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池袋の隠れたスポット 屋上に広がる「食と緑の空中庭園」の魅力とは

時事ネタ

2021/06/19 11:30

 池袋といえば、東京を代表する言わずと知れた繁華街だ。サンシャインシティや東京芸術劇場など、遊ぶところに困らない「何でもそろう街」である。商業施設も充実し、池袋駅周辺に西武・東武・パルコ・ルミネ・マルイと、大型のデパートが複数存在。西武が池袋駅東口側、東武が西口側と、不思議な位置関係にある。初めて訪れる人は、混乱しないよう注意が必要だ。東口側に駅直結で営業している西武。その屋上に、隠れたスポットがある。


 西武池袋本店の9階屋上にある「食と緑の空中庭園」には、大都会の中心とは思えない光景が広がっている。天気のいい日には、空気を直に触れながら青空と緑を堪能できる。観光やショッピングに疲れ、癒しの空間を求める人にはありがたい空間だろう。壁面には色とりどりの花が並び、季節ごとに異なる風景を楽しめる。食と緑の空中庭園は、SEGES(社会・環境貢献緑地評価システム)によって「都会のオアシス」に認定されている。
 

 広い空中庭園を代表するのは、「睡蓮の庭」。印象派を代表する画家クロード・モネが愛したノルマンディーの「ジヴェルニーの庭」、そしてモネ晩年の大作「睡蓮」にインスピレーションを得て造園されたものだ。その名の通り、池には睡蓮が浮かんでいる。橋から落ち着いて眺めていると、庭園の外にある都会の喧騒を忘れるに違いない。社会から距離をとり、自然の中で過ごす静かな時間が、現代人に必要なのかもしれない。

 睡蓮の見頃は、初夏から秋にかけてと長い。庭園にある四季折々の花と合わせて、定期的に足を運んで楽しみたいスポットだ。
 

 空中庭園の楽しみ方は、植物を眺めるだけではない。食と緑の空中庭園と称するだけあり、フードが充実しているのだ。フードカートエリアには個性豊かなショップが連なり、さまざまな地域のグルメを味わえる。

 具体的には、1968年から続く屋上名物・手打ちうどんの「讃岐かるかや」、佐賀市のB級グルメ・シシリアンライスを提供する「ココの台所」、ベトナム料理専門店「フォーおいしい」、英国フィッシュ&チップス協会が認める「フィッシュ&チップス マリン」など。西武池袋本店の建物内にもレストランゾーンはあるが、晴れた日には屋上で食と緑を楽しむ選択肢があってもいいだろう。

 多くの人が訪れる池袋にも、まだまだ知らない一面が存在している。自然あふれる「食と緑の空中庭園」からは、単なる繁華街としての姿ではなく、違った魅力を感じられた。別の角度からも楽しむことで、池袋という街を一層好きになれるのではないだろうか。(フリーライター・富井義括)