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PayPayと富山県射水市のキャンペーン、地域応援のはずが客が集中して早期終了

経営戦略

2021/02/10 19:05

 PayPayと自治体が地域経済を回すため、街の店を応援することを目的に実施していたキャンペーンが2月10日、新型コロナの「感染リスクの回避が十分に行えない」として早期終了になる事態になった。富山県射水市で実施していたキャンペーンだ。

「PayPayであなたの街を応援しよう!」キャンペーン

 富山県射水市で2月1~28日の期間で開催していた「PayPayであなたの街を応援しよう!」キャンペーンは、対象店舗でPayPayを使って支払うと最大30%のPayPayボーナスが還元されるという内容のものだった。これが、当初予定の終了日よりも18日早い10日に終了することとなった。
 
2月10日に早期終了となったPayPayと射水市のキャンペーン

 射水市では早期終了の理由に、(1)店舗により消費者が集中し、新型コロナの感染リスクの回避が十分に行えないと判断した、(2)店舗の混雑や商品の欠品により、消費者の日常の買い物に支障をきたしている、(3)交通渋滞等の混乱が生じ、安全安心の確保が困難となった、(4)大きな反響により一定のポイント還元額に到達する見込みになった――の四つを挙げる。

 PayPayでは、予想を上回る利用で、ポイント付与総額が上限に達する見込みとなったため、終了したとしている。

 確かに、30%の還元率は最近のキャンペーンの中では高いし、ポイントの付与上限も1回あたり3000円相当、期間で3万円相当というのが魅力的だったのだろう。1万円支払えば、3000円相当が還元されるからだ。

 しかし、PayPayであなたの街を応援しよう!キャンペーンでは、2月時点で49自治体で開催されており、これまでも大きな混乱はなかった。地域によって還元率が10%だったり、20%だったりするが、例えば、群馬県富岡市や東京都東大和市、福井県南越前町、長野県上田市、長崎県長与町でも30%の還元率で実施している。

 新型コロナによる自粛などで経営に苦しんでいる店舗を応援するためのキャンペーンが、密集による混乱によって今後、開催できなくなってしまったら元も子もない。消費者の冷静な行動が求められる。

  【訂正】初出時に大和市とあったのは東大和市の誤りでした。修正しました。