• ホーム
  • トレンド
  • 有機ELテレビは追われる立場のソニー、パナソニックが猛チャージ

有機ELテレビは追われる立場のソニー、パナソニックが猛チャージ

 全国の家電量販店やネットショップでPOSデータを集計する「BCNランキング」によると、有機ELテレビの販売台数シェア(2020年1~11月)で、ソニーが37.4%のトップを走る。だが、8月以降、パナソニックが猛烈な追い上げを見せており、追われる立場のソニーがどこまで逃げ切るかが争点になってきた。


 BCNランキングの11月のデータでは、薄型テレビに占める台数比率は液晶テレビが90.2%、有機ELテレビは9.8%。有機ELが1割に迫る規模になっている。その中でソニーとパナソニック、東芝映像ソリューションの上位3社がシェア争いの主役を演じる。

 1~11月の販売台数シェアは、ソニーが37.4%でトップ、パナソニックが33.9%で2位、東芝が10.6%で3位となっており、ソニーが先行している。
 

 だが、月ごとのメーカー別販売台数シェアの推移をみると、8月以降、パナソニックがソニーに猛チャージをかけていることがわかる。

 8月はソニーが38.0%、パナソニックが25.9%と両社のシェア差には12.1ポイントの開きがあったが、その後、パナソニックが販売力を強めて一気に詰め寄る。ついに11月に、パナソニックが36.8%、ソニーが35.8%となり、パナソニックが逆転した。残り12月の1カ月でパナソニックがどこまで追い上げて、受けるソニーはどこまで逃げ切るかが注目だ。

 20年1月のソニーのシェアが45.3%と高かったことからもわかるように、12月のシェアの行方は翌年のスタートダッシュに響くからだ。
 

 年末年始の買い替えの参考に、1~11月までの機種別シェアもみてみよう。トップはソニーの55型「BRAVIA KJ-55A9G」で、16.0%という高シェアを誇る。19年発売モデルながら、フラッグシップのポジションでソニーの有機ELの顔となっている。
 
ソニーの「BRAVIA A9Gシリーズ」(画像は65型)

 2位と3位はパナソニックの55型VIERAの2機種が入った。残念ながら、GZ1000シリーズは19年モデルで既に生産終了となっており、GZ2000シリーズも55型は生産終了となっている。パナソニックなら、7位のTH-55HZ1000や9位のTH-65GZ2000がねらい目だろう。
 
パナソニックの55型「VIERA TH-55HZ1000」

 有機ELテレビは最小画面サイズが55型からとなっており、価格がこなれていることからシェア上位10機種のうち8機種が55型で占める。部屋の広さに余裕があるなら、さらに上の画面サイズを検討してもいいだろう。(BCN・細田 立圭志)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計しているPOSデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。