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ビックカメラの木村一義新社長に聞いた、15年ぶりのトップ交代の意味

インタビュー

2020/09/26 18:00

ビックカメラとコジマの関係は?

――7年前にコジマの社長に就任されたときは、3年間で約80店舗を閉鎖するというスクラップ&ビルドをしました。今回もそのようなことを考えていますか。

木村 コジマのときは敵に塩を送るようなことをして、競合他社を一時的に喜ばせたかもしれません。しかし、単に赤字店だから閉めたのではなく、マーケットのポテンシャルや周辺の競合と比べて、私たちの努力だけでは採算的に厳しいということで80店舗強を閉めました。しかし、止血をしたことで筋肉質になり、体力がつきました。いったん縮んで収益性を強くしてから攻めに転じたのです。

 ビックカメラについても、制約なしに白紙の状態で見直していきます。もちろん、店舗数からしてコジマの時ほど多くはないですが、新型コロナ以前から不採算だった店舗などはスクラップ&ビルドに取り組みたいと思います。
 
コジマを再生させた木村社長

──ビックカメラとコジマの関係は今後、どのような形になるのでしょうか。先行きが不透明なので、都市部が厳しいから郊外に出店するという単純な話でもありません。

木村 私はコジマも含めて、店舗を増やして売り上げを増やすことは考えていません。売上高よりもまずは収益力、商品力、付加価値です。

 私がコジマの社長に就任したときに、親会社のビックカメラと子会社の関係の中で、ビックカメラのコピーでは意味がないとして、ビックカメラ流にすることに断固反対しました。

 ビックカメラは専門性と先進性です。半歩先の提案が求められます。一方で、コジマは現状の生活を応援するというスタイルです。ビックカメラの強いデジタル商品や売り場づくりのノウハウはコジマに取り入れましたが、ワンブランドにするのではなく、ツーブランド、ツーカラーの店を持つことが、こういう時代ではカギになってきます。(つづく)

■プロフィール

木村一義(きむら・かずよし)
1943年11月生まれ、三重県出身。67年に日興証券入社後、00年に同社取締役副社長、01年に日興アセットマネジメント取締役社長、05年に日興コーディアル証券取締役会長に就任。12年4月、ビックカメラ顧問、同年11月にビックカメラ取締役およびコジマ取締役、13年2月にコジマ会長、同年9月に会長兼社長に就任し、20年9月よりビックカメラ社長(現任)。

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