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スマホの平均画面サイズ、12年で1.6倍に タブレット化進む?

 家電量販店・オンラインショップのPOSデータを集計する「BCNランキング」によると、スマートフォン(スマホ)の平均画面サイズは2008年のiPhone日本上陸から約12年で、約2.20インチ大型化していることが分かった。集計データには、「iPhone 3G」の日本上陸以降の四半期推移を使用している。

スマートフォンの平均画面サイズは徐々に大きくなっている

 データによると、08年7月~9月(3Q)の平均画面サイズは3.39インチ。片手で使うにも十分適したサイズ感だった。時間が経つにつれ、画面サイズは右肩上がりに大型化し、12年2Qに4.00インチを突破。シャープ「AQUOS PHONE SERIE」(4.60インチ)やソニーモバイルコミュニケーションズ「Xperia NX」(4.30インチ)などが発売した時期でもある。

 5インチを上回った17年4Qには、Apple「iPhone X」(5.80インチ)が登場。このほか、ソニーモバイルコミュニケーションズ「Xperia XZ1」(5.20インチ)、シャープ「AQUOS sense」(5.00インチ)など、5インチ以上の人気モデルが登場した。

 19年4Qから20年1Qにかけては、5.75インチ以上にまで大型化していた。同時期に人気を博していたのは、「iPhone 11」(6.10インチ)や「iPhone 11 Pro」(5.80インチ)などだ。20年2Qから3Qになると、平均画面サイズは5.60インチ前後まで戻ってきている。片手で持っても画面の端まで指がかろうじて届くのは、ギリギリこのあたりのサイズまでだろう。同時期には、「iPhone SE(第2世代)」(4.70インチ)が登場している。

 スマホの大型化は動画の視聴やゲームが快適になる反面、重さや日常使いの操作性などに課題が残る。ただ、平均サイズは徐々に大きくなっており、もはやタブレット端末に近い画面サイズを持つスマホも現れてきた。現在は右肩上がりの傾向は落ち着いているが、このまま大型化を続ければ、サイズも性能もいつかタブレット端末との垣根があいまいになってくる。

 そこに待ったをかけるのが、日本で人気のiPhoneだ。最新の「iPhone 12 mini」は画面サイズ5.40インチでも、本体は「iPhone SE」(第2世代)よりも小型で「使いやすそう」と評判を集めている。iPhoneシリーズは人気であることから、平均画面サイズへの影響も大きい。発売は11月13日であるため、20年4Qの平均画面サイズにどのような影響が出るのか、注視していきたい。(BCN・南雲 亮平)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。