シャミ子は全然悪くない? 原作に存在しない台詞「シャミ子が悪いんだよ」って一体…
【いま注目のトレンドワード・3(ミーム編)】 ネットサーフィンをしている際に、ふと疑問に思ったことはないだろうか。「この単語、よく見かけるけど一体どういう意味なのだろう」と。ネット上には、知る人ぞ知る“キャッチーなワード”がいっぱい。そして今回注目したのが、「シャミ子が悪いんだよ」というネットミーム。元ネタは伊藤いづも原作の漫画「まちカドまぞく」なのだが、本編には一切登場しないって一体どういうこと?
そもそも“シャミ子”とは、「まちカドまぞく」の主人公・吉田優子のこと。ある日、突如として闇の力に目覚め、自身が“魔族の末裔”であったという衝撃的事実を知る。その際に魔族の活動名として与えられたのが“シャドウミストレス優子”、通称「シャミ子」。
一見、同作に「シャミ子が悪いんだよ」という台詞が存在するのかと思いきや、原作には一切出てこない。なぜならこの台詞、ファンの妄想から生まれたネットミームなのだ。
同作には、千代田桃という魔法少女が登場するのだが、実はシャミ子と敵対する存在、のはずだった。というのも、シャミ子は天然・貧困・貧弱の3拍子がそろった超ポンコツ。敵であるはずの桃に幾度となく借りを重ねていき、いつしか2人の間には並々ならぬ友情が育まれていく。
やがて読者の中には、彼女たちに“百合の花”を咲かせる者が現れるようになる。その妄想が膨らみに膨らんだ結果、あるファンが“桃がシャミ子に言いそうな台詞”として挙げたのが「シャミ子が悪いんだよ」(略して「シャミ悪」)だった。
しかも、桃の数々の言動から、本当に言いそうな台詞なのがまた厄介なところ。おかげで、ネット上では「皆が聞き逃しているだけで本当は存在する」「原作とアニメで言っていないだけ」といった謎の解釈が広まり、昨年開催された「ネット流行語100」でniconico賞を受賞する事態にまで発展した。
何度も言うようだが、原作とアニメにこの台詞は一切登場しない。これにはさすがの作者も、「niconico賞を頂けるというお話を頂いたときは、正直お受けしようかかなり迷いました」とコメントを寄せていた。
勝手に1人歩きし、気づけばネットミーム化した「シャミ子が悪いんだよ」。とりあえず確かなのは、シャミ子は何も悪くないということだけだろう。(フリーライター・井原亘)
■Profile
井原亘
元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている
そもそも“シャミ子”とは、「まちカドまぞく」の主人公・吉田優子のこと。ある日、突如として闇の力に目覚め、自身が“魔族の末裔”であったという衝撃的事実を知る。その際に魔族の活動名として与えられたのが“シャドウミストレス優子”、通称「シャミ子」。
一見、同作に「シャミ子が悪いんだよ」という台詞が存在するのかと思いきや、原作には一切出てこない。なぜならこの台詞、ファンの妄想から生まれたネットミームなのだ。
同作には、千代田桃という魔法少女が登場するのだが、実はシャミ子と敵対する存在、のはずだった。というのも、シャミ子は天然・貧困・貧弱の3拍子がそろった超ポンコツ。敵であるはずの桃に幾度となく借りを重ねていき、いつしか2人の間には並々ならぬ友情が育まれていく。
やがて読者の中には、彼女たちに“百合の花”を咲かせる者が現れるようになる。その妄想が膨らみに膨らんだ結果、あるファンが“桃がシャミ子に言いそうな台詞”として挙げたのが「シャミ子が悪いんだよ」(略して「シャミ悪」)だった。
しかも、桃の数々の言動から、本当に言いそうな台詞なのがまた厄介なところ。おかげで、ネット上では「皆が聞き逃しているだけで本当は存在する」「原作とアニメで言っていないだけ」といった謎の解釈が広まり、昨年開催された「ネット流行語100」でniconico賞を受賞する事態にまで発展した。
何度も言うようだが、原作とアニメにこの台詞は一切登場しない。これにはさすがの作者も、「niconico賞を頂けるというお話を頂いたときは、正直お受けしようかかなり迷いました」とコメントを寄せていた。
勝手に1人歩きし、気づけばネットミーム化した「シャミ子が悪いんだよ」。とりあえず確かなのは、シャミ子は何も悪くないということだけだろう。(フリーライター・井原亘)
■Profile
井原亘
元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている