年内の駆け込みでお得に家電を購入しよう!

時事ネタ

2020/12/25 18:00

 【家電コンサルのお得な話・31】 早いもので今年も残りわずか。家電量販店はここからの10日間が勝負になる。世間ではすでに多くの企業でボーナスが支給され、年末の準備品や家電製品を購入した人も多いと思うが、「これから購入する」「買い忘れがある」というときは、この記事を参考にしてもらいたい。


 最近では、YouTubeなどで「家電量販店で安く買う方法」といったコンテンツが多く見られ、いい内容で紹介されているので、ここではほとんど知られていない「どうして買い時か」について紹介したい。理解するには、家電量販店サイドの視点になるとわかりやすい。

 家電量販店には「受注」と「出荷」という2種類の予算がある。受注とは「注文を受けただけで商品を渡していない状態」のこと。出荷とは「注文を受けて商品を引き渡した状態(確定ベース)」を示す。決算は当然のことながら、出荷の確定ベースを基に計上するため、一番重要な予算は出荷予算となる。

 また、実績では受注が先行するのに対し、出荷が遅れてついてくる。そのような特性から、月末近くになると出荷が増えてくる。そこで決算に計上するには、お客様が自ら商品を持ち帰る「持ち帰り件数」を促進させなければならない。このことをベースに、12月の後半戦を考えてみよう。

 12月は年間売上高で一番構成比が高く、月平均の1.5倍程度の月別予算になり、特に最終週は平日でも土日並みの日別予算が組まれる。しかも、多くの企業では第3四半期の最終月であることもあり、なんとしてでも出荷予算をクリアしないといけない月である。

 図はこれらをまとめたもの。店長の肌感覚としては、年内配達が可能な12月26、27日の土日は「キツイ値段でも取れ」という指示を出し、大物商品を“売り切る”ことで月別予算のメドを付け、併せて26~30日で小物商品の持ち帰りを促進し、出荷予算達成を狙っていくイメージを描くだろう。

「価格交渉」のポイント

 また、販売員も12月は定休が少なく、疲れがピークに達する時期でもあるため、「早く売って、早く落ち着きたい」という感覚になる。特に31日は正月への装飾変更も伴うため、31日まで予算達成をもつれ込ませず、29日か30日で予算達成を決めたいと考えるだろう。

 結果として、配達が必要となる大物商品は26、27日が狙い目となる。価格交渉をする際は「今決める」感をアピールするといいだろう。「今決めて、今月の売り上げに協力するから、もう少し安く…お願い」とダイレクトに伝えてもいいぐらいだ。

 一緒に小物商品も価格交渉をして、「今決める」アピールに加えて、「持ち帰る」ことを交渉材料に使うといいだろう。家電量販店が「どうしても買ってもらいたい時期」を狙い、少しでもお得な買い物をしていただければと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)

■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。