BCN調べ、1都3県の緊急事態初週の消費活動は11月と変わらず

データ

2021/01/14 19:30

 1都3県で緊急事態宣言が発出された1月8日を含む2021年1月1週のデジタル家電市場の販売金額は、20年11月4週や12月1週とあまり変わらなかった。全国の家電量販店やネットショップでPOSデータを集計する「BCNランキング」から、1都3県の緊急事態中の人々の消費活動にあまり変化が見られないことが明らかになった。

「BCNランキング」のデータ

 今回のBCNランキングのデータでは、ネットショップを除き、店頭の販売金額に絞ることで外出自粛中の消費活動がより分かりやすくなるように集計した。

 対象を全国と1都3県に分け、20年11月1週(11月2~8日)の販売金額を100とした週次の指数推移をみると、21年1月1週(1月4~10日)は1都3県で116.7となった。11月4週の111.6や12月1週の117.9とほぼ同じ水準であることがわかる。

 また、東京を中心に新型コロナウイルスの感染者数が急増した年末年始の12月5週(12月28日~1月3日)は全国で203.5、1都3県で163.6と大きな開きがあったが、1月1週は全国で120.2、1都3県で116.7と差が縮まっていることがわかる。

 政府は1月7日の1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)での緊急事態宣言の発出に続き、1月13日に2府5県(大阪、京都、兵庫、愛知、岐阜、福岡、栃木)の発出に踏み切った。飲食店などの時短要請や不要不急の外出自粛、テレワークによる出勤の7割削減、イベントでは最大5000人、収容人数50%上限などを2月7日まで続ける措置を打ち出し、国民に行動の見直しの協力を呼び掛けている。

 家電量販店でも、対象となる地域の店舗では20時に閉店するなど時短営業に協力する動きが広がる。今回のBCNランキングのデータは販売金額ベースのため、必ずしも人数に直結するものではないものの、人々の実際の消費活動の変化がとらえられるので、人出の変化の仮説にもつながるだろう。次週のデータの変化も追っていきたい。(BCN・細田 立圭志)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからPC本体、デジタル家電などのPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(PCの場合)をカバーしています。