ゲーミングPC“No.1”メーカーが手掛けるビジネスPCとは?

販売戦略

2020/11/13 17:31

 ゲーミングPCで有名なMSIが、ビジネスPCも手掛けていることをご存じだろうか。もちろん、派手な色で光ったり、ごつい見た目だったりはしない。高い処理性能が必要なゲームを快適にプレーできる性能をそのままに、ビジネスユース向けにデザインと設計を見直している。スタイリッシュなデザインと高性能なPCなら、作業効率もアップするはずだ。

ゲーミングPCメーカーMSIのビジネス向けノートPC
「Summit-B14-A11M-765JP」

 MSIは、ゲーミングPC業界で世界的に活躍するメーカーだ。2015年に日本に上陸して以来、ゲーミングノートPCを中心に本格的な展開を開始。18年に薄型・軽量・ハイスペックなクリエーターノートPCシリーズを新たに販売していた。全国の家電量販店やECショップでPOSデータを集計する「BCNランキング」によると、2019年には、GTXもしくはRTXのグラフィックボードを搭載したノートPCの中で販売数量No.1の座についた。

 20年からは、コロナ禍によって大きく転換せざるを得なくなった働き方にあわせ、テレワークのニーズに応えていくため、ビジネスPCに参入した。これによって、MSIユーザーの裾野を広げていく狙いだ。

ビジネスシーンで生きるノートPC

 新製品は、CPUに第11世代インテルCoreプロセッサーを搭載したビジネスノートPC「Summit」シリーズ。ビデオ会議やオフィス以外での仕事など、現代のビジネスPCにおいて必要とされる機能を備える。
 
ビジネス向けノートPCにピッタリの高性能

 例えば、CPU内蔵のGPU「インテル Iris Xe Graphics」は、スムーズなビデオ会議を可能にする。もちろん、ウェブカメラ(92万画素)やマイク、スピーカーも搭載するので、ワンストップで利用可能だ。表計算ソフトなどでも、サクサク作業することができる。動画・画像編集ソフトを用いたクリエイティブ作業も快適。ビジネスユーザーだけでなく、ライトクリエーターにも適したモデルだ。

 また、仕事で各地に持ち運ぶことを想定し、セキュリティにも配慮している。ハードウェアTPM 2.0(Windows 10 Proモデルのみ)やWindows Hello対応指紋認証リーダー、BIOSセキュリティメニューなど、社外へ持ち出した際に不正アクセスやクラッキングを防ぎ、情報漏えいのリスクをおさえる。重さも1.3kgにおさえ、セキュリティと携帯性の両立を図っている。

 デザインは、ビジネスシーンにふさわしい装いだ。黒を基調としたボディはシンプルで落ち着いた印象を与え、あらゆる仕事場の雰囲気になじむ。ビジネス向けに刷新した「MSI」ロゴは、これまでに比べてシャープで目立つことはないが、仕事における緊張感を演出している。
 
背面のデザインも落ち着いている

 この他、接続性もバツグン。最新の無線LAN規格「Wi-Fi 6」に対応し、大容量で高速、安定した通信を可能にする。USB Type-Cの「Thunderbolt 4」ポートを1端子搭載しており、超高速データ転送、映像出力、高速充電などの拡張機能を一つのポートで完結する。

 メモリが16GBで、ストレージが512GBのSSD、バッテリ駆動時間が最大10時間。OSはWindows 10 Homeを備え、「Microsoft Office Home & Business 2019」をプリインストールしている。端子は、Thunderbolt 4 Type-C(USB4、PD対応)のほか、USB 3.2 Gen2 Type-A×2、HDMI×1、ヘッドホン出力(ハイレゾ対応)/マイク入力コンボジャック×1という構成になっている。税込みの市場想定価格は、17万7000円前後の見込みだ。

 タフな性能が求められるゲーミングPCで培ったノウハウを惜しみなく生かしたPCは、クリエーティブな作業や移動が多い人にぴったりの性能だ。デザインもクールで、ゲーミングPCのMSIを知る人から見ても一目でビジネスPCと分かる。MSIの新たな挑戦は始まったばかりだが、ビジネスPCでも活躍できる要素はそろっているはずだ。