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密を避けるスケジュール管理の重要度増す 事前予約や時差通勤でポイント加算も

 新型コロナウイルス感染症対策として、来店・相談にあたって予約制を採用する企業・店舗・病院が増えている。以前は予約なしでも待てば店内に入れたが、最近は予約なしでは当日入店不可の場合もあり、予約した時刻に合わせての行動が苦手な向きにはやや息苦しい世の中になった。

店内の混雑回避、丁寧な顧客対応のため、電話やオンライン申込みフォームから時間帯を指定して予約する「来店予約」を推奨する店舗が増えている

 飲食店やヘアサロンなどでは、オンラインで予約してから来店すると、別途、ポイントがもらえるため、「オンライン予約でスケジュールを埋めた計画どおりの行動がお得」といえる。オンライン予約限定クーポンと組み合わせればダブルで得だ。

 飲食店のテイクアウトも、現地で直接購入するより、アプリ・サイトから事前予約の上、店舗では注文商品を受け取るだけの「モバイルオーダー/モバイルオーダー&ペイ」のほうが割引やポイント還元で実質負担が下がるケースが増え、オンライン予約専用サイト、スマートフォン決済アプリや店舗公式アプリのモバイルオーダー機能の存在感が高まっている。
 
アプリやウェブから予約して事前決済で受け取るとポイント還元やキャッシュバックするキャンペーンが実施中だ

 店舗側が定めたルールに従い、飲食サービスが利用し放題の「飲食サブスク」は、「計画どおりの行動がお得」の「計画」に重点をおいた例といえるだろう。1カ月間、3カ月間、6カ月間などの有効期間内に事前購入したチケットの元を取るために、計画を立ててその店舗に立ち寄れるなら、都度現金で支払うより、負担はだいぶ少なくなるからだ。

 鉄道でも計画的な利用にインセンティブを与える動きが顕著だ。JR東日本、JR西日本など一部の鉄道会社は、今春から、ウェブ登録済みのICカード定期券を対象に、平日朝に時差通勤すると毎日ポイント還元するサービスを試験的に開始した(対象時間帯に対象駅を入場・出場した場合のみ。JR東日本はモバイルSuica定期券も対象・エントリー必須)。東京メトロもPASMO限定のポイントサービスを改定し、会社員の平日の時差通勤(日中の通勤)を推奨する「デイタイムポイント」を7月1日に新設する。
 
7月1日以降、平日の日中(10時半~16時半の自動改札機での出場)で1日につき5ポイント、土日祝日の利用で1日7ポイント加算される

 これもまた、事前にスケジュールを決め、その計画を遂行することで初めて1ポイント1円相当として使えるポイントをゲットできる、まさに計画性のある人だけ得する仕組み。

 こうした傾向から、今後、鉄道・通信・金融・消費に関連する、業種を横断した再編が始まるような気がしてならない。ポイント・メンバープログラムを軸に各社とも囲い込みを強化し、それらを無視しても生活は成り立つが、事前に計画を立て、キャッシュレス・チケットレス・ペーパーレスを好むと、ポイントは自然とたまり、たまったポイントは実質現金相当として活用できる。好む好まざるに関わらず、万が一のクラスター発生時に追跡が容易になる、事前の来店予約・入場予約はマナーになりそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)