シャープが液晶テレビで東芝に敗れる、16年5カ月連続トップ記録に終止符、21年3月
液晶テレビのメーカー別月間販売台数シェアで2021年3月、シャープが初めて2位に転落した。首位に立ったのは東芝(TVS REGZA)で20.5%。シャープは20.4%と僅差ながらトップの座を明けわたした。16年と5カ月、197カ月にわたってトップシェアを守ってきたシャープ。3月に入り週次で東芝に抜かれはじめ、ついに月次でも東芝の逆転を許した。3位は、ソニーで14.3%だった。全国の主要家電量販店やカメラ量販店、インターネット通販店の実売データを集計するBCNランキングで明らかになった。
BCNが液晶テレビの実売調査を開始した04年10月以来、シャープは継続してトップシェアを走ってきた。04年10月当時は51.1%と圧倒的に強かった。しかし、競合メーカーの品質向上や価格下落による競争激化などで、08年ごろをピークに首位は守りながらもシェアはダウントレンドが続いていた。一方、東芝は04年当時8.9%と一桁シェアで、2位ソニーの18.3%の半分にも満たなかった。一時25%弱のシェアを獲得しシャープに肉薄する場面もあったが、おおむね2番手、3番手に甘んじていた。しかし、昨年から価格競争力の向上に伴い2割近いシェアを獲得できるようになり逆転に成功した。販売金額シェアでは19年頃からソニーが強く、この3月も25.4%でトップ、シャープが20.2%、東芝が17.8%と続いている。シャープは、台数でも金額でもトップの座を失った。
毎年3月は新生活需要が高まる影響で、比較的小型のテレビの販売が伸びる特異月。しかし、今年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあってか、20型以下の小型モデルの販売構成比が縮小。この3月は15.5%と、昨年3月の20.7%から5.2ポイントも下がっている。その分50型以上の販売台数構成比は昨年比で5.8ポイント拡大した。こうした動きをとらえたのが東芝。50型以上の販売台数構成比は30.1%とシャープの25.9%を大きく上回っている。さらに、画面1インチ当たりの単価についても東芝は安い。3月、液晶テレビ全体の1580円、シャープの1600円に対し東芝は1410円。東芝とシャープの差は拡大する傾向が続いている。東芝とシャープのシェア差はわずか0.1%に過ぎない。シャープがこのまま年間トップシェアまで失うことは考えにくいが、液晶テレビ上位陣のシェア争いはますます厳しさを増してきた。(BCN・道越一郎)
BCNが液晶テレビの実売調査を開始した04年10月以来、シャープは継続してトップシェアを走ってきた。04年10月当時は51.1%と圧倒的に強かった。しかし、競合メーカーの品質向上や価格下落による競争激化などで、08年ごろをピークに首位は守りながらもシェアはダウントレンドが続いていた。一方、東芝は04年当時8.9%と一桁シェアで、2位ソニーの18.3%の半分にも満たなかった。一時25%弱のシェアを獲得しシャープに肉薄する場面もあったが、おおむね2番手、3番手に甘んじていた。しかし、昨年から価格競争力の向上に伴い2割近いシェアを獲得できるようになり逆転に成功した。販売金額シェアでは19年頃からソニーが強く、この3月も25.4%でトップ、シャープが20.2%、東芝が17.8%と続いている。シャープは、台数でも金額でもトップの座を失った。
毎年3月は新生活需要が高まる影響で、比較的小型のテレビの販売が伸びる特異月。しかし、今年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあってか、20型以下の小型モデルの販売構成比が縮小。この3月は15.5%と、昨年3月の20.7%から5.2ポイントも下がっている。その分50型以上の販売台数構成比は昨年比で5.8ポイント拡大した。こうした動きをとらえたのが東芝。50型以上の販売台数構成比は30.1%とシャープの25.9%を大きく上回っている。さらに、画面1インチ当たりの単価についても東芝は安い。3月、液晶テレビ全体の1580円、シャープの1600円に対し東芝は1410円。東芝とシャープの差は拡大する傾向が続いている。東芝とシャープのシェア差はわずか0.1%に過ぎない。シャープがこのまま年間トップシェアまで失うことは考えにくいが、液晶テレビ上位陣のシェア争いはますます厳しさを増してきた。(BCN・道越一郎)