイズも需要に応じて増減できるクラウドに人気が集まるのは当然の流れとも言えます。

 一方、多くの企業が現在も運用に苦労しているのが、ファイアウォールや侵入防御装置などのセキュリティ機器。しかも多くの場合、設置されているのは社内ネットワークの出入口部分で、リモートワークの社員が行う通信が制御しきれないといった問題も顕著になってきました。

 最近よく聞かれるようになった「SASE(Secure Access Service Edge)」は、ネットワークの制御とセキュリティ機能をまとめてサービスとして提供するものですが、従来オンプレミスのセキュリティ機器が担ってきた機能をクラウドサービスとして利用できるので、セキュリティ運用が楽になるというメリットもあります。データセンターのラックに積まれていたセキュリティ製品も、これからはクラウドの向こう側へとシフトしようとしています。(日高 彰)

【記事はこちら】
クラウドフレア 需要拡大を見込みSASEの拡販に注力 リモートワークの増加でセキュリティ対策が変化