【記者のひとこと】混乱の中の上期決算
3月決算企業の上期業績が発表される時期になりました。新型コロナ禍による経済環境の悪化が直撃した期間ですから、国産大手総合ITベンダーや大手SIerの決算も厳しめな数字が並んでいます。当初の想定よりも新型コロナの影響が長引いていることが、業績の回復を遅らせている側面もありそうです。
一方で、期初や第1四半期決算発表時に公表した21年3月期の業績予想は、「変更なし」というITベンダーが多い印象です。“ニューノーマル需要”に支えられた新たな案件も増えており、通期での十分な利益の確保には自信があるということなのでしょう。ただし、油断は禁物。新型コロナが、いつ、どんな形で落ち着いていくことになるのか、先行き不透明感は残っていますし、混乱極まる米大統領選挙が世界の経済にどのように影響するのかも未知数です。事業環境の目まぐるしい変化に対応しやすい、強い企業への変革が求められているのは、IT業界も他の産業と同様です。
(本多和幸)
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