【記者のひとこと】今年も1年ありがとうございました

コラム

2020/12/28 10:00

 毎年最終号での恒例企画となっている、BCNの記事で1年を振り返る年末総決算特集。今年はあらためて振り返るまでもなく、春以降は新型コロナ禍に関する話題一色。その中で最も悩んだのは特集のタイトルとなる大見出しでした。

 今年はIT業界にもダメージがありましたが、さまざまな業種の中で相対的に見れば、コロナ禍の影響は小さい方だったと考えられます。ITベンダー各社の幹部からも、「プロジェクトの中断や延期はあっても、お客様のIT投資そのものが消滅するケースは少ない」との声が相次ぎました。業界全体としては、コロナ禍をひとまず乗り切ったといえるのではないでしょうか。

 一方、ほかの業界では飲食や旅行で壊滅的な打撃を受け、医療現場で多くの医療従事者の方々が終わりの見えない戦いに疲弊されています。IT業界に限った話とはいえ、記事の見出しで「コロナ禍を乗り切った」と断言してしまうのは無神経ではないかとも考えました。しかし、何とかこの災禍を乗り越えて生き残れたこのIT業界こそ、経済を回すとともに、事態を良い方向に変えていく役割が期待されるのではないでしょうか。

 静かに下を向いているだけでは何も良いことはありません。ぜひ胸を張って、ITの力で社会を支えていきましょう。今年1年ご愛読ありがとうございました。また来年もよろしくお願いいたします。(日高 彰)

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年末総決算特集 コロナ禍を乗り切ったIT業界